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テイスター座談会とジャパニーズの定義についての緊急座談会

 17日の水曜日に大腸の内視鏡検査を受け、ポリープを切除したため、1週間以上の禁酒を命じられてしまった。さらに検査3日前くらいから食事の制限、当日は朝7時から特殊な下剤を飲み続け絶食。夜は普通食にもどるかと思ったら、ポリープ切除のため流動食。そして翌木曜から離乳食(?)、雑炊など、とてもまともな食事ではない。結局1週間近くもまともな食事が摂れていない状態だ。
 それでも、やることが満載で、連日ウイスキー検定の問題の校正を、さらにテキストの原稿執筆、そして横浜フェスの準備やミーティングに追われていて、休むことができないのがツライ。相変わらずテレビやメディアの問い合わせ、取材も相次いでいて、多い日は1日2~3件、それらに割かれる時間も多い。まともな食事もできず、ましてや禁酒というのが、なんともである。
 13日の土曜日も朝から検定テキストの原稿と、次号ガロアの原稿を書き続ける。ガロアの巻頭特集はジャパニーズの定義問題で、緊急特集として、ウイ文研の代表世話人、そしてマスターオブウイスキー、クラフトの造り手たちに集まってもらい、座談会を開くことにした。2021年2月に日本洋酒酒造組合が組合内規という形で、ジャパニーズウイスキーの表示における製造基準を提唱したが、今年でちょうど3年となりこの4月1日から、それがいよいよ効力を持つことになる。ただし、これはあくまでも組合に加盟しているメーカーの話であって、組合員以外には、なんら拘束力を持たないのは周知のとおりであり、またこれはあくまでも「ジャパニーズウイスキー」と一語で用いる場合の基準である。つまり、単にウイスキー、あるいは○○ウイスキー、さらにいえばメイド・イン・ジャパンとか、ジャパンメイドと表記したら、なんら基準に従う必要はないのである。おそらく市場、特に海外の市場に出回るジャパニーズの9割以上が、これであろうと思われる。
 そもそも日本洋酒酒造組合に加盟しているメーカーは90社ほど。そのうちウイスキーをメインで造っている会社は20~30社しかないだろう。それに対して、私たちが今月末に出す「ジャパニーズウイスキーイヤーブック2024」で、取り上げている蒸留所は114カ所。そのうち現時点で稼働しているものが90以上である。つまり、先の組合に加盟しているのは、全体の4分の1ほどでしかないということだ。
 さらに言えば…。と、もうこれ以上はここには書ききれないが、そのことによるジャパニーズウイスキーの品質価値への不安、評判がもう待ったなしの状態になっている。これは一刻を争う、というのが私たちウイ文研、そしてマスターオブウイスキー、全コニサーの想いなのではないかと思っている。
 そのためにできることは何か。それは、手をあげることで、8年前に私たちがジャパニーズの定義を提唱したのと同じように、ウイ文研として、もちろんガロアとして、そしてウイスキーコニサークラブとして行動を起こそうと思っている。その第一歩が28日に予定している座談会なのだ。
 ということで(?)、その前週である21日の日曜日は、同じウイスキースクールで、ガロアのテイスターによる座談会。これはその定義問題と直接関係はないが、テイスターの皆さんの意見も、それとなく聞くことはできた。もっとも、これは毎年恒例の座談会で、昨年1年間で、ガロアがやった180本のボトルについて、その集計結果や、感想、そして今後の課題や最近のトレンドについても語ってもらった。
 ガロアが創刊したのは2017年の3月。丸7年が経過して(合計42冊!!)、次号からは8年目に突入する。これまでにやったボトルは1200本近く。10年やったら、ぜひこれは本にしたいと思っている。もちろんすべては無理なので、ウイスキーのみの本をつくりたいと考えている。それでも10年だと、1500本近くになるだろうか。


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