目に見えていることに隠れてしまわないように

甑島は列島です。


義母は上甑島で生まれ育ちました。
診療所は下甑島にあり、この診療所が
『Dr.コトー』のモデルです。

上甑島と中甑島が橋で繋がったのは
確か平成5年頃だったと思います。
娘が生まれた翌年に橋を見ました。


そして、【甑を一つ】にの長年の悲願であった下甑島と中甑島を結ぶ大橋の開通は、今年の8月29日。
1週間前です。

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診療所、自衛隊が待機するのは下甑島。


「海が荒れたら命を諦めなくちゃならないこともある」と義母から聴いたこともありました。


上甑島では、台風に備えて、避難所に住民が集められることになったようです。
海、空が絶望的な状況で、この甑大橋が頑張れるのか。祈るしかありません。


現在、厚生労働省の人生会議啓発の委員をしています。

たぶん、私が、昨年末、人生会議啓発のポスターに意見を出したこともあり

委員に拝命されたのだと思っています。

私は、ポスターを撤回してほしいといったのではなく

この表現では、ACPの本当に大切なことが理解されないのではないかと

伝えたかったのです。

現在の委員会では、人生会議についてのそもそもへの意見が、

活発に話し合われていると感じています。


その中で、『人生会議をトリアージにしてはいけない』ということも話し合われています。

特に、コロナ禍、そのような空気に繋がることは、避けなくてはなりません。

人は、自分の想いだけではなく、周りの負担になりたくないということも考える。

過度な医療とはなんなのか。

生きたい、生きていてほしいという心からの想いを

『こうするのが良い』というモデルケースを作ってしまうことで

蓋をせざるをえなかったり、

声にする人が無理解だというような風潮は避けたいと思っています。


人生会議は決定することではなく、医療、行政も共に、『生きる』を考える。

現に、離島に住む人たちだけで話し合っても、

海が荒れたら…ということになってしまいかねないと感じています。

『話し合っていればよい看取り』と一括りにしてしまうことへの危惧を感じるのは、私にこういう背景があり、親を火事で亡くし、夫との日々という稀な経験から。マイノリティなんだと思います。

大きな声に想いがかき消されないように。

私にできることは発信。

過敏だとか、水を差すと言われても。

その声を届けたい。

日本に甑島という列島があることを
発信で知ってくれた人もいるかもしれない。

死角に入らないように。

台風10号の進路に入る全ての地域で
被害が食い止められることを祈ります。

全国胃がんキャラバン、多くの人にがん情報を届けるグリーンルーペアクションに挑戦しています。藁をもすがるからこそ、根拠のある情報が必要なのだと思い、頑張っています。