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シンガポールのローカルお菓子「ボーボーチャーチャー」ってなんだ?

こんにちは。シンガポールのわん吉です。

先日、初めて聞いた「ボーボーチャーチャー」という言葉。不思議な響きに、思わず二度聞きしてしまいました。

「えっ?ボーボーチャーチャー?」

わん吉の頭の中では、寝起きでボサボサ頭の誰かが、ズズっとお茶をすすっている、そんなイメージが渦巻いていました。


ボーボーチャーチャーはなんだ?

じつは冒頭のボーボーチャーチャーとの出会いは、とあるお菓子のポップアップショップでした。

中に入っているクッキーがパステルピンクで「かわいい色だなぁ」と見ていたところ、店員さんが「ボーボーチャーチャー味ですよ」と教えてくれました。

「えっ!?ボーボーチャーチャー?」

「そう、ボーボーチャーチャーですよ」

ボーボーチャーチャーって…とわん吉がボサボサ頭をイメージしたのは先ほどお伝えしたとおり。しかしボーボーチャーチャー味と言うのですから、そんなわけあるまい。

クッキーのサンプルを食べてみると、サクサクショートブレッドの食感とほんのりココナツのやさしい味。「うむ、おいしい! なかなかやるなぁ」。

すると店員さんが「ボーボーチャーチャーはシンガポールのお菓子なんですよ」と教えてくれました。

ボーボーチャーチャーは昔から愛されてきたスイーツ

ボーボーチャーチャーは、シンガポールスイーツの中でも昔からあるマレー系のお菓子。

マレー語で「おかゆ」を意味する「ブブール(Bubur)」と、「いろんなもの」を意味する「チャーチャー(chacha)」が合わさって生まれた名前です。
いろんなものが入ったおかゆみたいな汁状のもの、ということなんですね。


シンガポールの人気スイーツ屋台「一一五糖水」へ

ボーボーチャーチャーの正体を探りに向かったのは、人気のレトロスイーツ屋台「一一五糖水(115 Tang Sui)」。

チャイナタウンのホーカーセンター「チャイナ・コンプレックス」2階の#206ブースにある、赤い看板が目印のお店です。

創業1966年の老舗屋台は穏やかそうなご夫婦が切り盛りしていました。次々とお客さんが訪れ、人気ぶりがうかがえます。

店先には懐かしい感じのスイーツメニューが並んでいます。右上の「摩莫喳喳 BOBO CHACHA」を注文!

そしてとうとう、ボーボーチャーチャーとご対面!
その姿は、レトロ感のある白いお汁粉風でした。

かぼちゃやヤム芋、サゴ(サゴ椰子から取れるデンプンで、ぷにゅぷにゅした食感)が入ったココナツミルクの温かい汁。お芋やかぼちゃから出る自然の甘みがやさしいです。

東南アジアのお芋やかぼちゃは、日本のものより水気があり軽いので、スルスルとお腹に収まります。ほっこりと優しい食後感で、大満足。


あちこちのフードコートにもあるローカルデザート

ボーボーチャーチャーは昔ながらのローカルデザート。別のフードコートにもありました。

やはりココナツミルクの温かいお汁。中の具はヤム芋やカボチャのほか、赤や緑など色とりどりのサゴが入って盛りだくさん。まさに「チャーチャー」な感じでした。

ちなみにボーボーチャーチャーは冷たいバージョンもあるとのこと。これからシンガポールもさらに暑い時期を迎えるので、ぜひ食べてみたいと思います。


進化版ボーボーチャーチャーも楽しい

わん吉が初めてボーボーチャーチャーを知るきっかけになったクッキーは、アーティザンベーカリー「La Levain(ラ・レヴァン)」の商品でした。

おしゃれベーカリーと昔ながらのローカルスイーツとのマッチング。ユニークな発想が魅力だなと思い、実店舗に行ってみました。


おしゃれベーカリーのボーボーチャーチャー・クロワッサン

パン工房もカフェも併設された明るいおしゃれなベーカリーです。

入口のショーケースには色とりどりの職人パンが並んでいます。ペストリー系がおいしそう。

その中にボーボーチャーチャー・クロワッサンを発見!
さっそく注文してみました。

クロワッサンのトッピングは、ヤム芋の紫とかぼちゃの黄色の2色ペースト。かわいいなぁと眺めながら、いざ実食!

ほんのり甘いお芋の風味と、ココナツ風味の軽いおもち状のものが、意外にもクロワッサンとマッチしていました。

おそらくもともとのクロワッサンがおいしいんですね。サクサクでほどよくバターが練り込まれたクロワッサンと、お芋ペーストとお餅とココナツのハーモニー。
甘すぎず脂すぎず、パクリと食べてしまいました。


さて、不思議な響きの「ボーボーチャーチャー」を巡るひととき、お楽しみいただけましたか。最後までお読みいただいてありがとうございました。



このような感じのアジアの食べ物系記事を、おいしいベトナム料理屋さん「ピーフォー」さんのサイトに連載しています。よかったらぜひぜひご覧ください。

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