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銭湯に浸かって色んな裸を見て、戦闘態勢を解く

 家の近くにサウナ付きの銭湯がある。
 いろんな一物を眺めつつリラックスできる貴重な場所だ。
 裸にもいろんな裸がある。
 入れ墨の入った裸。
 ビール腹で恵比寿様のような裸。
 生まれたてツルツルの裸。
 筋骨隆々で海焼けした裸。
 色んな裸にはその人の過ごし方や生き様が伺える。
 しかし裸になった状態ではその人はその人自身であり、肩書や職種など色々なものは衣服とともに解かれる。
 そんな裸の空間で戦闘態勢を解き心からリラックスできる。
 銭湯という雑多なローカルな空間では様々な話が飛び交う。
 若者は自分の女遍歴を語り。職場の先輩後輩は現在から過去にかけての仕事の話や同僚の話を語る。
 色々な話が耳に入ってくるものの、私はただ自分の一物を眺めつつ火照った体を次にどこで冷やそうかとばかり考える。
 水風呂でガッツリ冷やして、ヒートショックプロテインを出してもいい。
 休憩椅子でゆったり冷やすのも良い。
 半身浴で温まりつつ、湯船から各所を出して冷やしてもいい。
 色んな冷まし方がある。
 風呂は最高だ。ゆったり浸かったあとは、体の中の鉛も溶けていく。
 もし。不眠や自律神経に異常を持つ状態ならば。
 ぜひ。銭湯に。色んな情報が飛び交って頭が疲れるならサウナで静寂を楽しむのも良い。銭湯には色んな楽しみ方がある。
 早々に出てテレビを見ても良いし。
 風呂から出てビールを楽しむのも良い。
 露天風呂でただただボーっとするのも最高だ。
 日本が産んだこの文化は。
 生真面目な日本人を長寿に足らしめる源泉ではないだろうかと。
 日本人として生まれ、銭湯が続く街に住める喜びを。
 噛みしめる。
 戦闘態勢を解くのは大変だ。そのくらい色んな刺激に囲まれている。
 デジタルデトックス。
 スマホから離れる時間がスマホの有り難さをより一層伝えてくれる。
 そもそも。
 銭湯に入っている間に。スマホがどうなっているかなんて考えない。
 鳴り止まないスマホをもし持つなら。
 銭湯に駆け込んで100円ロッカーにその呪いの箱をしばし封印したらいい。
 世界は。スマホじゃ変わらない。その通知一つ逃して。変わる世界なら。
 多分すでに手遅れなほどにその侵攻は迫っていて。
 通知は単なる最後通告。
 冬は寒い方がいい。銭湯が楽しみになるから。
 地球温暖化も来るとこまで来てるなと思う。
 そんな冬の日。冬は寒くあって欲しい。
 アウターだっていじけてしまうよ。
 ホームレス体験をしたときのおじさんは元気だろうか。
 寒くなるとホームレスにはきついだろう。。。
 「冬は人がよく死ぬ」
 新宿であったおじさんは言ってたな。
 ヨルシカの「春泥棒」を英訳したのは俺なんだぜ。
 言ってたな。真実だと思うオーラがあったな。
 嘘でもいい。私にとってはそれが真実だから。
 見たいものを見て、信じたいことを信じる。
 裏切られるたびに。それでも信じたときのほうが気持ちいい気分だったと。
 嘘をつかない。なんてことはない。
 温暖な時期が続く最近はまさに「冬泥棒」だ。
 みんなの嘘が地球から冬を奪ってしまったかもしれない。
 どんな嘘なんだろうね。エアコンなのか車なのか。
 

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