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血の滲むような努力をしたい

私はずぼらであるが、興味を持った事はとことんやる。それは一種の狂気に近いかもしれない。しかし飽きるのも速い。飽きずにやっている事といったら、写真と書く事ぐらいだ。興味を持ったらとことんやってみて一週間続けばいい方だ。大抵はすぐ興味をなくしてしまう。ここ最近女性寄りが進み、私にしては珍しく徹底したスキンケアを三週間近く続けている。

私の仕事は、週三日ほど夜中のシフトがある。だいたい家に帰るのは午前二時過ぎだ。ずぼらな私は家に帰るなり部屋着に着替え、コーヒーを飲み、パソコンをいじくりネットフリックスを見つつ化粧をしたまま寝落ち、朝6時半には再び子供達の為に起きるというありさまだ。その時腹が減っていたら、何か体に悪そうなものをつまむこともあった。化粧はアイライナーのみの簡単なものだが、毎回殆ど落とさずに寝ていた。朝起きて洗顔して、アルコールフリーのウイッチヘーゼルを叩き込み、ニベアで蓋をするという恐ろしく質素なスキンケアのみだった。
私は化粧品のベタベタがあまり好きではないのだ。ニベアのベタベタも実を言うとあまり好きではないのだが、あまりにも乾燥するので仕方なく付けていた。

ベタベタも好きではないが、ガサガサした肌の触り心地ほど怖いものはない。自分なりにアルコールフリーの化粧水を使うなどのこだわりを一応は持っていたが、下の子のほっぺたをさわる時のすべすべは真面目に羨んだ。子供の肌はなんであんなにみずみずしく張りがあるのだろう。毛穴の開きも全くなく、陶器のようだ。

私が美容室で見習いをしていた時、毎日のようにお客様のシャンプーをした。殆どのお客様がファンデーションを分厚く塗っており、私はその得体の知れない皮膚をカバーしている物質に恐怖を抱いた。もともと化粧は粉を叩くほどの質素なものしかしていなかったが、その恐怖によって粉を叩くのさえやめてしまったほどだ。きっと化粧を落とさないまま寝てしまう私だから、その選択は間違えではなかったのだろう。しかし、ベタベタが嫌いな私は日焼け止めのべたつきさえも嫌いだったので、日常においてほとんど日焼け止めも塗って来なかった。
もともと色が白くないし、そばかすも小さな頃からあったから、さじを投げてしまったのかもしれない。色が白いのと、肌がきれいなのは、全く違う。

匂いにおぼれだして、徐々に私はスキンケアに興味を持つようになった。
きれいな肌になりたいと、今更だが思い始めたのだ。今まで蔑ろにしてきた肌を整えるのはきっと並大抵の努力ではどうにもならないだろう。でも、出来る限りの事をしてみたいと思った。実験みたいで楽しいと思った。美容学校や美容室で学んだ肌の事、独学で一応得てきた知識もかなりあると思う。それを今更だが使ってみようという気に、やっとなった。
ハイデフニションに耐えれる素肌になりたい。(素顔でなく、素肌)赤ちゃんのような毛穴の無いすべすべで張りのある肌になりたい。

私なりに化粧品に対してのこだわりもあった。それは値段が高いものが良いものであるとは限らない、ということだ。薬だってそうだ。中身は同じイブプロフェンなのにブランド名がつくと、高くなる。何も知らない人はブランドの方が良いに決まっていると、ブランド名の付いた方を買う。

発見されて随分経ち大量生産できる美容成分が、法外な値段で売り買いされている。お金のない人間は、美しくなる事さえ許されないのであろうか?きっと何かいいものがあるはずと捜し歩いている時に見つけたのが、カナダ発のブランドのThe Ordinaryだ。やはり私と同じように考えている人が、良いものをフェアな値段で売りましょうと作ったブランドだ。
そのブランドでだいたいの美容成分を揃え、毎日使う洗顔料やメイク落とし、日焼け止め等は近所の量販店で買えるものにした。
鉱物油を使用しているニベアは束の間封印することにした。

