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(book)子育ても仕事も両方やりたいわたしを許せた本

本を読み終わった後のわたしは声高らかに叫びたくなった。わたしだって子供も産んでも変わらず仕事を思いっきり続けたいって思っていいんだ!



30歳にもなると、結婚ラッシュは落ち着いてきて、ついにじわじわベビーラッシュが到来してきてきます。

わたしは、どれだけ時代が変わっても、自分に刷り込まれている固定観念が打ち破れず、「子育てのためにキャリアを犠牲にするのは、夫ではなく、どうせ私の方だ」と思い込んでいます。

夫がどれだけ言葉を尽くして、ずっと平等に働けるように頑張ると伝えてくれても、なんとなく素直に受け止めきれず、私の心の奥底には、「そうは言ってもね、女の果たさねばならぬ役割は人類が誕生してから変わらないのだよ」という考えが離れません。(夫よ、ごめん)


でも、わたしは仕事が好きなんです。仕事をしていないときっと落ち着かない性分なんです。


子どもは育ててみたい。でも、産んでもすぐに働きたくなるかもしれない。思う存分仕事ができなくて子どもを邪険に思ってしまうかもしれない。母親たるもの子どもに愛情を捧ぐのが仕事なのに(捨てられないわたしの中の固定観念)、早いうちから外に働きに出たくなるなら、それは自分にも子どもにも不幸だからやっぱり私が親になるのは無理なのかも。と、モヤモヤしながらいいロールモデルはいないものかとずっと探してました。


そんな時期に、ぷらぷら本屋を歩いていたらふと目に溜まった藤崎彩織さん=SEKAI NO OWRIのSaori さんの「ざくろちゃん、はじめまして」。彼女の妊娠から出産、子育てまでの過程を綴ったエッセイです。

Saoriさん、子ども産んだのか!とびっくりして、少し気になり購入しました。

SEKAI NO OWRIはわたしが学生の頃からずっと第一線で活躍していて、今でもヒット曲出し続けて、バリバリ活動しまくっているイメージ。

そんな活動しながらどうやって子育てしているんだ?と気になりつつ、Saoriさんですら、実は子育てのために仕事は少し諦めている部分もある、なんて書いてあったらどうしよう…と、なかなか読み出せませんでした。


でも、読み出したら全くそんな心配なかったです。色々悩みながらも、仕事が大好きで、出産直前まで仕事をして、産んだ後もすぐにライブしまくっているSaoriさん。

最高!!!


一方で、辛そうなシーンもたくさん書いてありました。

・つわりが酷い中どうにか海外でライブを行った後、男子チームが打ち上げに繰り出す中1人ホテルに居残り涙を流す
・体調が悪くても、甘えてると思われたくなくてギリギリまで言い出せない
・産んですぐにライブで母乳も短い期間しかあげられない葛藤
・自分が仕事復帰してから、家で子育てしている夫との喧嘩が止まらない


Saoriさんとは職業も繁忙度も全然違うけど、同じような道を辿りそう、やばいかも…。とも思いました。

でも、同じような経験をするかもと、自分ごととして想像できたできた妊娠・出産エッセイは初めてだったんです。

InstagramやTwitterには子どもの成長記録を丁寧に描かれている方はたくさんいます。どれも素敵で、読むのも大好きなんだけど、やっぱり母親ってこうあるべきなんだなぁと、正直気落ちする部分もありました。

産みたい・育てたいけど、働きたくて、手探りの中で格闘しながらどっちも諦めない母親である自分にフォーカスを当てた記録には、あまり出会わない気がします。


だからこそ、わたしはこの本と出会えてほんとうに嬉しかったんです。長い間勝手に、育てたいけど働きたいと思うのはワガママだと思い込んでいました。でも、仕事も思いっきりして子供も育ている姿を読むと、「Saoriさんも頑張ってるし、自分でも頑張れるかも!どっちもやりたいって思ってもいいんだ!」と、自分の気持ちを許せました。わたしの探していたロールモデルはSaoriさんだったみたい!


まだスタート地点にも立っていないけど、そこに足を向ける気持ちの整理ができた気がします。5年後のわたしがどういうふうに過ごしているかが少し楽しみです。


ちなみに、SEKAI NO OWARIの歌は2019年のロッキンで生で聞いたことがありますが、演出の迫力も圧倒的。あのステージに母親がたっていたなんて…。尊敬が止まりません。

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