見出し画像

【イスラエル×パレスチナ】【ユダヤ×イスラム】大きな主語では見えない世界

私の好きなイスラエル人YouTuber・NasDaily(ナス・デイリー)。
彼の最新の動画が、とても胸を打つものだったのでシェアしたいと思う。

学生時代、私は世界史や政治・宗教について、教科書で一生懸命に学んでいたつもりだった。だけど、インターネットを使ってYouTubeや他国のニュース記事からも情報を取りに行けるようになった今、あの頃よりもはるかに、国際政治上の対立の構図が見えてきたように感じている。

アメリカ陣営とそれ以外の陣営との対立は(少なくとも国際政治上においては)確かに存在していて、日本の報道も教育も、決してフラットな視点ではない。

しかし、この動画で語られているのはもう少し解像度の高い視点だ。つまり、ユダヤ人国家といわれるイスラエルにも、「パレスチナ側」と括られるイスラム教徒の方は大勢いるし、むしろイスラエル軍の中にだっている。そしてパレスチナ人の平和を願うユダヤ人も、実際にたくさんいるという。

「イスラエル人」「パレスチナ人」「ユダヤ教徒」「イスラム教徒」。こんな風に大きな主語でくくってしまうと、現実はぼやけて見えてしまう。大きなカテゴリーで区分して、あっちはこう、こっちはこう、と認識してしまうのは、ちょっと危うい視点なのだろう。

今回の衝突の背景について理解を深めようとすればするほど、「代理戦争」という構図が、私たち市民の無力さを突きつけてくるようで、胸が苦しい。せめて、反戦の声だけは上げ続けたいと思う。


(以下、日本語訳です。気をつけてはいますが、もしニュアンスの誤りに気づいた親切な方がいらっしゃったら、ご指摘いただけると嬉しいです。)

Nas:
やあ、みんな!
正直に言うと、今週は辛かった。毎週木曜日には会社の近況報告をするはずなんけど、今週は一切仕事をしていない。本当に悲しかった。でも、今日は皆さんに私のビジネスパートナー、アレックスを紹介したい。

Alex:
こんにちは、アレックスです。

Nas:
アレックスはNAS CompanyのCOOで、僕はCEO。

Alex:
ナスはムスリム(イスラム教徒)、僕はユダヤ人だ。

Nas:
僕たちは1000日以上一緒に仕事をしてきた。僕たちは一緒に、パレスチナ人やイスラエル人、そしてほかの100人以上を雇用する会社を築き上げた。世界をより良くするための製品を作る会社だ。しかし、今週、僕たちの関係は試されたんだ。

Alex:
仕事以外の時間は、ただ泣きたくなるような気持ちだったよ。

Nas:
そうか…。

Alex:
そう、たくさんの命が…。

Nas:
泣いたのか?

Alex:
ああ、何度も泣いたよ。多くの人々の命が失われ、たくさんの子供たちが殺されたり誘拐されたり…。そのせいで、多くの人々の暮らしが永遠に壊れてしまった。

Nas:
世界はひっくり返った。ユダヤ人対ムスリム。ムスリム対ユダヤ人。ムスリムはパレスチナを、ユダヤ人はイスラエルを支持している。とても見ていられないよ。

だから、僕たちはここへ来たんだ。ユダヤ人とムスリムは、違いよりも共通点が多いことを皆さんに伝えるために。

Alex:
僕たちは、手を取り合えばたくさんのことが実現できる。破壊するのではなく、築き上げることができる。命を奪うのではなく、仕事を生み出すことができる。

Nas:
実際に、ユダヤ人とムスリムの暮らしぶりはよく似ている。イスラエルには200万人のムスリムが住んでいるし、イスラエル軍にも多くのムスリムがいる。そして多くのムスリムは、ハマスの行動に反対している。

Alex:
そして実際に、私のような多くのユダヤ人は、パレスチナ人の平和と尊厳を求めているんだ。

Nas:
目の前のできごとに惑わされてはいけない。これは代理戦争、政治的な対立だ。極端な意見や行動が目立つけど、それに屈してはいけないよ。パレスチナの極端な主張にもイスラエルの極端な主張にも、屈してはいけない。

悩ましいのは、みんなが僕たちの文化がどれほど似ているかを知らないことだよ。インターネット上では、僕たちはまったく別の人間のように見えるかもしれない。でも、実際にはアラブ系のユダヤ人はたくさんいるし、イスラエルにも多くのムスリムがいる。似たような伝統だってたくさんある。

Alex:
だから、もし無力感を感じていたとしても、そんな風に感じる必要はない。これは、ともに戦う時だ。

Nas:
今日、僕たちは、次の1000日をともに働くことを宣言します。そして皆さんにも、寛容さを胸に手を取り合うため、あと1000日以上努力してもらいたい。

どんなに困難な状況であっても、手を取り合う努力し続けることが、僕の仕事であり、彼の仕事であり、そして、あなたの仕事だ。必ずできる。

さあ、仕事の時間だアレックス。

Alex:
ああ、始めよう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?