マナビ研究室

九州歯科大学(北九州)の教授他教員数名で共同運営。教育、研究、臨床の3本柱で「学び」を…

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九州歯科大学(北九州)の教授他教員数名で共同運営。教育、研究、臨床の3本柱で「学び」を素早く、楽しく、深掘り研究。Youtube: https://bit.ly/3dN8rcC, Instagram:https://www.instagram.com/manaken_kdu/

マガジン

  • 日本の教育を考える

    他のクリエイターの皆さんの記事も含めて、教育に関する内容をまとめています。具体的な教育方法の提案、オンライン講義について、教育とは何かといったさまざまな議題について議論します。教育に携わる人たちに役立つマガジンです。

  • 講義グラレコ 九歯大学生さんからの投稿

    九歯大生理学分野教員によるオンライン講義動画を受講した学生さんからの「講義グラレコ」を紹介しています。厳選した数作品のみ紹介していますが、実際は他にも優れたものがいっぱい寄せられています。講義の「まとめ」として、勉強に非常に役立つと思いますので、ダウンロードなどして活用してください。

  • YouTube動画解説:マナビ研究室

    マナビ研究室が公開しているYouTube動画の解説記事を集めています。動画の補足説明や、訂正などをしています。影機材・設備・編集・音楽などの情報も記録しています。

  • 娯楽にみる教養とマナビ

    教養のマナビは人生を豊かにする。味気ない物語も背景を知ると輝きだす。娯楽作品の中にあるマナビについて、他のクリエイターの皆さんの記事も含めてまとめています。今日から使えるちょっとした豆知識も満載。

  • 研究者たちの履歴書

    マナビ研究室メンバーたちの履歴書。子供時代、学生時代、研究者時代。留学体験記や人生譚をまとめています。研究者を目指す人たちに何か役に立つヒントがあるはずです。

最近の記事

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マナビ研究室/総合ページ

 はじめましての方は、こちらをご覧ください。誰がやっているの?何のために?何をしているの?これらすべてをまとめています。ご存じの方は、リンク集として使えます。  マナビ研究室とは、北九州市にある地方大学「九州歯科大学」(公立大学法人:福岡県)の教員数名で任意に行われている「学び普及活動グループ」です。生理学分野教授の小野堅太郎が取りまとめ役をしています。2020年5月から様々なSNS媒体を通じて皆さんにマナビを届ける活動を始め、同年12月に現在の活動方針を固めました。記事は

    • 生成系AIの教育利用についてChatGPTと議論しまくってみた

       仕事を効率化してくれているChatGPT (GPT4)くんとがっつり教育について議論してみたところ、面白かったので公開します。前提として、この議論に入る前までにAIの教育利用ガイドラインの作成をやってもらっています。(小野) 小野:生成系AIを利用した場合、以前のレポート・論文作成の在り方が変わります。具体的にどのような変化が起きているのかを教えてください ChatGPT:生成系AIの進化は、レポートや論文の作成方法に影響を与えています。以下は、その主な変化です: 効

      • 嚥下「講義グラレコ紹介」⑥2023

        歯学科2年生の講義グラレコ紹介です。今回は嚥下について。ヒトは中咽頭領域が長く、構造上、空気と食物が同じ場所を通過します。この構造により常に「誤嚥」の危険性をはらんでいるのです。誤嚥を防ぐためには気道に食物が入らないように防御する必要があり、嚥下時には喉頭挙上、喉頭蓋反転、声門閉鎖、等の運動がおこります。ただ「摂食・嚥下の5期」を丸暗記するだけではなく、それぞれの時期にどのような運動が起こって、それがどのような意義を持つのかを押さえることが重要です。 早速学生さんのグラレコを

        • 体液Ⅱ腎臓「講義グラレコ紹介」⑤2023

          第5回目の講義は体液です。ヒトの体液は(ヒト以外でも)、体液量、浸透圧、pHが一定に保たれています(ホメオスタシス)。体液量や浸透圧調節で重要な役割を担っているのが腎臓です。どのような仕組みがあるのか、さっそく学生さんのグラレコを見てみましょう! (小野、中富、徐) 近位尿細管~ヘンレループ~遠位尿細管…と、各部位での働きをまとめています。きれいですね! 浸透圧調節系、体液量調節系をポイントを押さえてまとめています。畜尿、排尿反射も覚えておきましょう。🐫 全ての内容を網

