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湯渡りするもの(地元の銭湯編)

1 遠出したいと願っても

現代人は、特に立場がある人間になると、おいそれと遠出は出来ない。
旅行をするにも、計画を立てて、組織に届出をし、決裁を得て、そうして初めて可能になる。
旅行は余裕を持ってゆっくり観光すべし、というのを頭で理解してても、そうは言ってられないのが真理なわけで。それに加えて贅沢まで控えたら、もはや家でゴロゴロが無敵になってしまう。
そうして、休日はまた無為に過ぎ、日曜夕方にとてつもない虚しさが背後に忍び寄り、僕たちは涙する…のは流石にメンタルやられ過ぎているから、早急に誰かに甘えて欲しい。マジで。
いやはや、人の闇に触れそうなこの話題だが、休息においても現代日本で理想を実現するのは難しいわけだ。

学生の頃には時間があるが金がなく、社会人には金があるが時間はない。
だから老後まで待ちなさい…というのも変な話で。
それまで金を持って生きている保証はない。五体満足でいるかもわからない。
慰めにもならない言葉はやめてもらおうか!と言いたくなる。
思い立ったが吉日であり、今の世の中、組織であってもキッチリ休ませろという機運になりつつある。勇気を持って計画をするべきだ。お金と空いた時間はキッチリ使い切る勢いをもって計画すべし。

とは言え、やはりしょっちゅうそんな事も出来ないのが現実。
世知辛いね。

だからこそ、銭湯である。

整いだのサウナだの関係ない。ひたすらにリラックスする場としての、銭湯である。
広い湯船、大量の湯、広大な洗い場、自由な選択。
家ではなく、外で。癒しを求めるStyleはそれぞれなれど、入浴というリラックスを提供する場を、全力で享受しようじゃないか。

2 目的はそれぞれ

マナーだのをうるさく言うタイプでもないので、そんなのは最低限迷惑かけないように好きにしなさい、としか言いようもない。
大声でイキったり場所を占領したり、身体を洗わず、もしくは石鹸流さず湯船に入らなきゃ、好きにして良いと思う。
あ、あとタオルつけたり潜るのもやめた方が良い。水風呂で人生の先輩がよくやってるが、真似しちゃイカンよ。

そういうのが無ければ、基本的に好きにしてて良いと思う。
場所が空かないなら、適当に時間を潰せばいい。なんなら、浴場に何度も入れるタイプの銭湯だったら、一度出て休憩場で本格的に寝たっていい。
休む事を第一に考えて行動すれば良いと思うのだ。

目的はそれぞれだと思う。
仕事疲れを癒すとか、部活の後にとか、たまの贅沢とか。
それでも、最終的に銭湯を選んだんだから、やはりリラックスが第一だ。
よって、好みの場を確保して、ゆったりとする。
ただ、これだけでいい。
僕の場合、露天風呂か寝湯になる。アッツい湯船が良いと言う人も、サウナにキンキンの水風呂しか勝たんと豪語する人も、ただ炭酸湯でたゆたう愉悦が優勝と断言する人も、それぞれに良しがある。
陽の高い内から、存分に時間を堪能して過ごす。
生き急いで来たからこそ、こうやって無為な時間を過ごすのが何より貴重だと気づく。
水分補給を忘れずにいれば、人間何とか生きて行けるもんだ。

と、日帰りしか癒し時間が取れない人に向けた銭湯のススメだったが、ぶっちゃけ銭湯じゃなくても、好きな事を楽しく出来たら良いよね…みんながんばれ。

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