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ビヨンセとリアーナの一騎打ち!Jay-Zと組んだ二人の歌姫の勝敗やいかに(オススメMV #88)

こんにちは、吉田です。
オススメMVを紹介する連載の88回目です。(連載のマガジンはこちら)

今回は、タイトルの通りJay-Zを客演に迎えた二人の歌姫、ビヨンセとリアーナのMVを紹介します。
ご存知の通り、ビヨンセとJay-Zはパートナーですので、それだけを考えるとリアーナの分が悪いのですが、果たして結果はどうでしょうか?

ではまず、ビヨンセのMVをご覧いただきましょう。
ビヨンセの「Crazy In Love ft. JAY Z」です。どうぞ!

パワフルでノリのいい楽曲に、これまたパワフルでカラフルな映像の組み合わせが秀逸なMVです。
歌姫ビヨンセを前面に押し出し、まさしくビヨンセのための楽曲でありMVとなっています。

ビヨンセ(Beyoncé)は、ガールズグループのデスティニーズ・チャイルドのメンバーとして1997年にメジャーデビューし、同グループが2001年に活動休止した翌年の2002年にソロデビューをしたシンガーです。
デビュー翌年の2003年にリリースした1stアルバム「Dangerously in Love」からの1stシングルがこの「Crazy In Love」ですが、いきなりUS/UKとも1位を獲得するというから、その人気ぶりも伺えます。
ちなみに、1stシングルだけでなく1stアルバムも1位を取っているのですが、1stシングルと1stアルバムの両方がUS/UKともi1位になるというのはいまだ破られていない記録のようです。

ちなみに、「Crazy In Love」のイントロは、シャイ・ライツの「Are You My Woman (Tell Me So)」をサンプリングしたというのは有名な話で、聞き比べると「そのままやん!」と突っ込みたくなるほどです。
ぜひ皆さんも一度聞き比べてみてください。

話が少し脱線しますが、最近発見してひとりで悦に入っているサンプリングの元ネタがあります。
名作MVでもあるN.A.S.A.の「Gifted」にはいくつかイケてるリミックス版があるのですが、その中のひとつ「Gifted Boombotz Remix」のイントロがめちゃくちゃイケていると思っていたところ、スウィート(Sweet)の「Love Is Like Oxygen」という楽曲であることを発見したのです!
お時間のある方は、こちらの楽曲もぜひ聴き比べてみてください。
(ご興味ない方には、全く無駄な話でしたが...)
ちなみに、N.A.S.A.の「Gifted」のMVは超傑作ですので、未見の方はぜひご覧ください。(コチラ⇒「ヘタな映画よりよっぽど面白い」

話がだいぶそれたので、「Crazy In Love」の解説といきたいところですが、その前にビヨンセと対決するリアーナのMVをご覧いただきましょう。
リアーナの「Umbrella ft. JAY-Z」です。

何度観てもイイものはイイ!
本当にこのMVは名作であり傑作であり、ニューヨーク近代美術館に永久保存してもらいたいぐらいの作品です。

リアーナ(Rihanna)は、1988年にバルバドスというカリブ海の小さな島国で生まれ、歌手になるために2004年に16歳で米国に移住し、オーディションに合格して2005年にデビューするという結構チャレンジャブルな女性シンガーです。
デビューした2005年に1stアルバムを、その翌年2006年に2ndアルバムをリリースし、続いて2007年にリリースした3rdアルバム「Good Girl Gone Bad」からのリードシングルとしてリリースされたのが、この「Umbrella」です。

この「Umbrella」は、リリースすると同時にUKでは10週連続トップ、USでも7週連続トップという驚くべきヒットとなり、リアーナを一躍世界的なトップシンガーとして認知させました。
それぐらい「Umbrella」は、世界中に影響を与えた楽曲です。
そして、そのビッグヒットの要因のひとつが、この素晴らしいMVでなないかと考えています。
それぐらいこの「Umbrella」のMVの出来は良いのです。

リアーナの話はキリがないのでこれぐらいにして、ここからが本題です。
ビヨンセの「Crazy In Love」と、リアーナの「Umbrella」を比較してみましょう。

この2つの楽曲とMVを比較してみると、共通点としては両方ともグラミー賞を受賞した楽曲であり、かつ両方ともMVA(MTV Video Music Awards)を受賞しているMVという、楽曲/MV共に高い評価を受けている作品であることが分かります。

しかし、MVの内容を比較すると、様々な面で対照的なのです。
まず、大きなテイストの違いとしては、「陰」と「陽」という違いです。
それぞれどちらかというと、「Crazy In Love」が「陽」で、「Umbrella」が「陰」となります。
「Crazy In Love」は、青空をバックにしたオープニングから始まり、ほとんどが野外での撮影になっています。
それに比べて「Umbrella」は、野外での撮影は無く全て室内であり、雨が降っているシーンも室内かつ漆黒の背景となっています。

それだけではありません。
MVでのシンガーの立ち位置というか表現方法も大きく違います。
「Crazy In Love」では、ビヨンセはそのままのビヨンセとして出演し、ビヨンセそのものの魅力を前面に出しています。
しかし、「Umbrella」では、リアーナの魅力が十二分に表現されていますが、それは素のリアーナのままではなく、様々にコーディネイトされたリアーナがそこにはいるのです。
そして、そのコーディネイトは単なる映像表現という枠を超えて、当時のリアーナそのものを表現しているのではないかと思われます。
黒い衣装で踊るセクシーなリアーナや白いドレスを着た少し幼いリアーナ、傘を片手にオレンジ色を背にしながら踊る妖艶なリアーナ。
それらは当時19歳で少女から大人の女性に移る2面性や危うさや戸惑いなどを表現しているようにも思えます。
全身銀色に塗って踊るリアーナなどは、まさしく当時のリアーナの繊細な内面を表現しているかのようです。

では、どちらのMVのほうがいいのか?という話ですが...
両方のMVとも名作であることは疑いはないものの、ビヨンセ自体を押し出しそのまま表現している「Crazy In Love」に対し、「Umbrella」はリアーナの内面まで踏み込み様々な表現を組み合わせているところから、私としては「Umbrella」に心を奪われています。

また、個人的に「リアーナのほうが断然好きだ!」というのもあります。
容姿というのではなく、楽曲やMVに対する姿勢が好きなのです。
「リスナーに感動を与えるためには、どんなことでもする」という、ある種「刹那的」ともいえる自分を投げうった姿勢には感動すら覚えます。

結局「どちらがいい」という話ではなく、「どちらが好きか」という話になってしまうのですが...

実は、この「Umbrella」のMVは、この連載で登場するのは2回目です。
初回の登場は、なんとこの連載の記念すべき第1回となり、それだけ私のお気に入りであり、かつ名作MVであることが分かります。
詳細な解説をしていますので、ご興味ある方はぜひご覧ください。(こちら⇒「情熱の歌姫リアーナの大傑作「アンブレラ」は必見だ!」

結論としては、「Crazy In Love」も「Umbrella」もどちらのMVも素晴らしいが、個人的には断然「Umbrella」がお気に入り!というところで締めさせていただきます。
皆さんはどちらのMVが気に入られたのでしょうか?

ではまた次回に。

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