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大澤真美基金始めました〜「共有地」をつくる〜

2022年10月1日、オレンジ色に輝く三日月を、稲村ガ崎温泉から見つめながら、「大澤真美基金」を立ち上げることを決めました。自分のお金の一部を「共有地」にしてみよう、そんな実験です。

「私有地」ばかりだと人が交わる余地が減る

私は、神奈川県の葉山町という御用邸のある街に住んでいるが、その葉山1950年代の写真を見ると驚く。道端で将棋をしている人がいたり、物売りの人が歩いていたり。通りで人が交わっている。葉山は山と海に囲まれた場所にあり、湧き水も豊かだし、そこここに井戸の跡がある。きっと、井戸の数だけ、井戸端会議があったろうが、今はその風景はない。

道端や井戸端など、"誰のものでもないから、みんなのものである"「共有地」が減り、「私有地」ばかりになると、人が交わる余地が減る。(「共有地」については、平川克美さんの"共有地をつくる わたしの「実践私有批判」"が面白い。)

精神科医森川すいめいさんの"その島のひとたちは、ひとの話をきかない――精神科医、「自殺希少地域」を行く"という本があるが、「自殺希少地域」には挨拶程度のゆるやかな人のつながりがある。逆にそういったものがないと、人は孤独になり、なんとも言えない、正体不明の「なんとなくの不安」を感じるように思う。

「共有地」をつくる

「これは誰のもの」とはっきりしている「私有地」だらけになってしまった現在、どうやったら「共有地」がつくれるのか。行政がやってくれるのか?公共的なことをするのだから、NPOなんかをつくって資金や協力者と募って活動すればいいのか?

いやいや、もっと簡単にできることがある。自分の生活の一部を「共有地」化すればいいのだ。

私の家は、昔から人がたくさん出入りする場所で、保育園の同窓会を開いたりしていたが、最近は「半開きの家」と呼んでいて、より多くの人が訪れたり、泊まったりする場所になってきている。
知人の中川六郎さんは、葉山ジョガーズ倶楽部と称して、何年も前から毎週日曜日の朝ゆっくり10キロ走るという誰が来てもいい場を作っている。

まあ、何も自分の家をオープンにする必要もない。先日(2022年9月23日秋分)も、地元のシェアビレッジ葉山で"ただ「場がある」だけ"というイベントをやってみた。場所代は自分で払い、場所だけ提供して、参加費は無料。好きに過ごしてもらって、ドネーションという仕組みにした。自腹を切って、自ら「共有地」をつくるというイメージだ。「共有地」の範囲を広げたくて、実験的にやってみた。

自分のお金の一部も「共有地」にしてみる

"ただ「場がある」だけ"は、当然収支がマイナスになる可能性もあったが、驚いたことに50人程度の参加者があり、ドネーションで場所代がカバーできた上、リアル参加はできないけれど寄付をするという形で参加したいという方がいて、15,883円のプラスになった!

私は、収支がマイナスになるリスクを負ったし、基本場を用意しているだけとは言え、様々な連絡やアナウンスをしたりを考えると、懐に入れても良いのかも知れないが、それは何だか気持ち悪い。一応、私の手元にある15,883円だが、これを「私有」しないで「共有」し、次の「共有地」実験に使って行ったらどうなるか?

1人1人が源泉になる〜スモール・イズ・ビューティフル〜

「共有」するなら、任意団体や法人など組織をつくるという方法もあるが、それはコストがかかりすぎる。私がドミニカ共和国に住んでいた時に経験したような、隣のうちに鍋を貸したり、逆に米を借りたりみたいな、「ちょっとした」ことでいい。

それに、組織になってしまうと、かえって責任の所在が不明確になってしまうこともある。1人1人が自分の責任において、小さく活動すれば、まっすぐに意図が通るし、「ちょっとしたこと」で済む。余計な力は必要ない。各々が活動の源泉となり、無理せず、小さく、たくさん「コトを起こす」ことができればいい。スモール・イズ・ビューティフルだ。

だから、大澤真美基金始めました。

だから、大澤真美基金始めました。原資は、"ただ「場がある」だけ"の15,833円。「共有地」をつくる実験をここから、やってみる。濁りがないことが大切だと思うので、この基金のために、間も無く別に口座を開く。この活動に関心がある方は、寄付をいただくこともできるし、この後、自分が公共性を意識して行う活動で得たドネーションは、口座に加えて行こうと思う。収支が明瞭なことは、流れを良くするために大切だと思うので、収支報告も折に触れてやっていきたい。これも小さな活動だから、難しくない。

そうそう、私はみんなから「まみーた」と呼ばれているので、「まみーた基金」でもいいのだが、どうも、「大澤真美」という与えられた名前を使いたかった。”大きな沢に真の美しさが立ち現れる”そんな思いを込めて。与えられたものを、選び直す、自ら自ずからの中動態の世界へ。

口座を開いたら、ここでもご案内します。

【2022.10.10追記】
口座番号は下記です(基金専用)。大澤真美基金になんか寄付したい!そんな気持ちになったら。

住信SBIネット銀行(金融機関コード0038)
バナナ支店(支店コード107)
普通6771692
オオサワマミ



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