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8月25日 夏の日々。村上春樹や北欧ミステリーのことなども考えながら。

久し振りに日記を書く。投稿は続けているものの、少し在庫を持っての運用なのだ(笑)。

今朝の体重は65キロ、体脂肪は10.1%であった。これを書いているのは8月17日(木)である。昨日まで夏休みであった。つまりは夏休み中は日記を書けていない。

11日から16日まで、6日間東京でグダグダしていた。予定では名古屋に戻るはずであったが、家族がコロナ罹患、台風で新幹線動くか問題で、結局こちらのアパートにいた。

どこかにわざわざ出かける気も起きず(熱中症になったので、昼間であるくのがちょっと心配になった、というのもあり)、結局自転車で日比谷公園に行って図書館に行って本などを読んで、途中の皇居あたりのベンチでぐったり、という日々であった。

最近は実は読書量が減っていた。というか、ノンフィクションであればどんどん読み進めることになるが、プラトンや井筒俊彦あたりのなると、一日に読んで消化できる量が限定されるのだ。

別に読破するのが目標ではないわけである。どちらかというと「味読」、ぽつりぽつりと読み進める、という読書が、考えてみると最近は多かった。

例外は村上春樹作品だろうか。ノルウェイの森ブームから、デビュー作に戻り読んできた口だが、最近の作品は図書館で借りることが多かった。だいたい最新作は、予約数が膨大で、数か月待ちとなるため予約するのも面倒、予約数が減ったころ(発行から数年後)の忘れられたころに読む、という感じであった。

だが、読み始めると、止まらない。当然皆さん好き嫌いはあるだろうが、私は好きなほうだ。一つの要因としては、村上さんが私と同じ阪神圏のご出身である、というのもある。

まあ、それほど近いわけではない、が、兵庫県で育ったという点だけは似ている。夙川や芦屋あたりの住人であったのが村上さんだが、私はもう少し下町の須磨垂水寄りではあるが。

だが、三宮や六甲あたりが青春の場所であった、という点は、勝手に共通項であると思っているのだ。


この休みでは、ここでもなんどか書いているが、北欧ミステリーブームの火付け役とされる「ミレニアム」シリーズを2から6まで読んだ。1は映画を先に見たのと、貸出中で借りれなかったので2から読んでいった。5編各2冊なので計10冊を読んだことになるだろうか。

一番初めはハリウッド版リメイクをアマプラで見たので、ミカエルはダニエル・クレイグの顔しか浮かばない。そしてそのイメージは007と連なってしまう。
まあ、これはこれで面白いのだが。

ハリウッド版は、1のあと4を別キャストでたしか作っている。これはアマプラではただでは見られなかったので、見ていない(基本ただしhか見ないし見れない)。

そして作者は3を準備したあと、1の刊行を見ることなく50歳で亡くなった。ジャーナリストで、身内に危害が及ぶことを危ぶんでか、正式な結婚をしていなかったパートナーと、作者の父親、弟の間で著作権の争いがあったという。何しろ現在はシリーズ合計で1億冊を全世界で販売しているという。仮に一冊で100円の印税が得られるとして(北欧の仕組みがわからないのであくまで適当)、100億円の金額である。これではもめたとしても仕方がないのかもしれない。

まあ、ブームがあってから20年後にこうして読んでいるわけだ。作者の父と弟との依頼で出版社経由続編の依頼を受けて作られた4作目以降は、作者のパートナーの知らないところで進んだ話であったという。まあ、一気に読んでいったのと、翻訳者は同じなので、語り口は基本共通なので、あまり粗探しをすることなく、ストーリーの流れを楽しめたように思う。

現在は作者の父と弟は、続編を引きうけた作家と出版社とは違う出版社と新たに契約したとのことである。また新たな書き手を得て、物語は続いていくのであろうか。天才的なハッカー、という主人公サランデルのキャラが確立しており、6巻まででほぼその生い立ちからの伏線は回収完了している、という感触があるので、丁度いいタイミングなのかもしれない。

また、国民的大ヒット作の続編を書く、ということは途轍もないプレッシャーであろう。同じ作者であれば見過ごされるような点が、鵜の目鷹の目であらさがしされるのだ。

そういう意味では描き継いだ作家は個人的には全く素晴らしいと思われる。3巻までで回収されなかった点の回収も、苦労したと思うのだが個人的には1点を除き及第点だと思う。

まあ、本作を創作ではなく、創作された登場人物が、創作された空間を自由に動き回っている、とみなせばすべてがうまく回収されてしまうのこそ不自然なのかもしれない。

ただ一つ未回収、と思った設定は、6巻でミカエルのジャーナリスト学校同級生でミレニアムの編集長であるエリカが、離婚調停中である、という記述である。

ここのところは非常に重要な設定で、上流階級出身のエリカは、夫の芸術家の承認の上で20年来ミカエルと秘めた恋人関係にある、という設定なのだ。

秘めた、といったが、夫公認である、という点が微妙であり、それが上手くいっていたのにいまさらなぜ離婚調停中であるということになるのか。

これはこれで大きな伏線であるはずだが、とりあえず引き継いだ作家はこの点については特に語ることなく筆を置いたようである。

この点はさらに引き継ぐ作家がいた場合、たぶん回収すべき伏線となるだろう。面倒と思えば「よりが戻った」ということで済まされるのかもしれないが。。。

(北欧社会、というのは全く縁がありませんので、それだけでも読み甲斐がありますね)



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