見出し画像

BiSHがいた世界


BiSHが解散をしてから、かれこれ10ヶ月くらいは経ってしまうだろうか。



「 BiSHがいた世界と、BiSHがいない世界 」






今でもBiSHがいた世界を思い出すと、なんて楽しくワクワクした日々だったんだろうとその空気感ごと感じるし、思い出せば思い出す分、「今はBiSHはいないんだな」と実感する毎日だ。

解散前は「絶対に耐えられない!これからどうやって生きていくんだ」と毎日嘆いていたような気がするが、いなくなっても当たり前のように人生は続いていくし、当たり前のように世界は回っていて、解散日から離れていけばいくほど、"時間"というものは恐ろしく無慈悲だなと感じている。


ただ、いなくなって改めて思う。



人生で最高の出会いだったし、
人生で最高の青春だった!


この先の人生にこれ以上はないでしょ。
そう確信できる。






最後の日は、BiSHとして最高の晴れ舞台だった。

100人キャパのライブハウスから始まったグループが、最後の最後に5万人が入る東京ドームで幕を閉じる。こんな美しい散り方が他にあるか。



彼女たちが8年間でBiSHとしてBiSHらしく突き詰めてきた"かっこよさ"や、積み上げてきたライブバンドとしての"力強さ"、アイドルとしてステージに立つことの"覚悟"を、集大成として過去最高に表現されていたと思うし、何より東京ドームが大きく感じないほどに空間全体をBiSHが支配していた。

そしてそれと同じくらい、我々"清掃員"も気合いに満ち溢れていて、声がドーム中に響き渡った。

当たり前の景色である、6人は清掃員を、清掃員は6人を見て、愛を投げつけ合って、声を枯らし合って、そうやってひとつのライブが完成していく。
ライブという場所でしかない、こんなにも美しい風景、美しい関係性を感じられる瞬間ひとつひとつが愛おしく、かけがえのない時間だ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

"HiDE the BLUE" 、「いいよー!」って大声で叫べて良かったし

"stereofuture" 、幕張(THE NUDE)のオマージュでセンターステージへ6人が走り出してきた時最高だった

"ぴょ"から"DA DANCE!!"まで、6人がトロッコに乗ってたの最高に楽しかったしドームアーティストらしいなって思って感慨深くなったし

満を持しての約束の場所で "プロミスザスター"
そして何よりその後の"LETTERS"、最後の最後に遂にやってくれて涙が止まらなかった

"GiANT KiLLERS"  "MONSTERS"でセンターステージがブチ上がって、汗でグッチャグチャになりながら力を出し尽くして踊り狂ったし

"サラバかな"の「その手を離さないよう」
ドームに響き渡ったあの大合唱は今まで一度も聞いたことのない迫力と思いに溢れてて、心がもうブワっとして簡単な言葉では言い表せないほどの感動だった


                                                               
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



まだまだ言いたいことはたくさんあるのだけど、今でもあの時の感情をいくらでもペラペラ言えちゃってもうキリがないので先に進む(笑)


時間を気にしないように無理やりにでも目の前の景色に夢中になって全力で楽しんでいたが、
"ALL YOU NEED IS LOVE"が始まってしまうと、もう終わりの始まりというか、「ああ、終わりが近づいてしまう」って突き付けられた気がした。

5万人が肩を組んで歌っている。
今まで会ったことのない他人と、BiSHが好きという共通点だけで自然と肩を組み合い歌っている。

他のアーティストのライブに行ったらまたあるかもしれないけど、こういうのって人生でもそうあるものじゃないなあと思いながら歌っていた。
こんな世の中だからこそ、より一層この景色っていうのは本当に美しく尊い光景なんだろうな。




いよいよアンコールに差し掛かり、BiSHの6人は最後の衣装を身にまとってステージに立った。
その衣装は"BiSH"というグループ名の由来からは真逆とも言える、美しいドレスのような素敵な衣装で、卒業を迎えるために華々しくも儚い、まさに晴れ姿のようで6人とも本当に輝いていた。


"オーケストラ"

何回も聴いてきたオーケストラが、これが最後のオーケストラになるなんて実感が湧かないまま、最後のオーケストラが始まった。

腕を目一杯伸ばして、これ以上伸びないってくらい伸ばして、解散した後のこの先も"同じ空で繋がっていますように"と願いを込めて伸ばす。

やっぱりこの曲は特別だし、彼女たちがこれまでの数々の苦難をこの曲と共に乗り越えたからこそ、その思いの深さが東京ドームに染み込んだ。



そして6人の最後のMC。
(一部抜粋)

アユニ・D
「この8年間をおばあちゃんになってもたくさん思い出して、何一つこぼさないように生きていきます。出会ってくれて嬉しいです。ありがとうございました!」

リンリン
「私の人生にBiSHがあって良かった。今日でBiSHのリンリンとはお別れなので、最後にみんなで右手を挙げて握手をしましょう。ありがとう!お元気で!」

ハシヤスメ・アツコ
「BiSHは今までいろんな壁を壊してきて、今日はBiSH史上最大の夢であり、最大の壁を壊した伝説の日になったと思います。応援してくれてありがとうございました!」

