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フジイ サダモリ
2018年3月16日 01:51
5.「ほら、そこ」 洞窟の外に出ると、そこには平らな岩肌が続いていた。 辺り全体を白く薄い霧のようなものに包まれ、空は相変わらずの灰色だった。今すぐに雨が降り出してきてもおかしくないように思えた。 僕は少しの間、止まったままのマルコの背中を見つめた。彼が今何を思っているのかを、計り知ることはできなかったけれど、あのコウモリ達が「一人残らず性格が最悪」であったことは確かだった。