「ガールズモード」は壮大な自分探しの旅の羅針盤だった

ここ数年、「Nitendo direct」が発表されるたび、今度こそ発売日が発表されるのではないかと固唾を飲んで見守り続けているゲームがあります。

シリーズ最新作が発売されてもう3年近く経つものの、そろそろ何らかのアナウンスがあってもいい頃なのにいまだ何の音沙汰もないこの現状に、何度私は肩を落としてきたことか。

そう、私は、「わがままファッションガールズモード」の新作を(おそらくこのゲームの対象年齢からはとっくに外れている)大人であるにもかかわらず、かなり真剣に待ち望み続けて、今に至るのです。

人間、一生の間に着られる服には限りがあるもの。好みや体形、経済的な理由もそうだし、年齢制限の存在する服だってあります。その中でその時々の自分にとって如何にベストな最適解であるかを見出すのがリアルを生きる私たちにとっての「オシャレの楽しみ方」なのですが、このゲームではありとあらゆる「制限」をすべて取っ払い、ゲームの中の「自分自身」は「セレクトショップの店長」というゲーム内の設定においてB系からコンサバ、ガーリーからエスニック、ゴスロリにブリティッシュプレッピーとどんな服でも片っ端から着まくっては髪型もメイクも変幻自在に変えられるのです!

とはいえ現実世界でのファッションの流行は恐ろしく速いうえに予測がつかないので、開発段階では流行っているアイテムであっても、ゲームが発売されるころには流行から微妙にずれている…なんてこともありますがそれは十分許容範囲…ですね、自分の考えですが…。

おそらくこのゲームは「もとからオシャレが好き」という人に向けて作られてもいる一方で、本当のターゲットは「オシャレなんてしても無理」とか「どうすればいいのかわからない」と、あまりにも速いスパンで流れる流行の勢いに押されて何が似合うか以前に何か好きなのかも見失いかけている女の子、または女性なのではないかと、私は考えます。

このゲームには、とにかく夥しいほどの服が登場するため1年を通して品ぞろえも変わってくるから本気で楽しもうと思ったら1年近くの時間を要しますし、アイテム数も最新作に至っては1万に手が届くほどの量。

これほどの選択肢を、ゲームの中では選び放題なのです。

「これを着たら変に思われないかな」とか「こんなの似合うのかな」などという不安や気兼ねは一切必要ありません。ただ無心に、自分の中にある「これが好き」という気持ちに正直に、ピンときた服やアイテムに手を伸ばせる。

でもそれはゲームの中だからできる話であって、リアルではそうもいかないのでしょうか?いいえ、違います。

「何が好き」「何がしたい」かは本来誰しも、自分の中で密やかに、しかし確実に育っているもの。それをいつのまにか「他者からの視線」が優位に立つようになり、「周りから浮かない」「流行りに乗り遅れてない」といった条件ばかりを自らの選択肢に押し付けるようになってしまう。

当然、それらの配慮が必要なシーンもありますが、本来のおしゃれは「自由」で「楽しい」もののはず。自分の中にある「好き」を大切にすることから、ファッションの醍醐味は出発します。

最近、アプリゲームで進化系とも呼べるべきゲームがリリースされたので、もしかしたらこの「ガールズモードシリーズ」はその役目を終えたのかもしれません。しかし、私は女性たちが「自分らしくオシャレをしたい」と願う以上、「ガールズモード」はひっそりと、しかし確実に道筋を作り続けていく気がしてならないのです。

 









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