見出し画像

棚貸し本屋の店番日記 #6 一箱古本市のこと

ビールが呑める大人の図書館。

夢オチの可能性を残しつつ、数年後の実現を目指しながら、西日暮里でシェア型書店の棚をお借りしています。

先日、お誘いがありまして、埼玉県の熊谷市にある太原堂さんの「一箱本の市」にお邪魔してきました。

初めて参加した一箱古本市。フリーマーケット形式でお店を出し、訪れたお客さんと交流しながら販売するイベントです。

会場となった太原堂、元毛糸屋さんの建物を利用した、これまた棚貸しの本屋さん。本や雑貨、古道具の販売と、レンタルスペースの運営をされています。
今回は2周年記念イベントということで、お店の入口では淹れたてコーヒーの販売、レンタルスペースでは古本市と読書会が開かれました。

出店は全部で8組。
ちょっと急な階段の先にある、昭和レトロな洋間と居心地の良い和室。それぞれに分かれ、店主たちの趣味嗜好に溢れた本が並びます。

艶っぽい本も並べました

12時のオープンに合わせ、ちらほらお客さんがいらっしゃいます。知り合いの方半分、地元の方半分といったところでしょうか。
熊谷と言えば暑さで有名。この日は曇り空でしたが、湿度がありなかなか汗ばみます。6月でこれだと、梅雨明けにはどれ程暑くなるのでしょう。お客さんも下で買ったアイスコーヒーを飲みつつ、冷風機の前で涼んでから廻られます。

気になっていた『三酒三様』を購入

お客さんとの距離感について言うと、シェア型書店よりもより親密に感じました。
これは出店者の皆さんが醸し出す和やかな空気に加え、友達の家にお邪魔したような、お店の寛いだ雰囲気も大きいと思います。
なぜなら和室の方は靴を脱いで、畳に座って本を選ぶスタイル。本を愛する売り手と買い手が膝を突き合わせるのですから、そりゃ本談義に花が咲くってもんです。差し向かいで座る呑み助の前に、冷えた中瓶とコップを置くのと一緒ですね。

そんな素敵なイベントは18時に終了し、その後は同じ場所で読書会が開かれました。こちらも盛況だったそうです。

ちなみに私の売上を時給に換算すると、埼玉県の最低賃金をちょいと下回るくらい。利益としては売れた以上に買った本が多く、差引きとんとんといったところ。
人件費を見たら当然赤字ですが、休日にたっぷり遊んでプラマイゼロなら、上等の部類です。

実はこのあたりが悩みどころでして、ビールが呑める大人の図書館は、果たしてどれ位の利益を目指すのか、自分の中でなかなか固まりません。
飯が食えるほどか、それともおつまみくらいか。おつまみにしたって、お刺身の盛合せとテトラパックの乾きものでは大分違います。
ここが見えてくると、具体性のある動きにつながる気がするのです。利益目標、すっかりサラリーマンの思考ですね。

新たに迎えた本たち

それにしても初参加の古本市で、たくさんの気付き、出会いがありました。これも西日暮里で棚主を始めたことで繋がったご縁です。
3年目に突入された太原堂さん、企画頂いたマイペース書店さんと電燈さん、出店&来店された皆さまに、この場を借りてお礼を申し上げます。

■□■ 店番のお知らせ ■□■

と言う訳で、西日暮里BOOK APARTMENTさんの棚をお借りして、酒と料理の読みものを中心に、集めた本を販売しています。

次回は7月8日(土)12〜16時。きっとまだ梅雨は明けていないでしょう。
雨の日はどこにも出掛けず、本を読んで過ごすのが似合います。素敵な本を探しに西日暮里、いかがでしょうか?

最新情報はtwitterにて。


この記事が参加している募集

イベントレポ

わたしの本棚

頂いたサポートで酒を呑み、それを新たな記事にすることで「循環型の社会」を実現します。 そんなほろ酔いで優しい世界、好事家の篤志をお待ちしています。