見出し画像

妊娠総括とわが子から学んだこと

今週でいよいよ生産期に入った。いつ生まれてもおかしくない、っていうやつ。
母子手帳や週数管理アプリでは日記のようなものをかけるスペースがあるのだけど、私はほとんどそれを書いてこなかった。率直に、ツライと感じる期間が長かったし、まだお腹が大きくもなっていなくて自己主張もほぼしてこないわが子を「自分が子供を持つんだ」という実感を持って受け止めることができていなかったから、書く必要性を感じなかった。どっちかというと、制約とマイナートラブルだらけのこの生活をポジティブにとらえることができなかったのだ。

しかしここに来て、実際の入院準備を始めたり、お産の大変さをネットで観たり、何よりラスト1~2か月で急激に大きくなったお腹を見て「あぁ、ここまでよく頑張ったな自分。そして、最大の山場をもうすぐ迎えるんだな」と思ったとき、不安に過ごすよりも今までの自分を褒めてあげたいと思ったし、気持ちを書いて整理することでポジティブに出産に向かいたい、と思った。だからこの10か月を振り返って、noteに残しておくことにした。

妊娠初期

クリニックに通っていたので、妊娠はすぐに判明。エコーを見ながら「ここに赤ちゃんの栄養の袋がありますね」と言われ、本体はまだ小さすぎて見えず。栄養の袋をわが子だと認識できず、実感沸かず。。。
体調の変化はまだ無かったけど、小さな小さな命のためにケガをしたりコロナにかかったりしないように気を付けよう、とちょっと決心。

1か月過ぎたころから、何にも食べたくない、でも食べないと気持ち悪い、でも食べても気持ち悪い、しかもなんか微熱っぽい寒い、という状態が3か月くらい続いた。
想像してみてほしい。動けないほどではないけど、風邪のような微熱・倦怠感・気持ち悪さが3か月続く、と。あぁ思い出したくも無いツラさ・・・。

酸味のあるものが欲しくなるというのは本当で、茎わかめとカリカリ梅ばかり食べていた。エレビットは継続して飲んでいたので「まぁこれさえ飲んでおけば、ある程度栄養は摂れるだろ」と栄養バランスにはそんなに神経質にならずに済んだ。お風呂に入る、友達と散歩に行く以外はずっと気持ち悪くて、妊娠期間で一番ツライ時期だった。私は無職だったので、これで仕事に行ったり子育てしてる妊婦さんはホントにすごいな・・・と思った。冬だったのもあり、最低限の買い物と掃除以外はこたつで横になっていることが多かった。その最低限の買い物すら辛くて、食べたくもないものを買う気にならず、このころはほぼ料理ができなかった。旦那にも外で食べてもらうか、自分で買ってきてもらっていた。そんな私に文句ひとつ言わず、私が食べたいものがあると探して買ってきてくれたり、家事を率先してやってくれた旦那には感謝している。あと、一緒にゴロゴロしてくれた猫にも感謝。この子を見てると「まぁ、この子もこんなにゴロゴロしてるし」と、謎に罪悪感を打ち消してくれた。

妊娠中期

3月頃になると、つわりもだいぶ落ち着いてきた。
代わりに鼻水と咳が止まらなくなり、受診するも「コロナではないね」と対症療法的な薬をもらったけど、全然おさまらない。咳が止まらなくて眠れないこともあり、しんどかった。
もともとある猫のアレルギーが妊娠によって悪化したのかな?と思い、空気清浄機を導入。でもやっぱり収まらず、結局は気候が暖かくなるまでティッシュを抱える生活が続いた。この段階でも、お風呂と散歩は唯一鼻づまりが解消するときだったので、だいぶ救われた。夜の散歩に付き合ってくれる友達に感謝感謝。
微熱が引いたのでちょっとバイトでもするかと思って電車に乗ったところ、目的地に着く前に貧血になってしまい断念。結局一回も出勤できなかった。

食事はだいぶ普通に食べられるようになったけど、味覚がちょっとおかしい。これは今に至るまで続いているので、生まれたら戻ることを切に願っている。大好きだった白米が、あんまり食べたくないなんて・・・悲しい。
そして何故か大して好きでもなかったコーヒーが飲みたくなり、毎日カフェオレを飲むようになる。ダメと言われると飲みたくなる、というのは本当みたいだ。

お腹のふくらみはまだあまり目立たず動くことが苦ではないうちに、友達に会ったり、ディズニーランドに行ったりした。「来年はもう子供を連れてここに来ているのかもなぁ」と思うと、すごく不思議な気持ちになった。ドナルドのコスプレは赤ちゃんの特権だよなぁ、などと考えて楽しかった。

妊娠後期

妊娠して半年の時点でお腹が想像してたより出ていなくて「あら、まだそんなもんか」とよく言われたが、ラストスパートがすごかった…。9-10ヶ月目の追い上げが凄まじく、一週間に500グラムのペースで大きくなっていく…。風船のようにお腹がパツパツになっていき、階段を上がると膝が痛い…。同時に気候もじめじめと暑くなっていき、息苦しく、歩くのもひと苦労…。
生産期に入った最近は、寝るときの最適ポジションも上手く見つけることができず、夜中にたびたび起きてしまう。風呂に入るだけでゼーハー。出てきて体にクリームを塗るのでまたゼーハー。座って顔に化粧水を塗るだけでも疲れる始末…。何をしても疲れる。してなくても疲れる。どうすりゃええんや。もう早く出したい…というのが、今の気持ち。

わが子から教わったこと


私は幸い今まで大きい病気や怪我をしたことがなく、日常生活に困難を感じたことがほとんどなかった。夜眠れないことも無かったし、訳も無く気持ちが落ち込むこともほとんど無い。なんなら運動も大好きだし、7-8kmくらい余裕で歩いて移動していた。
そのため、こんなに日常生活を必死に生きているという感覚は人生初だった。
微熱と倦怠感のつわりの中買い物に行くこと。
ナマモノなど食べたいものを我慢すること。
夜中にたびたび起きてしまうこと。
ちょっと歩くだけで息切れしてしまうこと。

どれも大変だし、無いに越したことは無かったけど、私はこの経験をすることでこの先随分人に優しくできる気がしている。
今までも、困っている人と出逢ったら助けたいという気持ちはあったし、実際に手を貸したこともあるけど、目に見えにくい困難を抱える人に対しては「あ、何か手伝えそうだけど、おせっかいかな…」と躊躇してしまうことが結構あったので、これからはそこから一歩踏み込むことができそうな気がする。
私自身、妊娠してからちょっとした気遣いに救われたことがたくさんあったから。それを今度は違う人に渡していきたいなと思った。
それは、私にとっては妊娠しないとわからないことでもあったし、まだ産まれていないわが子から教えてもらったことだ。だから私は、この経験をして良かったと思っている。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?