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        記事

          筋収縮と体液Ⅰ「講義グラレコ紹介」④2023

          第4回目の講義は筋収縮です。第3回目までの講義では、興奮性細胞の代表である神経細胞と、神経細胞における興奮伝導についての話でした。今回は、もう一つの代表的な興奮性細胞である「筋細胞」についての話です。筋細胞にはどのような種類があるのか、また、上位脳から運動ニューロンへ伝えられた活動電位が、その後どのように筋細胞へ伝達し、筋の収縮が生じるのか、仕組みを詳しく見てみましょう。 講義カリキュラムの都合上、体液に関わる内容も一部含まれています! (小野、中富、徐) 骨格筋での興奮収

          筋収縮と体液Ⅰ「講義グラレコ紹介」④2023

          興奮伝導「講義グラレコ紹介」③2023

          第3回目の講義は興奮伝導です。私たちは、指先で何か熱いものを触った瞬間、「熱い!」と一瞬で感じることができます。これは、神経線維が電気ケーブルのように働いて、末梢(指先)で得た刺激を中枢(脳)へ高速で伝えるからです。神経線維の中には、およそ秒速100mの速さで情報を伝えることができます(時速360km)!速い!!ちなみに新幹線は時速280~300kmです🚅どうして神経線維はこのような速さで情報を伝えられるのでしょうか?さっそく学生さんのグラレコを見てみましょう。 (小野、中富

          興奮伝導「講義グラレコ紹介」③2023

          膜電位・活動電位 「講義グラレコ紹介」②2023

           本年度第2回目の講義は膜電位と活動電位です。ニューロン(神経細胞)が伝える情報は”電気信号”です。でも、金属のように内部で電子が動いているわけではありません。ではどうやってニューロンは電気信号を伝えているのかというと、その秘密は“細胞内外のイオン濃度差”にあります。 さっそく学生さんのグラレコを見てみましょう。 (小野、中富、徐) 細胞膜の内外でのイオンの拡散のしくみから、活動電位の発生、そして医療への応用まで1枚にきれいにまとめられていて素晴らしい! 各内容ごとにポイ

          膜電位・活動電位 「講義グラレコ紹介」②2023

          生理学総論・膜輸送「講義グラレコ紹介」①2023

           2023年度、新学期が始まりました。九州歯科大学歯学科では本年度から1年生の前期から生理学を教えることになりました。口腔保健学科は以前からそうだったので、それに合わせた対応になります。今回は生理学総論と膜輸送の話です。新入生たちのフレッシュな「講義グラレコ」を紹介します。(小野、中富、徐)  生理学総論の導入部分をきれいな絵でまとめられています。字も読みやすく、色で分けられていて非常に読みやすいです。撮影時の影が映っているのが残念ですが、初提出作品にしてはかなりの出来です

          生理学総論・膜輸送「講義グラレコ紹介」①2023

          体温調節の仕組み:講義グラレコ紹介 歯学科 2022

          今回は”体温の調節機構”について紹介されていました。恒温動物の中に、クマやコウモリ、ハムスターなどは冬眠があります。たとえばコウモリの体温は約37℃ですが、冬眠しているときには7.5℃まで下がります。一方、冬眠中のクマは体温が下がらず、音などの刺激で目覚めることがあります。冬眠ができるメカニズムは不明なところが多いです。近藤宣昭先生によると、心筋細胞に存在する特殊な仕組みと冬眠に深く関与する特殊なたんぱく質(HP: hibernation-specific prote

          体温調節の仕組み:講義グラレコ紹介 歯学科 2022

          脳の仕組み:講義グラレコ紹介 歯学科 脳と行動 2022

          今回は”脳の誕生”について簡単に紹介します。脳が誕生したのは約5億年前のカンブリア紀です。この紀元に誕生した刺胞動物は体全身に分布した散在神経系を獲得したが、さらに進化した生物は神経が集まった『集中神経系』を獲得しました。この集中神経系は『脳』の雛形となります。それから、脳の進化が始まりました。   それでは、今回の優秀グラレコ作品を紹介していきます。(徐嘉鍵)  本講義の要点を各セクションでまとめてくれています。一目瞭然。🌸  チューチューくんが登場!うまく講義の

