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短編集其ノ参の出版

ようやっと【矢違アキラ短編集其ノ参】の出版が完了した。とりあえずは一区切りである

今年の2月……
朗読と音楽でつむぐ矢違アキラ幻想の世界の公演から6月あたりまでの作品、合計7作品を収録した、小生の著書第三弾である

6月以降は半年ほどに渡り、しょうしょう禊を厳修していたので筆を封じていた。が、ページ数的にはそれでちょうどよい塩梅になり、逆に書き続けていれば年内に2冊もの短編集を出すことになっていたであろうから、半年書かなかったのは良かったのかもしれない……

しかし思い返せば凄まじい一年だった
野村道子さん、及び賢プロダクションの皆々様には本当にお世話になった。2月の朗読劇を初めとして、今年1年で4回も小生の作品を舞台の上へのせてくださったことに、ただただ感謝するばかりである……

さてさて
短編集其ノ参が出来上がったわけであるが
前作の短編集其ノ弐が「探し物を探しに行く書」だとすれば、参は「忘れ物を取りに帰る書」であろうとおもう

加速する時代と人
その速すぎる世の中で、我々がどこかに忘れてきてしまった、失くしてしまったものが、かならずあると小生は思っている。事実、我が父や祖父の時代には当たり前に生活の中で触れていたことや教わっていたことなどが、いま小生の世代では伝える者もおらず、知る機会すらない。それはモノや、思想や、教えや、とにかく色んな分野がそうである

そういったものを、いまいちど振り返り、新しいとか古いとか時代とか関係なく、また何かと比較して判断することもなく、しっかりと見つめて、それそのものが人や社会や人道や道徳に大切かどうかを考えていきたい
そんなことを思っている

人々の生活のなかに息づいていた、細やかな文化。破綻とは、まず、すその小さな綻びから始まるものだ。その綻びが、すこしずつ大きくなっている、そんな気配を感じてならない

小生にできるのは
ただ、書き遺すことのみ
短編集其ノ参が、だれかの、忘れ物を見つけるきっかけになってくれればと切に願う

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