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若山牧水と虫歯

虫歯って「百害あって一利なし」だと思っていたけどこの人だけは違った。牧水に虫歯があったからこそ、これらの素晴らしい歌が世に生まれたのだ。牧水ではない私は、毎日の歯磨きを欠かしません(吉野賢一)

若山牧水:酒と旅をこよなく愛した歌人。友人に北原白秋や石川啄木などがいる。歯にまつわる歌を少なくとも三つ読んでます。歯科医療人は牧水を、そしてその歌を知っておくべきでしょう!?

しら玉の 歯にしみとほる 秋の夜の 酒は静かに 飲むべかりけり
私が一番好きな歌。若山牧水記念文学館(後述)に行ったとき、この歌の短冊を買いました。この歌以外はたくさん残っていたけど、この歌の短冊は最後だったので「ラッキー!やっぱり人気があるんだこの歌は、うんうん」とすこぶる嬉しかった。短冊は大学の私の部屋に飾られています。

歯を痛み 泣けば背負いて わが母は 峡の小川に 魚を釣りにき
私が二番目に好きな歌。っていうか、最近まで牧水の歌は二つしか知らなかった、その二番目w 牧水記念館の後、その近くにあった牧水の生家にも行きました。牧水のご母堂様が釣りをされた峡(かい:山と山の間)の小川も見てきましたよ。私には、母は魚釣りで牧水の気を紛らわせたかったのか、軟らかい魚の身を食べさせたかったのか、それとも単に釣り好きだったのかは分かりません。ただ単に釣り好きの私は峡の小川に釣り糸を垂らしたかった~。次行くときは、釣り道具持参します(マジで!)。

われを恨み ののしりはてに 噤みたる 母のくちもとに 一つの歯もなき
牧水の生家の居間に「大正元年、父危篤の知らせに、結婚2カ月の妻 喜志子を東京に残して急ぎ帰郷した牧水。牧水を待っていたのは、『帰ってきて家をみるように』と厳しく迫る母や姉との葛藤の日々であった。この歌には、歳老いた父母の将来を危ぐしながら、一方では文学への想いを断ち切れず、悩み、心いためる牧水の姿がみえるようである。」という説明文とともに、置かれていた四つの歌のうちの一つ。牧水自身の歯ではないけど、彼が歯を重要視していたことが分かりますよね~。虫歯で苦しんだ牧水だからこそ!

若山牧水記念文学館・生家:宮崎県日向市東郷町坪谷にあります。詳細は
https://www.bokusui.jp/museum/
の文学館HPをご覧ください。生家は文学館のすぐ近くです。日向市内から自動車で約30分かかりますが、その道中で自然豊かな景観を楽しむことができます。2022年5月に訪れ、生家を撮影した写真を載せました。生家の右に居るのが我妻で~す。大きく掲載すると怒られるのでこれが精いっぱいw

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歌碑:旅を愛した牧水は、全国各地を訪れています。したがってあちらこちらに歌碑があります。その数は他の歌人を圧倒し、全国で300基を超えて断然トップとも言われています。北九州市には歌碑が二つあり、ともに私の自宅から歩いて行ける距離です。う~ん、牧水とのご縁を感じます~ww 
皆さんの近くにも牧水の歌碑があるかも。探してみましょうね。

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