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第18話:交際半年でフランス人彼氏の実家に宿泊した結果

北海道政府観光局の5日間の撮影ツアーを終えて、シンガポールへ戻り、
そのまま息つく間もなく、翌日、東京へと飛び立った。

『泣いてばかりだった私が、運命の人に愛されるようになるまで』

元彼にネズミ呼ばわりされていた、尽くしタイプ依存症ダメ女から、どうやって運命の人(フランス人)に出会い、ありのままの自分で愛されるようになったのか?実際に起きたリアルなマイストーリーを綴ってきます。

>>> ここまでの話

第1話:アラサーどん底負け組に転落…リーマンショックで失業&失恋
第2話:英語力ゼロ・・・勢いだけでシンガポールへ移住!
第3話:アラサー女子が、何の目的もなくワーホリってどうなの?
第4話:TOEIC500点以下で海外で仕事をゲットした理由
第5話:赤面症だった私が、なんでラジオDJに!?
第6話:凧上げフェスティバルで、ナンパに大成功!
第7話:ねぇ、シンガポールで一番有名な日本人にならない?
第8話:YouTube婚活で外国人500名以上からオファー殺到!
第9話:初デートのためにドイツから彼が飛んできました
第10話:運命の人は、ストーカー?!
第11話:ポールダンスを勝手に見ないで!
第12話:初デートで連れて行かれた怪しいお店
第13話:彼氏じゃない男性と二人きりで海外旅行
第14話:究極の選択…交際3ヶ月の彼氏が海外転勤!追いかけるべき?
第15話:本当の私を、あなたは愛してくれますか?
第16話:終わりはいつだって、何かのはじまり
第17話:神様からの餞別〜人生は思わぬところで繋がっていく

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これから一緒に暮らすことになる
東京港区の最寄り駅で
仕事を終えた彼と待ち合わせをし
見慣れぬ風景にキョロキョロしながら「自宅」へと向う。

日本での新しい生活、
新しい人生が、ここから始まるんだ。

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なんて

新生活のときめきに浸る間もなく
スーツケースの荷物を詰め直し
その翌日にはフランスに発つという
とんでもないスケジュールだった。

パリに降り立つのは、
大学の卒業旅行以来、二度目の訪問。

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当たり前なのだが、フランス語を流暢に話し
慣れた様子で案内してくれる彼が
いつもの3割り増しで頼もしく感じられた。

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数日間のパリに滞在したのち
今度は列車を乗り継ぎ2時間半、
パリの南西に位置する
フランスの小さな田舎町へと移動する。

そう、今回の旅の目的は
彼のご両親に会いに行くことなのだ。

プロポーズの「プ」の字も聞かないまま
交際3ヶ月のフランス人の彼を追いかけ
日本への帰国を決めたのだけれど
なかなか悪くないスタートなのではないか。

と内心思いつつ

フランス人の結婚観
パートナーシップ観は
永遠の謎である。

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古びた小さな田舎町の駅まで車で迎えに来てくれた
初めて対面する彼のパパ。

「Bonjour(ボンジュー)
 Je m'appelle Mana(ジュマペールまな)
 Enchantée(アシャンテ)」

緊張を隠せぬまま
機内で唯一覚えたフランス語で挨拶をする私を
Bisousビズ( 頬へのキス)で温かく迎えてくれた。

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彼が生まれ育った小さな田舎町は
初めて訪れたはずなのに、どこか懐かしく
子どもの頃から憧れていた「外国」がそこにあった。

名前も聞いたことのない町なのに
不思議なくらい懐かしい。

案内された彼の実家は、平屋の二階建てで
レンガ造りの家の中には大きな暖炉と
その周りで恰幅のいい猫が2匹くつろいでいて

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奥から出てきた彼のママは、愛息と同じように
「おかえり」と言わんばかりに
初めて会う私を大きなハグと温かいBisousで迎えてくれたのだった。

窓から外を眺めると、広々とした庭の隣にサラサラと小川が流れ
家の斜め向かいには、小さな教会が見える。

私はきっと、ここに来たかったんだ。

懐かしさの正体と同時に、彼が日本へ発つ前日、
シンガポール最終日の Farewell Partyで交わした
あるフランス人女性との会話を思い出していた。

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「あなたも一緒に日本についていくの?」

「うん、そのつもり。
 でも4年半も暮らしたシンガポールを離れて日本に帰るなんて
 ちっとも実感がわかなくて…」

「きっとあなたは彼と出会うためにシンガポールにやってきた。
 そして、その目的を果たしたから日本に帰るのね。」

フランス人という生き物は、
どこまでもロマンチックである。

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でも、そんな彼女の粋な考え方に、妙に納得していたんだよね。

もしも、あの時
失業せずに広告会社で正社員として勤めていたら…

もしも、あの時
大好きだった彼氏にフラれず、あのまま付き合い続けていたら…

もしも、あの時
仕事の取材で、インドネシア人の友人と出会っていなければ…

もしも、あの瞬間
YouTube婚活だなんて、突拍子もない企画に乗っかっていなければ…

少しでもタイミングがズレていたら
一つでもピースが足りなかったら

日本の田舎とフランスの田舎
遠く離れた場所に生まれ落ちた私たちの人生は
一生交わることがなかったと思う。

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そう思うと

あのときの失恋も
あのときの失業も

夢に手を伸ばそうとすらしなかった
過去の至らぬ自分さえ

全てが計算され尽くした奇跡のように感じられた。


彼女が冗談めいて放った言葉が
もし真実だとしたら…

運命の人を引き寄せたのではなく
運命に引き寄せられたのは、私の方だったのかもしれない。

なんて

フランスとは、人をロマンチックにさせる
不思議な魅力をもつ国だ。


>>>つづく
第19話:世界中が敵になったとしても、僕だけは味方でいてあげるから

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