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練り切りの新しい世界と可能性〜総括〜

淡路島で和菓子屋を営んでいます

去年から「練り切りの新しい世界と可能性」として色んな味わいの練り切りに挑戦してきました。同時に通販も始めました。一年やるぞ!と思ってハロウィンから始まり、ハロウィンで終わるつもりでしたが移転が間に入ってしまい予定してたお月見とハロウィンは見送ることになりました。

なので、ここで総括として反省など今後のことも書きたいと思います!

やってみてわかったこと

ハロウィンから始めたんですけど通販の準備が間に合わず店頭のみの販売にしました。

練り切りは基本白あんとつなぎのみなので、ほぼあんこなんですけど(中もあん)なんとなく自分の中で外の生地の味をもう少しどうにかできないかなと考えてて。

こしあんと合うんだけど(抹茶にも)こういう細工できるような、見た目をなんとでもできるお菓子なんだから味をもっと広げることができないかな?と思ってて…勝手に笑

他のお店でも中のあんを変えてるところはあるんですよ。中は問題ではなく、外がちょっと…って思っててつなぎは求肥か芋とかそういうの入れるから中だけ変えたとしても外の味が邪魔しそうだなと…すべてが合うわけでもないし。

ただ中変えましたーよりは中に合わせて外も変えたほうが味わいがしっくりくるのではないか思ったんですよ。

で、実際作ってみるとまあ大変!とにかく作りづらい…量産は出来なさそうな感じ…手間もかかるし、そりゃ誰もやらんわってなったけどとにかくやってみようと思い採算度外視で作りました。

まずあんこの塩梅がわからない…白あんだと水分飛ばしてちょっと固めに炊いてからつなぎ入れるっていう基本のやり方だと固すぎたり、柔らかすぎたりといつもの白あんだけの様子とは全く違うのでここが苦戦したかな。

あとは中のあんと食べると思ったより印象が変わるというか、どっちで主張するかハッキリ方向性決めとかないとどっちつかずな味わいになったりした。

可能性としてはかなり「あり」だと思ったし、面白いと思ったけど組み合わせも色々あるし…初めてだし参考になるものが全くないから自分で正解を見つけなきゃいけないし、まずは方向性決めてからやらないとなと思いました。

はっきり方向性を見出したのが唯一チョコレートだけでした。

これをもっともっと発展させて、どこにもない新しい和菓子にしたいなあ。

チョコは力入れたいし、色々わかったこともあってこれだけは残したい。3月も桜バージョンを桜チョコバージョンにしたい。2回くらいやりたいな。

期間限定で練り切りシリーズやってきましたが一旦終了することにしました。

店頭で変わり種練り切りをやろうと思ってて、あんまり練り切り自体売れるものではないけど、お客さんの反応見ながら組み合わせを色々考えてやろうかと。

セット販売はクリスマス、バレンタイン、ホワイトデー、ハロウィンは考え中です。

ネットでも単品を買えるようにしたいと思っています。

…の前に移転があるので落ち着いてからかな。

ハロウィン

かぼちゃあんの練り切りが毎回作りづらかった!かぼちゃの水分を飛ばすのに時間かかるし…すごいかぼちゃの味わいにしたけどやはりカボチャ自体の水分が残るのか柔らかめになるのは否めませんでした。かぼちゃ感を残そうとするとこうなってしまう…

カカオの方はパウダーを混ぜるだけなのでこういうのは問題ないけど。

クリスマス

クリスマスはいつも普通の上生菓子セットでしたがこれは全て練り切りで着色なしに挑戦したやつです。

ビーツが思ったより味が出てくるなと思って。練り込むと柔らかめになるし一応赤だけど…着色したら味の組み合わせだけの考えでいいのだけれど、その味からしか組み合わせできないから自由度が減るなと。

あとパンチ効いた味わいにしようと思ったらパンチ効きすぎたみたい!個性的な感じになってしまったのでできるだけ万人向けにしなきゃな…と反省した練り切り。

バレンタイン

チョコで練り切りが作れるか!?と思ってやってみたら意外にできたけど、ホワイトチョコだけは練り切りにできなかった…。

ルビーチョコは火を入れるとピンクにならないのでフルーツパウダーで色付けしたけどこのフルーツパウダーが糖分入ってるのでこれまた練り込むと柔らかくなってしまうという…結局時間経つとピンクではなくなってくるんですけど、これも着色なしでやりました。塩梅が難しい!

チョコはチョコ強すぎて中のあんが負けてしまった。もう少しチョコを控えめか、負けないくらいの強い素材を持ってこないとなーと。生地もやりすぎるとカチカチになり舌触りも悪くなるので信じられないくらい柔らかめであげてみた。これでうまくいったけど果たしてこれは練り切りなのか…!?

ホワイトチョコは来年練り切りにしてみせます!!なんとなく原因がわかってきたので再チャレンジだ!!これも油脂が多いからどうなることやら…。

さくら✖️さくら✖️さくら(ホワイトデー)

万人向け狙って作ったのでとくに個性的な味でもなく置きにいった感満載の練り切りになりました!

これは普通の練り切りに近い感じだったので作りやすかった。なんだかやっぱり練り切りって完成されてるんかな…と思わせるものになりました。

母の日

これも攻めてみたんですけど…ココナッツとかバラとか。

どうしても意匠のことがあるから、色から決めると味が決まってきたりするので、味と色を合わせるように自然としてたんですけどこれが結構身動きできないなと思わせた練り切りです。

ただ中のあんだけ変えて外は普通の練り切りだとこんなに悩まないんだけど、外もとなると味のバランスとか組み合わせとかあとは色とかも関わってくるので、外を変えない理由がわかったような気がしました。

まあ練り切りは魅せるお菓子でもあるので味は求めてないということかなあ…。

お月見

を考えて意匠も決めてたんですけど、移転の準備やらで余裕がなくなり断念しました。

お月見なので里芋で練り切りを作ろうと思ってました。あとは団子なので外郎を入れようかなとか考えてたんですけど…これは来年やろうかなあ。里芋の練り切り作ってみたいし。

まとめ

やってみたら思ったより難しかったし大変でした。3種類だからあんこを6種類考えないといけないし!どっちを外にするか、中にするか、組み合わせは?色は?味わいは?

そもそも練り切りは茶道やってる方くらいしか馴染みのないお菓子で、余程和菓子が好きか詳しくない限り練り切りってなに?っていう感じでした。

あんこのみで作るのでもう和菓子そのもの!と言えるお菓子なんですけど、見た目とか細工だけひとり歩きしてるような気もしますが、初めて食べた時なんて美味しいんだ!って思ったのが第一印象なんですよね、私の場合。

もちろんその時は和菓子に興味もないしそれがなんなのか全く知らなかったし、見た目もそんなに覚えてない笑

なんかよくわかんないけど美味しかったな…アレという記憶しかないです。

見た目も大事だけど記憶に残るのって美味しかった記憶とかだったり、そこからそういえばこう言う状況で食べたとか他のことも思い出したりする。

誰かの記憶に残るそんなお菓子を作れたらいいのになと思うけど、今のところなんか変なの食べさされたぞ?という記憶になったかもしれませんね…

ご購入いただきありがとうございました!!

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