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プロジェクトを楽しもう!実践でマネジメント以前に必要な2つの能力

management studioの吉見です。
いきなりですが、「プロジェクト」と聞くと気が重くなる方もいるのではないでしょうか。問題ばっかり起きるし、進め方もスッキリしないし、揉めたりしている。私もそんな「モヤモヤ」を解消したい、せめてマシにしたい、何とかしたい、という気持ちでプロジェクトマネジメントを勉強、研究しはじめました。
しかし、色々と知る中でプロジェクトは本当は「ワクワク」する仕事なんだというマインドに変わっていきました。きっかけは「プロジェクトって小難しく考えていたけど結構シンプルなんだな」という気付きです。
以前にプロジェクトマネジメントの意義について記事を投稿しましたが、今回は「プロジェクトを楽しむ」ためにマネジメントの前に必要な能力について整理したいと思います。


プロジェクトに必要な能力はシンプル

プロジェクトに対して「なんだか得体の知れないもの」という感覚がありませんか?実態がないので、こういう感覚を持つのは正しいことです。しかし苦手意識を変え、楽しむためにはこの感覚から離れることが大事です。
この感覚は「自由」という性質からきています。「自由」は捉え方によって良くも悪くもなります。プロジェクトでは、良い捉え方をすると「可能性」、悪い捉え方をすると「不確実性」になります。不確実なものは得体が知れません、得体の知れないものは怖いです。だから、プロジェクトを得体の知れないものと捉えているときは不確実性=リスクに目がいっています。「不確実性リスクの高いもの」から「可能性ポテンシャルが高いもの」という捉え方に変えることが楽しむための第一歩です。
しかし、マインドセットを変えろと言われても簡単に変えられません。その後ろ盾となる理由が欲しいところです。それが「プロジェクトは最低限、これを意識すれば怖くない!」という2つの能力です。

ひとつめの能力「創造性」

プロジェクトのベースになっているひとつめの能力が、創造性です。人間は元々、創造性を持っています。例えば、子どもは遊び方が決まっているおもちゃよりもプリンのカップやただのダンボールが好きだったりしますね。親としては思い切って買ってあげたおもちゃを脇に置いて捨てようとしていたもので遊ばれると「なぜそんなものを…」という気分になりますが「工夫して自分で何かやってみたい」という気持ちは分かります。
「クリエイティブ」と聞くと「とても斬新でセンスがよく、みんなが驚くようなアイデアで、しかもオシャレじゃ無いといけない」というようなイメージになるかもしれませんが「何らかのオリジナルの価値があるものが作り出されること」だと聞くと「これってステキじゃない?」というレベルのものでも良さそうではないでしょうか?このレベルだと大なり小なり、日常生活でもやっているはずです。
プロジェクトも根本にこれが無いとワクワクしません。PMBOKでは、プロジェクトは「独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施される有期的な業務である」と定義されていますが、正にこの「独自」と「創造」というキーワードは創造性を表していると言えます。
創造性を意識することでモヤモヤを打開できるのは「答え」が見えなくなっているときです。行き詰まる原因としてよくあるのが「正解が分からない」という何か決まっているものがあってそれを探す、という考え方に陥っている状況です。「何らかのオリジナルの価値」は捉え方や条件や状況によって変わるので「正解」はありません。「答え」を探すのではなくつくる、つまり「最適解」を見つけるという考え方が必要になります。創造性によって最適解を見つけるというのは、プロジェクトでも「これってステキじゃない?」をつくることです。

ふたつめの能力「知性」

理念なき行動は凶器であり、行動なき理念は無価値である

本田宗一郎

本田宗一郎さんの名言です。創造性を発揮して価値実現するためには行動が不可欠、行動が無ければ無価値であり絵に描いた餅です。しかし行動のためには計画が必要です。凶器になってはいけません。そして行動した結果を計画にフィードバックして軌道修正することも大切ですね。いわゆるPDCAサイクルです。これがプロジェクトに必要なふたつめの能力、知性です。
「計画する」という行為は、断片的な情報やその時点の状況に基づいてまだ起きていない未来を考えることです。これをストレスなくスムーズにできるか?がワクワクできるかを左右します。プロジェクトには必ず品質、コスト、スケジュール…様々な条件があり、これを整理して組み合わせて最適な判断をする必要があります。物事を知り、繋げ、考え、判断する、この能力が知性です。例えば、科学の実験がそうですね。「こうやったら、こうなるんじゃないか?こうなったから、こうなんじゃないか?」という考える能力です。
知性を意識することでモヤモヤを打開できるのは「思考停止」しているときです。思考停止のサインは「イメージできない」というワード。答えが無くて誰もやったことがないのにイメージできないのは当たり前です。何かイメージが下りてくるのではないか?与えてもらえるのではないか?という前提でプロジェクトに関わると、その時点で頭が働かなくなるのと、もらえると思っているものがもらえないのでストレスになります。プロジェクトでは指示を与えられるのではなく、プロセスを組み立てる必要があります。
知性によってプロセスを組み立てるというのは、プロジェクトでも「こうやったら、こうなるんじゃないか?こうなったから、こうなんじゃないか?」を考えることです。

ふたつの能力を発揮する問い

何でもそうですが、理由は分かっていても身に付くまでは時間がかかりますね。このふたつの能力を意識することも思考のクセみたいなものなので自然にできるようになるのが理想です。そこで、クセ付のためにいつも頭に置いておくとよいシンプルな問いをご紹介します。

創造性を発揮する問い → なぜ?何のため?
知性を発揮する問い → そうなると、どうなる?

ビジネススキルに詳しいとお分かりだと思いますが、これは目的思考と仮説思考ですね。世の中には他にも、論理思考(ロジカルシンキング)や批判的思考(クリティカルシンキング)やビジョナリー思考、アート思考、デザイン思考など色んなビジネススキルがありますが、プロジェクトを楽しむためにはまず、目的思考と仮説思考があればよいと思います。なぜなら「不確実性」を「可能性」に変えてくれるからです。
プロジェクトマネジメントのコアにあるのは一般的なビジネススキルと同じです。プロジェクトとかマネジメントとか字面だと小難しく感じますが、結局は頭の使い方の問題なので当たり前ですね。プロジェクトマネジメントのフレームワークやテクニックはプロジェクトに合わせた頭の使い方のフォーマットみたいなものです。もちろんレベルをあげるためには引出しの多さが重要なので基礎的な知識や応用できるテクニックを増やすことは欠かせません。ただ実践では知識やテクニックより以前に頭の使い方やマインドセットを変える方と即効性があります。

まずは「楽しむ」という気持ちから

management studioでは超実践的な価値実現のためのプロジェクトマネジメントをActive Project Managementと呼んでコンテンツ化していますが、ベースには「プロジェクトを楽しみたい、楽しんでほしい。そのために必要な思考のクセと最適なPMテクニックを絞り込んで必要になるマネジメントスキルの解像度を上げたい。」という想いがあります。ダイレクトに効果が見えて、価値実現に貢献できている実感があれば、プロジェクトに限らず仕事が楽しくなりますよね。楽しむことで興味は広がりスキルは上がります。プロジェクトがとっつきにくいなぁと思われているようであれば、創造性と知性を意識して楽しむ気持ちをつくるところから始めてみてはいかがでしょうか。

management studioではプロジェクトマネジメントのスキルアップを通じて、チャレンジする仕事を「モヤモヤ」から「ワクワク」にするサポート(セミナー、コンサルティング、しくみづくり、コンテンツ)をご提供しています。ご興味、がありましたら、ぜひお問い合わせください。

吉見周平
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