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一度死んだから言えること!

◎初めての救急車ドライブ

検査室にまで響くほどのサイレンを鳴らしながら、"私が乗る救急車"が近づいてくるのが分かりました。いわゆるお迎えですね(笑)。いまだからこそ笑えるのですが、その時は人生が急転直下で変わろうとしている現状に、怖くて怯えていました。

そしてストレッチャーに乗せられて後部ドアの開いた救急車へ、いよいよ乗せられ搬送される瞬間に私はこう叫んだそうです。

私「俺のスマホはどこ?」
妻「ここにあるよ!私が持っているからね」

この時の事は、「もしあのままお父さん死んでいたら、あれが遺言はになっていたね」と今でも家族で笑い話になっています。

そうこうするうちに私を乗せた救急車は、そこから20分くらい先にある某特化型病院へ走り出したのです。私は痛くも苦しくもないので、不安がるより初めての体験を楽しもうとしました。車内の様々な装置を見渡しながら好奇心を満足させ、実は湧き上がる恐れをごまかしていたのです。

ちなみに乗り心地は・・・良くはありませんでした(笑)搬送してくれてる救急隊員の方には申し訳ありませんが、なんせストレッチャーに乗っているままなのと、ノリ心地より医療機械重点の車では、上下の振動がダイレクトに響き、それに揺れによるストレッチャーのガチャガチャという音が意外と響くのです。何事もドラマと現実は違うのだなと思っていると搬送先へ到着したのです。

そうするうちに現地に着き救急車から降りる瞬間、私は得体のしれない映画的な世界へ踏み込もうとしているのだと実感しました。なぜなら6人のバイオハザード仕様(全身白づくめ)の人たちが、バタバタと出てきて私を取り囲んだからです。

「まるで映画みたいやん!」

この病院が私の命を救う場所かもしれないという期待と同時に、訳の分からない不安と面白さが同居したまま、私は処置室へと運ばれて行ったのです。すべてが未知のまま、私は治療を受け入れる覚悟を決めたのです。

"そして処置室へ"に続きます




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