          脳の仕組み:講義グラレコ紹介 歯学科 脳と行動 2022

          運動の仕組み:講義グラレコ紹介 歯学科 運動機能Ⅱ 2022

           今回は小脳のプルキンエ細胞を発見したヤン・エヴァンゲリスタ・プルキニェについて簡単に紹介します。彼はチェコ出身の解剖と生理学者であり、数多く業績を残してました。細胞説の成り立つにも大きく関わっていました。組織を観察するため、切片を作る機械であるミクロトームを最初に使用しました。それから、1833年に汗腺、1837年に小脳のプルキンエ細胞、1839年に心臓に存在するプルキニェ線維を発見しました。(徐嘉鍵)  それでは、皆様から書いてもらった講義グラレコを紹介します。  下

          運動の仕組み:講義グラレコ紹介 歯学科 運動機能Ⅱ 2022

          反射の仕組み:講義グラレコ紹介 歯学科 運動機能Ⅰ 2022

           今回は腱の感覚受容器を発見したカミッロ・ゴルジ(Camillo Golgi)を簡単に紹介します。彼はイタリアの精神病院に勤務している際に、銀を使うことで神経の軸索、樹状突起を黒く染色することが成功した。この染色法は、後にゴルジ染色と呼ぶことになった。この発見に加えて、彼は腱の感覚器を発見した。これもゴルジ腱器官と呼ばれている。さらに、彼は優れた染色技術を駆使し、1898年に細胞内小器官であるゴルジ体(ゴルジ装置)を発見した。1906年に神経系構造の解明に関する業績が評価され

          反射の仕組み:講義グラレコ紹介 歯学科 運動機能Ⅰ 2022

          なぜお腹がいっぱいと感じる?:講義グラレコ紹介 歯学科 自律神経機能Ⅱ 2022

           今回、レプチンを発見した歴史について紹介します。1951年、イギリス科学者であるKennedyは体脂肪量を一定に維持することによって、摂食行動を調節する「脂肪定常節(Lipostatic theory)」が提唱されました。同時期にアメリカのジャクソン研究所はob/ob マウスという肥満モデルマウスを発見しました。さらに、1994年にロックフェラー大学のFriedmanらはその肥満の原因となった遺伝子を同定できました。その遺伝子変異による産生できないタンパク質を調べたところ、

          なぜお腹がいっぱいと感じる?:講義グラレコ紹介 歯学科 自律神経機能Ⅱ 2022

          自律神経の働き:講義グラレコ紹介 歯学科 自律神経機能Ⅰ 2022

           自律神経系について、ポリヴェーガル理論が新しい考え方として注目されています。この理論は、米国のステファン・ポージェス博士が1994年に提唱しました。自律神経を①不動化(Immobilization)、②可動化(Mobilization)、③社会的交流(Social communication/engagement)から分類しています。不動化は、系統発生的に最も古くから脊椎動物全てに存在しています。可動化は、古い硬骨魚から認められている「交感神経」の働きが中心となります。社会

          自律神経の働き:講義グラレコ紹介 歯学科 自律神経機能Ⅰ 2022

          筋肉はどうやって収縮するの:講義グラレコ紹介 歯学科 筋収縮 2022

           今回はトロポニンを発見した歴史について簡単に紹介します。江橋節郎先生は、筋肉の収縮弛緩にカルシウムが関係するのではないかと予想していました。しかし、思い通りに結果が得られませんでした。そのため、筋収縮の研究を一旦諦めて、アメリカのロックフェラー研究所へ留学しました。そして、1959年2月の真夜中、江橋先生は今までうまくいかなかった原因は溶液に含まれているマグネシウムのせいだと思いつきました。そこを着目して、計算し直したところ、狙った通りの数値を示すことができました。その後、

          筋肉はどうやって収縮するの:講義グラレコ紹介 歯学科 筋収縮 2022

          神経線維の間に、どうやって伝わるの:講義グラレコ紹介 歯学科 シナプス伝達 2022

           今回は、神経伝達物質の一つであるアセチルコリンについて簡単に紹介します。最初に発見したのはイギリス出身の薬理学者であるHenry H. Daleでした。さらに、ドイツ出身のOtto Loewiは、迷走神経を刺激中に採取した心灌流液で別のカエルの心収縮が抑制されることを明らかにしました。この実験結果により、アセチルコリンが神経伝達物質であることを証明しました。これらの業績によって、DaleとLoewiは1936年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。  それでは、優秀グラレ

          神経線維の間に、どうやって伝わるの:講義グラレコ紹介 歯学科 シナプス伝達 2022