「メイク落とし・拭き取り洗顔」
郷に入っては郷に従え、ではないけれどこの格言はとても道理にかなっていると思う。日本にいた時は湿気が多くて洗顔料を使う洗顔が殆どだったけれど、こっちはすごく乾燥するので、量販店で売られている洗顔の殆どが拭き取り洗顔だ。初めは拭き取り洗顔なんて!と思って懐疑的だったんだけれど、余分な油分が奪われないのでお肌の調子は良くなった。ずっとクリームタイプの拭き取り洗顔をしていたのだけれど、ここ半年ほどミセラーウォーターなるものが流行ってきたのでそれを使うようになった。
ミセラーウォーターを簡単に説明すると、小さな粒子が汚れを吸着し、他の美容成分は肌を潤すので、一本で化粧落とし、洗顔、保湿、の役目を担ってくれるというすごい商品だ。
朝はこれで汚れを吸着し、水のみの洗顔。夜はこれでアイメイクを落とし、酵素洗顔。酵素洗顔は毛穴の汚れを溶かし出してくれるそうなので今は率先して使っているが、落ち着いたら水のみの洗顔に切り替えていくつもり。パイナップル酵素配合のを使っている。

「化粧水」
化粧水は洗顔後タオルで水けをふき取り、すぐに付ける。私はもうずっとThayersという所のアルコールフリーのウイッチヘーゼル、薔薇の香りを使っている。貧乏性の私はハンドプレス派だ。コットンだと付け残しがありそうで怖いというのもあるが。首にも忘れずに、潤うまでつける。そして試供品でもらったグリコール酸が5パーセント入ったPIXIの化粧水もたまに使っていたが、これはお肌の色を整えてくれるらしいのだけど、高い。小さなボトルに入って100㎖で15ドルもする!ちょうど The Ordinary でもグリコール酸が7パーセント配合された化粧水が240㎖で8ドル70セントと、リーズナブルな値段で売られていたのでそっちを買ってしまった。まだ使い始めて数日しかたってないので効果は分からないけれど、7パーセントだからなのか、5パーセントと比べつけた時に少しチクチクする。私は比較的肌が丈夫なので、弱い人が付けるともっと痛いのかもしれない。あと唇に付いたのを舐めてしまったのだが、すっぱい。酸性なので当たり前なんだが、酸っぱいしべとべとする。
朝はウイッチヘーゼル、夜はグリコール酸をつけるようにしている。(夜、酸性の美容液トリートメントをするときはウイッチヘーゼルにする)

「美容液」
私は生まれて今まで美容液なんて付ける人間ではなかったので、ちょっとした進歩だ。前は化粧水をつけてニベアで蓋をするという豪快なスキンケアしかしていなかった。
The Ordinary で Buffet というヒアルロン酸が配合された美容液、同じようなMatrixyl 10%とヒアルロン酸が配合されたもう一本を購入し目元、しわ予防の美容液として使っている。結構グリセリンが多く配合されているので、このべたつきの嫌いな人は慣れるまで時間がかかるかも。(ヒアルロン酸も結構とろとろしているそうだ)そうだった、こういう化粧品のベタベタが嫌いで、ずっと逃げてきたんだと思う。逆にさらさらするタイプの物はシリコーンなどが配合されていると思うので、日中使用に向いているのかなあ?シリコーン配合の化粧品は結局肌を乾燥させてしまうので、洗い落とす事前提で使いましょう。きっと環境やお肌の為には使わない方が良いと思うが。

「ピーリング(トリートメント)」
肌の再生サイクルを促すために取り入れたのがレチノイドやALAを使ったピーリング。どちらも酸性で肌の弱い人にはあまりお勧めできないトリートメント。私は肌は結構強い方だと思うけれど、一度AHAとBHAの配合された石鹸を使ったことがあるのだけれど、すごくヒリヒリして真っ赤になった事がある。しかもピーリング中は肌が弱くなるので日焼け止めは必須という事で、面倒な私は続けられなかった。今使っている The Ordinary のレチノイドとALAは肌に優しく働きかけるらしいのだが、やはり少し頬が赤くなり火傷した感がある。でもそれを乗り越えた所に毛穴レスの素肌があるかもしれないので、日焼け止めを使い努力している最中である。週に二日、慣れてきたら二日に一度使うようにしている。顔をレチノイド、首と腕にALAを使用している。レチノイドの香りが好きだ。ALAは少しオイルっぽいテクスチャーで馴染みよい。レチノールクリームを気休め程度で使用した事があるのだが、なぜかぽろぽろのかすが出てくるので、あまり好きじゃなかったのだが、このレチノイドは馴染みも良く付いている感が実感出来、つけ過ぎにならない。ニキビ、吹き出物には集中ケアのサリチル酸を使っている。サリチル酸、結構乾燥するらしいので年寄にはあまり使えない。

