クーデックを使ったモルヒネ注設定について

まず指示書は以下のフォーマットとします。

合計50ml、開始時の流速0.3ml/hr(予測投与日数7日)とする。
ベース: モルヒネ塩酸塩注200mg/5ml①A+モルヒネ塩酸塩注50mg/5ml②A+モルヒネ塩酸塩注10mg/ml③A+生食④ml (⑤mg/ml)で 0.3ml/hr=⑥mg/hr=⑦mg/日で持続皮下注 (最大流量1.0ml/h)
レスキュー : 1時間分早送り、15分あけて反復可能     
①鎮痛不十分 (6時間以内に3回レスキュー使用)     
②RR≧10     
③意識清明を満たすとき     
0.1mlhrずつ流量アップ(8時間以上あけて)。    
逆にRR<10回のとき、0.1ml/hずつ減量。

このとき大事なのは、1行目の、
合計50ml、開始時の流速0.3ml/hr(予測投与日数7日)
の流速を0.3ml/hrにすることである。
これは、後々増減するのに0.3ml/hrにしておくと、ちょうどよいからです。
例えば0.1ml/hrだと0.1ml/hrずつ調整したいところだが、減らすと0になるし、増やすと2倍量になってしまう。0.2ml/hrだと、50ml/0.2=250hr=10日と長期になり、長すぎて感染が気になる。0.3ml/hrだと7日となり、ギリギリ許容範囲と思われる。ちなみに0.4ml/hrだと5日、0.5ml/hrだと4日となる。モルヒネ皮下注射は0.5ml/hr以下で皮下注するともれずに最適投与できるが、最大でも1.0ml/hr未満となるようにベースを調整する必要がある。

そして、現在使用しているオピオイド量を塩酸モルヒネ換算して1日量を算出します。このときは、癌性疼痛の悪化が急性増悪しているときはやや多めに、投与経路を変更するだけの目的であれば等価とするかやや少なめに設定します。

わかりやすいように例を挙げます。
例えば80mg/日に設定したいとします。
合計50ml、開始時の流速0.3ml/hr(予測投与日数7日)は固定(=条件)ですので、それに基づくと、総投与量は80mgx7=560mg/7日となります。この構成としてはモルヒネ注200mgx2+50mgx3+10mgx1となります。
生食は50-(5x2+5x3+1x1)=24ml必要です。
したがって、
ベース: モルヒネ塩酸塩注200mg/5ml 2A+モルヒネ塩酸塩注50mg/5ml 3A+モルヒネ塩酸塩注10mg/ml1A+生食24ml (11mg/ml)で
0.3ml/hr=3.36mg/hr=80mg/日で持続皮下注 (最大流量1.0ml/h)
と自動的に計算できます(小数点以下は四捨五入しています)。

モルヒネ注の設定を示した表になります。

【鉄則】1日分の投与量mgを決め、流速ml/hrを決めると
総投与量mgが決まり、200mg、50mg、10mgの構成(A)が決まり、
総量50mlとなるような生食mlが決まり指示が出せます。

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