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検定の受験者特典と次号ガロアの緊急特集について

 イヤーブック2024入稿前、最後の校正作業が続いているが、並行して『コニサー倶楽部』第3号の入稿作業も待ったなしだ。イヤーブックが1月12日(金)、そして『コニサー倶楽部』が1月19日(金)の入稿予定で、それと同時に昨年末から続いていた、ウイスキー検定の問題作りも、校正作業が続いている。受験申込みの締め切りはもうじきだが、今回は受験者特典として、写真のコルク製コースターを用意した。ガロアを創刊したとき(2017年)に作った、ウイスキーガロアの“おじさん達”、3人衆の絵柄で、これは創刊記念手ぬぐい、トートバッグ、ピンバッジにも使われた人気のイラスト(版画)である。

 25万本ものウイスキーボトルを前にして大喜びするエリスケイ島の島民の姿で、今回の実施級は3級、2級、1級とジャパニーズクラフト級(JC級)の4タイプ。受験申込み1つにつき1枚コースターがもらえるから、4種すべて受験したら4枚揃うことになる…。2月11日に開かれる横浜フェスには、ウイスキー検定のブースも出店予定で、そこでは過去17回分のグッズも展示しようと思っている。

 『ウイスキーガロア42号』の書店販売は明日だが、すでに3月12日発売予定の43号の取材、編集作業も始まっている。巻頭特集ではジャパニーズウイスキーの現状、特に定義問題について改めて緊急特集をやることにした。日本洋酒酒造組合が2021年2月に、組合内規としてジャパニーズの基準を策定し、同年4月1日からそれを発効としたが、同時に3年間の移行措置を設けることも決められた。その3年間が過ぎ、4月1日からは組合内規として組合加盟者は、その基準を守ることが義務づけられることになる。
 それはそれで良しとすべきだが、問題はそれがあくまでも組合員の話であって、組合員でなければ、ハナから守る必要もないということである。他の国のウイスキーの定義・レギュレーションは法制化されたもので、国として罰則規定が設けられているが、日本の場合は単なる任意団体の任意の定義でしかない。そもそも日本洋酒酒造組合に加盟しているメーカーなどは90社ほど。うちウイスキーを専業で造っているところ、蒸留所の数でいったら20~30ほどでしかないのでは。対して、私たちが1月下旬に発行する『ジャパニーズウイスキーイヤーブック2024』で、カバーしている蒸留所は、計画段階のものも入れて、114である。つまり90近い蒸留所は加盟していないことになり、酒造組合の基準に合致しなくてもよいことになる。

 ガロアが緊急特集を組むことにしたのは、これからのジャパニーズを考えた時、何がなんでも、この定義を法制化し、罰則規定を設ける必要があると思っているからだ。今年の2月で私も70歳、古稀を迎える。正直、やることがいっぱいで、時間的には非常にシンドイし、私にかわって誰かがやってくれることを3年間望んでいたが、誰も手を挙げてくれる者がいなかった。昨年、ジャパニーズ生誕100周年ということで、私たちもいろいろなイベント、企画、そしてガロアでも特集してきたが、次の100年を考えれば、他のすべてを犠牲にしても、今、このタイミングでジャパニーズウイスキーの製法基準、そしてその定義、表示について法制化を急ぐ必要があると思っている。
 正直いって、今やっている仕事だけでも、もはや限界を越している。それでも、やるしかないのであれば、それに向けてできることから一歩一歩やるしかない。私個人にしてもそうだが、ジャパニーズウイスキーにとってももう残されている時間は、そう多くはないと思っている…。



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