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卵巣がん備忘録(2)入院中の一番の心配事は・・・

そんなわけで、2021年秋、卵巣がん&子宮体がんが発覚し、人生初の入院と手術に臨むこととなった。

自分のカラダはドクターたちにまかせるしかないので何の心配もしていないのだが、今回最も心配だったのは・・・我がダンナさまのことである。
まあ世の中の旦那衆のほとんどがそうであるように、男というのは「妻が病気になる」「妻が入院する」「妻が先に逝ってしまう」ということは、
まったく考えていない
。ダンナにとっては奥さんは不死身だからな。

そんなわけで、我がダンナも当然「ウチの妻は病気になんてならない」と思いこんでいただろう。
ところが、2週間の入院となると大騒ぎである。
彼は料理がまったくできないため、2週間もの間、食生活をどうしようというのがまず課題だ。
ダンナは透析患者なので、食べすぎやインスタントが続くと、体重が増えすぎたり数値に影響が出たりしないだろうか・・・と心配しながらも、
パックご飯をはじめレンジでできる冷凍食品やレトルト、カップ麺などなどを買いそろえてはおいた。

さらに3、4日なら食べられるよう作り置きもしておく。
まあ今の時代はコンビニもスーパーも栄養バランスが良いお弁当やお惣菜がそろっているので大丈夫だろうとは思いつつ。
心配ばかりしていても仕方がないので、何かあったら病院スタッフやご近所さんにお願いするようにして、2021年11月9日、入院日を迎えた。

行き慣れた病院の入口を晴れて(?)入院患者として訪れる

ダンナの付き添いで何度も何度も訪れた大学病院。今回は自分が患者である。
まずは入院前CTに行き、11時前に病棟へ。
当時は(今も)病院は基本的に面会禁止なので、ダンナとはここでお別れ。病室までも一緒に行けない。
入院当日と着替えを持ってくる時と手術当日とドクターからの説明以外は基本的に病棟に上がるのはNG。思えば、こんなに会えないのは結婚してから初めてかもしれん。淋しい・・・

病室に案内され、入院中の過ごし方のレクチャー。病院では朝7時起床、22時就寝。食事は7時半過ぎ、11時半過ぎ、17時半過ぎと、普段の生活よりかなり早めである。
婦人科病棟で女性しか居ないため、シャワーは毎日でも使うことができる。当日の朝6時から自分で予約を取るらしい。
病棟の案内がひととおり終わったら、もう昼食が来ていた。いきなりの全粥。
手術前は腸をキレイにするため「低残渣食」という消化の良い食事でなければならないらしい。
とりあえず荷物を整理し、ベッド周りを整え、パジャマに着替えて落ち着いてから昼食を食べる。

昼食後は血圧測定、そして動脈からの採血。
「これで何がわかるの?」と訊いてみたら酸素飽和度とかを調べるのだそうだ。
当時はコロナで呼吸機能検査ができなかったので動脈からの採血で検査を行ったのだ。

手術説明では、リンパ節郭清は行わないとのことだったが、念のためということで足首から太ももまで太さを計測された。そして、翌日の夜から穿く弾性ストッキングを渡され、1階に降りて下肢のABI(動脈硬化の程度などを調べる検査)を行い、その後病棟の診察室で内診。
大学病院ゆえチームで取り組んでくれるので、ずっと診察してくれていた主治医とは違うドクターであった。
どうやらこの若いドクターが執刀医らしい。
内診終了後、ドクターはさわやかな笑顔で
「じゃ、予定どおり明後日手術しますからね」
ううむ、さわやかすぎる・・・。おかげで「別にたいしたオペじゃないんじゃないか?」という気持ちになれた(笑)。
いや、ドクターたちにとっては日常的な手術だろうからな。改めて医者ってすごい。

夕方5時半にはもう夕食(もちろん夜も粥)。病院のペースに慣れるのは大変だ。
夕食後、1階のコンビニに手術後に使うTパンツを買いに行ったら、外来が終わっているせいか1階は入院患者だらけだった。
この病院では入院患者と外来患者の接触を避けるため、入院患者のコンビニ利用時間が制限されている。夕方になると入院患者がコンビニ利用OKになるのだ。
みんな同じパジャマでコンビニで買い物をしたり、やたらとうろうろしていたり、タブレットやスマホで作業していたり家族と電話してたりしていた。
ワタシも1階で滅多にしないFacetimeなんぞをしてみた。

入院2日目・手術前日


さて翌日。初めて病院のベッドで迎える朝。緊張して寝ていたのかカラダが痛い。
朝7時に血糖測定、空腹時血糖117と優秀。
7時半過ぎに朝食が来た。当たり前のようにお粥である。

その後看護師さんが来て「夜から食事ナシで点滴になりますからね~」と伝えられる。
午後は麻酔科のドクターから手術に際しての麻酔の説明。麻酔についての冊子を渡され、どういう麻酔を行って手術を行うかを説明された。
その後下剤をゴクゴク飲み、トイレに通いながら途中で点滴のルート取り。

夕方に婦人科のドクター回診、そして手術前なので剃毛。処置室でバリカンを使ってジャリジャリと剃られ、その後シャワー。術後3~4日は風呂に入れないため念入りに洗っておく。
寝る前にいよいよ弾性ストッキング装着。明日は朝イチで浣腸をするらしい。

本当に何もかもが初めてのことだらけでちょっとテンション上がり気味。

しかし、それでも翌日は手術なのだ! 心して寝よう!

※個人の体験であり、個人的な感想を書いています。診察・治療などについては私の記憶で書いてあるので正確ではない部分もあります。あくまでも『私の場合は』の話で、すべての人にあてはまるわけではありませんのでご了承の上読んでくださいね。

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