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白小豆と手亡豆

和菓子屋で10年の修行を経てお店が6周年になりました

今年からずっと使ってた絹手亡豆から白小豆に変更したのですが、何でもいいやつ使えばいいってもんじゃないなというお話しです

白小豆です

白小豆とは

うちが使ってるのが北海道産のきたほたるという品種で去年に作付けをお願いして作ってもらったものです。

市場にはあまり出さないのか毎年作付けのために前年に予約しないといけません。

白小豆は普通の小豆の白バージョン。白と言ってもきなりな色合いです。

味は小豆よりも少し淡白かなというだけで小豆と同じです。

北海道の他にも岡山とかが有名です。備中白小豆という名前で最高級な感じ。

生産が難しいらしく、作ってるところが少ないし年々減ってきてるので、作付けをお願いしてるというわけです。

老舗とかこだわりの和菓子屋さんでは白小豆を使用してますね。

真ん中が手亡豆です

手亡豆(てぼうまめ)とは

手亡豆はインゲン豆の一種で独特な味わいと甘味があります。

白あん嫌いな方はこのインゲンの独特な甘さと味わいが苦手という方が多いです。

白小豆よりも白く上がります。

私は手亡豆の中でもさらにいい絹手亡豆を使用してました。

これはまだ上品な味わいな方です。値段も白小豆とちょっとしか変わらないし…

この独特な味わいと甘味は他の素材との組み合わせで生きてくることがあるんです。

白小豆使う店

白小豆、手亡豆共に主に白あんに使います。

白小豆は小豆なのでつぶあんにしたりぜんざいに使ったりしてるところもあります。

白あんにすると味わいが淡白で上品なお菓子に仕上がりますし、余計な味がしないので他の素材との組み合わせ次第では邪魔をせずにいい仕事してくれます。

手亡豆はあんまりつぶあんにはしたことないです。大体こしあんに使います。

お店するときに白小豆使ってみたいなと思って頼んだら「うちは取り扱ってません」って断られて…んなわけない!黒豆も小豆も手亡豆も同じとこで頼んでるのにー!と思いつつ…

ないもんはないから仕方ないかーって5年目に白小豆とかもありますよみたいな話しされて…あるやん!!

すぐお願いしました。で、今年やっと使えてるわけです。

やっとうちも白小豆使っていい店として認めてもらえたのかな?と勝手に喜んでました。

前年に作付けお願いするから多分断られたんでしょうけど。ちょこちょこ聞いてたのにな。

絹手亡豆よりはお高めだけど、やはり余計な味わいがしなくて上品になったなーと思うのですが…

使ってみてわかった使い分けたほうがいいかも!

こんな高級な小豆使ってんだから何でも美味しくなるはず!!と思ってたし、美味しいんですけど、今手亡豆を持ってないので全部白小豆なんですよ。

手亡豆の時と同じ感じで作るとなんか素材との組み合わせで物足りなさを感じることがあって…

なんでだろ?と思うとそういうのはきっとインゲン豆との相性がすごい良かったし、なんならあの甘味が助けてくれてることに気づいて…

使い分けしたい!と思ってるけど…

これは白小豆の方がいい、これは手亡豆の方がいいっていうのが出てきた!!

どっちにもいいところがある

大福でいうとほうじ茶あんは白小豆、きなこあんは手亡豆にしたいくらい。

今の白小豆のきなこもいいけどちょっとクセある方が合うかなあと思って。

ほうじ茶は前から白小豆にしたかった。手亡豆の甘みが邪魔だったので。

豆類系はもしかしたら手亡豆の方が合うのかも?

砂糖も割と白小豆の方を手亡豆よりも多めにしてあります。

普通の小豆で作るこしあんとはまた違うんですよね…味わいが。

練り切りなんかにする時は白小豆の方がいいんですけど。後味が全然変わってくるし。

でもきなこのような濃い味わいを足すと淡白にさせすぎるところがありますね。

ここはパンチ出したい!というときは手亡豆の方が出させてくれるかもです。

白小豆→なんでも淡白にさせる

手亡豆→パンチ出したい時に助けてくれる

今の所こんな感じの感想です。使うまでは全部白小豆にしたら全部レベル上がるかと思ってた…

贅沢な悩み

白小豆にしたらみなさん手亡には戻れないとおっしゃいます…と業者の方は申しておりましたが、色んな種類や変わった味わいを出してるうちの店だとなんでも白小豆だと自分の出したい味わいが出ないかも?と思ってます。

砂糖の甘みより豆自体の甘みが助けになるなんて…またひとつ発見があったけども…

手亡豆買うかどうか迷ってます…そんな贅沢できる店ではないのに!笑

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