女の子と手をつないだ事
その子は連れの親友の彼女だった。カレン・Oにちょっと似ている、横顔の線がきれいな女の子。昔から、わたしは線の綺麗な人間が好きだった。
線の綺麗な人間を見つけると一日中でも眺めていたくなる。
彼女は日本のファッションや文化が好きで、私たちはよく一緒にリトルトーキョーや、日系スーパーに買い物に行ったし、よく四人で飲みに行ったりもした。ラスベガスで結婚した時も、彼女が証人になってくれた。
私は彼女にハグされるのが好きだった。
連れと親友の友情が腐れ縁のように20年近く続いているみたいに、私たちの友情も長続きすると思っていた。
事件は突然起きる、あらかじめ決められていたかのように。
いつものように四人で飲みに行ったバーで、連れの親友が可愛い女の子と消えてしまった。連れは親友を探しに行き、私と彼女は外に出た。駐車場までの道のり、私たちは言葉も交わさず黙々と歩き続けた。
そして、彼女が私の手を握ってきた。私はちょっと驚いて、なんて柔らかい手なんだろうと思った。
ここでは、ハグは挨拶だけど、女の子同士で手を握るなんてめったにない。
私は彼女の手を優しく握り返し、ちょっと切なくなりながら歩いた。
彼女は泣いていた。
横顔が、美しかった。
もう会えなくなってしまったけど、あの夜の柔らかい手の感触を私はいつまでたっても忘れられそうにない。
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