「オイル・乳液」
そして、今まで付けた美容成分が蒸発してしまわぬうちに蓋をするのに使っているのが、オイル!結構色々なオイルが化粧品売り場を賑わせているけれど、私が今使っているのはアラガンオイルとマルラオイル。そしてたまにオイル洗顔としてココナツオイルを使っている。成分が損なわれないように抽出された、コールドプレスと表記されたものを選ぶようにしている。
朝は乳液で蓋をして、夜はオイルで蓋をする。やっぱりオイルのベタベタも好きではないので、慣れるまで我慢。乳液は量販店で買ったきくらげの成分が配合されているらしいものを。香料がすごくて怖いので二回目はないなと思う。体中に使い、はやく使い切る。

「マスク・その他」
日本のフェイスマスクは素晴らしい。値段も良心的だし、マスクの包み込み具合も断然いい!私はLululunの金色のやつを愛用中だ。ラップをかぶせ乾燥しないように横になりぼーっとする。それでついうとうとしてしまい、二時間もフェイスマスクをしたまま寝てしまう事もあった。危険だ。マスクのよれが顔に刻まれておった。なぜかマスクを長くしていると一時的だが二重になる。ちょっとだけ祖父のDNAが主張を始めているのか、見慣れない顔は気色の悪いものだ。
日本にいた時たまにLushで天使の微笑みという洗顔料を使っていたのだが、こっちに来てLushがまだ周りに無かった頃自分で調合してもどきを作っていたことがあった。材料だけは結構簡単に手に入れる事が出来るアメリカ。殆どスーパーで手に入れ、粉末状のアーモンドとアステカの泥とローズウォーターの配合されたグリセリンにラベンダーオイルを少し加えれば出来上がりである。それで洗顔するのが大好きだ。作って風呂場に置いていると連れもそれを使う。すげーいい、と好評である。でも早く使い切らないとすぐかびるので、少量を作り冷蔵庫で保存し一週間で使い切る。
マスクは酸性トリートメントをしない日に使っている。

「日焼け止め」
これも私が苦手としてきた化粧品だ。やはり塗った時のベタベタが嫌いで、避けてきた。さらさらするものは結局シリコーンが配合されておりよく見えないくせに、クレンジングに手間がかかる。ミセラーウォーターできちんと取り除く事が出来るのだろうか?今使っている着け心地が良いものもやはりシリコーン配合だ。今まで日焼け止めなんて使ってこなかったので、これはもう地道にリサーチしていくしかないと思っている。

「化粧」
普段はファンデーションも塗らず、アイラインと薬用リップのみ。出かけたりするときは粉を叩いたり、リップティントで色を付けてから薬用リップを塗るくらい。でも化粧品は好きなので、使わないものがどんどん増えていく。

(こうしてみると薬用リップとかすごく持ち過ぎだな。気分によってポケットとかに入れるので、すぐ無くすのもあるけど面白いものをみると買ってしまう。)

(アイライナーは必需品なのでストックしている。最近下のラインにゴールドを使うのが自分の中で流行中。)

「サプリメント」
これは気休め程度に飲んでいるのだけれど、髪の毛や肌に良いとされるビオチン、肌の為にコラーゲンとゼラチンのサプリメントを今のところ続けている。前に比べて髪の毛の艶が戻ってきた気がするし、肌が少しだけすべすべになった気がする。気がするだけなので、本当に効いているかはわからない。あと私は水を飲むようにコーヒーを飲む人間なので、(ブラック・無糖)最近は気を付けて水を飲むようにしている。白湯にして飲んだり、話題になっているシリカ含有率が高いFIJIウォーターをちびちび補給しておる。

冬の間何とか体の美白は出来たので、今年の夏は絶対に焼かない!日焼け止めをちゃんと塗り、クレンジングをしっかり行い、素肌をきれいに保ちたい。

こだわると成分とかにまで目が行くような人間なので、ちびちび化粧品のリサーチを更新していきます。あくまで私の個人的好みばかりなので、皆さんも自分の良いと思っているスキンケアを続行してください。きれいな素肌は、結局いい心持ちから来ていると思うので、精神の健康が何よりのスキンケアだと思います。あと睡眠な。

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