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『もし雨が降ったなら』

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朝起きたらベットの前に人が居てさ、一緒に踊るんだ。


これが俺の親友のイマジナリーベストフレンドの最期の言葉でした。幸せを概念化できない僕の親友、魔裟斗は、昔っから1人で、顔も変で、たった1人の高飛車なガールフレンドを除けば、何も持ってないくだらん男だった。そいつのイマジナリーベストフレンドが死んだ。死因は自殺だそうだ。死ぬ前にビックリマンをコンプしたいって言ってメルカリで漁りまくってたらしい。博多にあえて味噌ラーメンを食べに行ったり、沖縄で凍死できるように頑張ってみたりするクソ野郎だったらしい。その前足にはロレックスの掛け時計、尾には長く金色の毛。すっごい流離なヒンドゥー語を話してさ、親しみやすかったのにさ。なんで死んじまうんだよ……え?イマジナリーフレンドって見えない?あぁ、イマジナリーフレンドは確かに実在しないね。……現実ではね。オデはフィクションなのさ。つまり、本の裏にはいないって訳。おっと、ゴミ出ししなきゃ。

2
マカナ。彼女はオイラの不倫相手だ。黒く艶のある長髪。挑戦的な光を放つ眼。高く整った鼻。砂時計を彷彿とさせるスレンダーなボディ。そしてまた、いつもの火曜日の昼間がやってきた。夫は「モフモフのキラーマシン」の社長で週に1度の火曜日、家を空ける。
オイラは、マカナの腰に手をあてながら、叫ぶ。「マカナあぁぁぁぁあッツツツツ!!!ポン・デ・リングをこれからNIKEコーデで買いに行かないかぁあああッツツツツ!!!??」マカナ。「いやよ、はしたない。NIKEは東京リベンジャーズに感銘を受けたクソガキが着る服なのよ?私達には似合わないわ。だって私達はあたしンちのマニアなのよ?」と。オイラ「っっせぇなクソアマあぁぁぁぁッツツツツ!!!!!」金、プラチナ、銅。クソみたいな指輪をつけまくった右手で十字を切りながら左手につけたメリケンサックで"ヒンドゥー語の辞書"を殴る。殴る。殴る。蹴る。踊る。煮る。そして炙り、炒め。オリーブオイルで味を整える。こうしてトマトを加え、マカロニを和える。これが母から教わったマカロニサラダの作り方なのだ。ヒンドゥー語の辞書の燃えカスを見ながら今までに文句を言ってきた友人らを思い出す…それらは数知れず。だかオリーブオイルを天高くから注ぐ彼らはもう亡き人だ。マカナ。彼女のシュプリームの服を脱がす。「やめて、、、。恥ずかしいわ、、、。夫以外の四足歩行生命体とまぐわうなんて、、、」とマカナ。オイラ「なに、恥ずかしがることは無い。そう、堂々とすればいいんでゲス!まるで『鼻』の和尚の様に。アナーキーな社会に風穴を開けようとする少年たちのように!さぁ、いいでゲス?」彼女の背中がカーテンから差し込むミラーボールの光でうっすら見える。何年前からだろうか、突如として太陽はミラーボールになったのだ。背中に「鬼瓦 魔裟斗」と書いてある。「元彼の名前なの。今彼は内閣総理大臣をしてるわ。」無機質な表情で事実を述べる。ウィキにもそう書いてある。オイラ。
「ああああああああぁぁぁああああああああぁぁぁ逝くぞ!!!逝くぞッツツツツッツツツツ!!!マカナああああああああぁぁぁああああああああぁぁぁあ!!!!!

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いや〜、ぬめぬばばぁさんにインタビューですか!楽しみですね〜。あれ!?救急車です!ambulanceです!?えっ?死んだ?どうやらインタビューは出来ませんね。そこら辺の人に聞きますか。おっとぉ!?シュプリームの服を着た奴がいますねぇ!これはもしや「あたしンち」のマニアでしょうか!?聞いてみましょう!答えによっては生きて帰しません!
あたしンちのマニアですか!?……ですよね!!!好きなのは何部の何話ですか?…!!!7部の68話「アタイっ!混沌としたこのソサエティに差す一筋の光の先にあるのは死のみ!それを追いかけるよ!」ですって!?まさかあの、シリーズ屈指の激しい戦闘シーンと評価され、つねに汚点と言われたあの話のファンですか……"通"ですね!!!………どこに行かれる予定で?…ポン・デ・リングを買いに行くのですか!その彼氏さんも?…ですよね!マニアですよね!いや〜今日はいい日だ!

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内閣総理大臣、鬼瓦魔裟斗。昔から僕は酷い名前だと言われてきた。大抵はその後に親を見たいと言われた。だけれどもそんなヤツらは本当に親の顔なんて見たいと思ってない、そう思ってた。僕達はかつて二足歩行だった。僕が総理大臣をやる前は。しかし任期の時、ヤツらがきた。国民に内緒で話し合いの場を設けた。地球を侵略するのが目的だったそうだ。彼らは4本足で、尾が生えてた。ヤツらが地球に馴染めるためまずは星の者全てを四足歩行にさせてくれと言った。断れば殺される。私は承認した。悔しかった。ガールフレンドに慰めてもらった。その後すぐに別れを告げた。一人で生きていきたかった。仕事だけをする人間になりたかった。

5
あとがき
はっきりいってここまで読んでくれた人はいないと思う。もし本当に読んでくれてるのなら僕は涙を流して君に抱きつくはずだ。本当に。切実に。この五臓六腑に誓おう。読んでくれるだけでいいのです。
この話は全て僕が書いてきた怪文書のまとめです。誰しもが楽しく生きれる世の中じゃないんです。僕だって嫌なことがあります。それでも、少し下を見れば自分よりも…って思う人は1人はいるはずです。上を見ろなんて言いません。下を見ろ。これでいいハズです。
最後に。
本当に読んでくれてるのなら心から感謝をします。ありがとう。読んだと教えてくれる方、いらっしゃれば手厳しい意見でも構わないので、是非コメントをお願い致します。それではまた。

以下:宣伝

社会問題の象徴、現代のブラックボックスであるメンヘラ。実際にインタビューをして得た知識から短編小説を書きました。

『切腹』|御船 烏合|

話は引きこもりの男が死ぬ所から始まる____________世界には何億人の人間が居るのだろうか。そして貴方は何人の人間を知ってるのか。広く思える世界は意外と狭く、道ですれ違った赤の他人は意外と深い!

『見たな』|御船 烏合|note

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