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桜吹雪 1

 定期的に逃げたくなる時がある。


日常の仕事のタスクや責任、プライベートの予定や雑事から。
全てから逃避して、ぱっと電車に乗って知らない場所に旅したいなぁ、なんて衝動に駆られるのはきっと私だけじゃないはず。

体も心も限界値を超え始めるとそうなってしまう。結局は逃避できずに向き合って、もう無理って限界に達すると仕事を休むのだけれど。



 人より精神的に疲れやすいと気付いたのは社会人になってから。
新人の頃は神経を擦り減らして帰っては、机に突っ伏して寝てしまう日もあった。


平均して年に4日は体調不良で休む自分は、周りと比べるとよく休む方で、
「大丈夫?体、弱いんだね。無理しないでね」と心配して声を掛けられる度に罪悪感と申し訳なさでいっぱいになる。
罪悪感があるのは、どうしても仕事に行けない程の体調不良と言うより、行けなくはないけど精神的に疲れて行けないから。

振り返ってみたら、学生の頃から年に何度も休んでいたし、学校から帰ると暗い部屋で1時間程ぼーっとする時間が必要だった。

どうして自分はこんなに休まないといけないのか調べていたら、当時HSPという言葉がちょうど流行り始める頃で、自分はがっつり当てはまっていた。

その後、HSPについての本や記事はどんどん出回り、お陰で特徴や捉え方、対応方法を知ることができた。

 HSPだとわかってからは、よく自己分析をするようになった。
自分は何が好きで嫌いか。
何が得意で苦手か。
興味を惹かれることや落ち着くことは何か。
どういう時にストレスを感じやすいか。
そして、これからどんな働き方をしたいのか。


自己分析することで、以前より自分について理解できるようになったし、だんだんと楽に生きられるようになってきた。

例えば、一日のどこかで一人の時間が必要なことや、
落ち着くなぁ、と感じるカフェは先に会計を済ませてほとんど店員さんがテーブルに来ないタイプの店だってこと。
睡眠時間は8時間が丁度いいことや、限界に近づくとスマホが手放せなくなるからぼーっとする時間を増やすといいこと。

自分と向き合う時間の大切さを日々感じる。


 働き方に関しては、理想の形を描いても現実化できない段階にいる。
休みたい時に休める、古い価値観や常識に縛られない働き方をしたい自分にはフリーランスが合っていると思うが、今の仕事を辞めることがなかなか出来ないでいる。

一歩を踏み出したいのに、その一歩を踏み出すのが難しい。


私が赤ちゃんの時に、ハイハイの最初の一歩がなかなか出せずに体を前後に揺らしていた時間が長かったと母から聞いたことがある。
自分の根本の性格が出ていると納得するエピソードだと最近よく思う。

でも、ハイハイの一歩は間違いなく出せたのだから、大人になっても最初の一歩は出せるはず。

どうせなら、えいやっ!と大きく一歩を踏み出したい。

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