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はじめての本気の漢方で自分のカラダと向き合うことを考えた

「漢方を試してみませんか?」

そう勧められたのは疲れが溜まりにま溜まって、さらに子宮頚がんの精密検査を受けるように病院で言われた時のことだった。
幸いにも後日、子宮頚がんは問題がないことがわかったのだが、それにしても体調が良いとはとても言えない状態。
勧めてくれたのは長くお世話になっている鍼灸院の先生だった。私のカラダの状態を私以上にわかってくれている先生の言葉に素直に漢方の先生のところへ相談に行くことにしたのだ。
漢方に関しては、全く馴染みがないわけではなく、これまでも市販の「葛根湯」や「ヨクイニン」、「桂枝茯苓丸」など、顆粒や丸粒のものは飲むことも多かった。ただ、あくまで自分で症状からこれだろう、と選んでいたので、今回のようにカラダを診てもらって処方してもらうのははじめてのことで、少々緊張してもいた。

漢方の先生のところへは車で2時間ほどかかるが、これが近いのか遠いのか。
とにかく車を走らせた。
その間も色々なことを考える。年齢のせいだと言い聞かせていた私のカラダは、果たして専門家が診たらどのような状態なのか。
そして、私のカラダはどのように変わるのか。
不安と期待の入り混じった私は薬局の駐車場に車を停めた。
そこは、小さな町の薬局という感じで、すごい漢方の先生がいるぞ!という主張があるわけでもない。

緊張気味にドアに手をかけた。
「こんにちは」
店内に入ってまず目に留まったのは、正面にある調合室だ。ガラスで仕切られているその部屋は一段高くなっている。
「はい、こんにちは」
にこにこと優しい笑顔で年配の先生が迎えてくれた。私は、鍼灸の先生の紹介で来たこと、そして、子宮頚がんの精密検査を受けること、最近のカラダの不調について話した。先生はいくつかの問診をしながら、私の脈を診る。
そして、まずは冷えを改善することからはじめましょう、ということになった。その時の私は足先だけではなく、ふくらはぎ、太腿と、足全体が冷えて冷気が出ているような感覚があるくらいの冷え性だった。そしてもうひとつは疲れを取るための漢方も飲んだ方がいいだろう、ということだ。「では」 と言って先生は調合室に入ると、たくさんの引き出しから次々と漢方薬を取り出して測って合わせていく。ここでびっくりしたのが、漢方は顆粒でもなく、丸粒でもなく、自分で煎じて飲むものだったことだ。はじめての経験に少しワクワクする。煎じ方と飲み方を説明してもらい、私は薬局を出た。気持ちは異空間にいたような感じだ。とは言ってもそれは不快な感じではなく、とても優しく、ホッとする空間であり、時間を過ごせたという満足感のおかげだろう。

さて、帰ってから鍼灸の先生に報告すると、処方してもらった漢方は、一番強い冷えの薬と、手術後や出産後に飲んだりするような体力が落ちている人のための
薬だということを教えてくれた。あまりに意外すぎて、ポカンとしてしまった。
そんなにカラダが疲れきっていたのか。
ここで私は、やっと自分のカラダと向き合ってメンテナンスをして、労ってあげないといけないなと強く感じた。
私がこれまでしてきたことと言ったら、熱があっても平気なふりで仕事をしたり、頭が痛くても、気持ちが悪くても、とにかく仕事は休めないと頑張りすぎていたこと。
でもこれからは、カラダとの対話が必要だということなのだろう。私はこのカラダと向き合って対話することをおざなりにしてしまったために、自分の不調も軽く考えてしまっていた、ということらしいと気づいた。これでカラダにもっと動けと言っていたのだから、本当にひどい話だ。

さてあなたはどうだろうか。最近自分のカラダと向き合っているだろうか? 私のように疲れや不調を仕方がないものだと放置してはいないだろうか。どんな方法でカラダと向き合うのかは人によって違ってくるだろう。私はたまたま鍼灸と漢方だったということなのだ。 実際、漢方を飲み始めることで、カラダがな楽になってくるのは気持ちがいい。煎じている時間も香りを嗅いだりとリラックスさする時間になっている。そして、その時に自分のカラダと向き合うのだ。最近の冷えはどう? 漢方を飲みはじめてから冷たいのは足先だけになってきた。頭痛は? 減ってきたかな。最近他に気になることは?

今日も漢方を飲みながら、自分のカラダと対話しているのだ。
漢方はこれからもお世話になっていきたいと思っている。
そして、自分のカラダと上手に付き合っていきたいものだ。



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