モモコグミカンパニー
「BiSHに出会ったこと、やりきったことは私の生涯の誇りです。何もない私ですが、東京ドームにみんなで立てました。ありがとうございました!」

アイナ・ジ・エンド
「こんなに幸せな8年が送れるってBiSHになるまで思ってもいませんでした。誰がなんと言おうとBiSHは最高です!8年間、愛してくれてありがとう、清掃員さん」

セントチヒロ・チッチ
「私は未だに解散したくないなと思ってしまう自分と戦っています。だけど、6人で生き抜いてきた日々になにひとつ後悔はありません。一生懸命駆け抜けた青春は一生の宝です。BiSHを愛してくれて本当にありがとうございました。最高に幸せな8年でした!」


短い時間の中での6人の言葉だったが、ひとりひとりの思いがすごくよく詰まっていた。
(ステージ上では泣くことのなかったモモコが最後に涙を流したのにはビックリ)


しんみりとした空気が流れる中、
チッチが「今日は優勝しに来たんです!最高のトゲトゲを見せてもらえますか?」
と言い、東京ドームは再び大盛り上がり。

いつものようにチッチの力強くも暖かい言葉から始まる、"beautifulさ"

BiSHも清掃員も、みんながいい顔をしてる。
最高の笑顔をしながらトゲトゲを踊っている。

  どんなトゲトゲな日でも
  息してれば明日は来るんだし
  泣いた後に咲くその花は
  so beautiful beautifulさ

BiSH / beautifulさ


改めて、なんていい歌詞なんだ。
なんていい詞を書くんだリンリンは。

人生はこの繰り返しのようで、そんな繰り返しの日々の中で訪れた解散の日はあまりにbeautifulな光景だった。"beautifulさ"の会場の一体感を感じるたびに、生きてる実感を得るし、生きてて良かったって思える瞬間になる。だから自分はいつもここで泣いてしまう。この最後の日はステージを直視できないくらい今までになく泣いてしまった。




そして、いつもBiSHを支える"ファンタスティック奈央バンド"が今までのライブで出演してくれた人も参加する"オールスターズ"となって、最後の"BiSH -星が瞬く夜に-"が盛大な紙吹雪を飛ばして始まった。

この日のヘドバンは、すぐには終わらなかった。
隣同士で肩を組み、
5万人が思いっきりヘドバンをする。
チッチが
「まだまだ行くぞ!まだまだ終わらねえぞ!」
と、いつもの3倍以上、ヘドバンが続く。
自分はここが今までの人生で一番楽しかったと思えるくらい、最高の時間だった。終わってほしくなかった。

アウトロが流れ、6人がセンターステージから戻る時にリンリンがハシヤスメの手を取り、そしてハシヤスメがモモコの手を取り、と連なるように6人が手を取り合ってメインステージに戻っていく。
その後ろ姿が本当に素敵で尊くて、チッチは思わず泣いていて、これまで6人で走り続けてきた先にあった最後の花道だと思うと、なんて綺麗なゴールなんだろうって思った。




そんな中で最高の大円団を迎え、幕は閉じた。

が、

「いやいやいや、ちょっと待った
  まだ  "あの曲"をやってないじゃん」

と東京ドームにいる誰しもが思っただろう。


みんなで全力のアンコールを叫びながら
いよいよ本当の本当に最後の曲
" Bye-Bye Show " がスタート。

清掃員が事前に用意したピンクのサイリウムをラスサビ前に咲かせて、東京ドームが満開の桜で満たされた。アイナがツアー中にこの曲を東京ドームまで育てていきたいと言っていたように、まさに満開となって咲き誇った。


あまりにも美しいフィナーレだった。

そして6人はステージから下がっていく。
「ばいばい」という文字と共に。


もちろん悲しいし切なさはあるのだが、こんなにも美しい去り方を見させられると、晴れ晴れとした気持ちにもなったというか、BiSHが最後までBiSHらしく最高にかっこいい姿で完成を迎えたと思うと、やり切った気持ちになっただろうし、ひとつの物語として最高のハッピーエンドの瞬間を自分の目でしっかりと焼き付けることができたのは、とても幸せなことだったなと思う。



こうして、BiSHのいない世界になった。


改めて、BiSHというこの世界で唯一無二のグループは、8年間の中で、他の誰にも代わることのできない存在感と、感情に真っ直ぐ届く歌や踊りの表現、その正直な姿の力強さが何よりの魅力であり、そこが最高にかっこよかった。

そんな彼女たちを見ていて、感情をさらけ出しても、生きるのが下手でもいいから、人生を諦めないでいよう、お互いを生きがいにして、この愛を信じて前に進もうと思えた。本気で思えた。

ひとつの生きがいを追うことがなくなってしまったのは悲しいけど、BiSHと過ごした日々は最高の青春だったし、自分の中でも一生忘れることのない思い出になる確信があるから、この心の中に大事にしまって、生きていこうと思う。生きる。

メンバーそれぞれも新しい世界に羽ばたいて、それぞれの個性を存分に発揮しながら活躍しているので、今までと同じように応援し続けて、この世界を歩んでいこう。






長々と思いの丈を書き殴ってしまったが、これだけの時間が経ってようやく気持ちの整理がついて、自分の中のBiSHという存在は何だったのかを文字で残すことができて本当に良かった。


ありがとうございました。


過去のBiSHに関する記事はこちら↓

























この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?