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心の目で遠くを見ている

ここ数日、やっと暖かくなって、桜もほころび始めた。

北国の、遅い春である。

昨年の今頃は、息子が高校に入学したばかりで、慣れるのに必死。

桜もあまり記憶にない。

今はだいぶ慣れたけれど、高校生は本人も家族もハードだ。

今年も、どこかせわしく桜を見ている。


昨年、息子が面白いことを言っていた。

「俺は、心の目で遠くを見ているからね。」

いったい何が見えていたのかはわからない。

でも、昨年言っていたこの言葉を、今はもう言わない。

彼の中で、なんとなくブームだっただけなのかもしれない(笑)。

彼も、桜なみにせわしなく成長していく。


彼は時々、ちょっと日本語に難があるのではないかと思うような、おかしなことを言いだすが、本人はいたって真面目(笑)。

そしてそれをどこかで楽しみにしている私。

いつまで聞けるか、わからないから。

もっと大人になったら、面白いことなんて、言わなくなるかもしれないから。


願わくば、あなたが心の目で見ている景色を、母にも少し、シェアしてくれないかな。




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