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きっかけは何かわからない⑥

手術が終わってからは、ただひたすらに時間が経つのを待つだけだった。
長い。。

酸素マスクも外してOKになり、尿管はできれば入れたくないと初めに言ったらまぁ手の指だし、自分でトイレに行けるだろうとの判断で入ってなかった。

ナースコールでトイレに付き添ってもらう。
初めて車椅子に乗った。

眠ろうとしても眠れない時間と共に不安感が押し寄せてくる。
このままここにいたらパニック発作が起きそうで、ソワソワ感がずっとあった。

とにかくあの音は絶えず聞こえてくるから、イヤホンでYouTubeのお笑いを流して、ひどい時はさらに耳を塞いで聞こえないようにしてた。

てか、他の同室の人は寝れているのだろうか?
私だけおかしいのか?

もう早くかえりたい。
一刻も早く帰りたい。
ただそれだけで時間が過ぎるのを待っているだけだった。。

朝を迎える頃、左腕の麻酔が切れてきて痛みがヤバくなってきた。
痛みに強い私でも早く痛み止めを貰いたかったが、朝食後からだった為我慢するしかなかった。

朝ごはん。
食べれるはずもなく、というか喉を通らない。
何かを一口無理やり入れて、終わらせた。

痛み止めを飲んで寝たいところだが、眠れない。

昼ごはんも全く食べれず、さらに不安が増す。
同室の人は同じ手術後なのに食べれてるし、何なら私の寝れない原因の患者さんですら完食している。
なぜ私は食べれない。。

とにかく不安感が増すばかりで、発作が起きそうだったからさすがにナースコールで、話してはみたものの、あまりわかってもらえず、、。

メンタルケアの支援受ける?
と意外な言葉に、一瞬ためらったがお願いした。

だが明日にならないと来ないらしい。

そんな矢先に主治医の先生が来て、手術内容の話をして傷口も小さいし、大丈夫そうだから明日退院でいいよーと!

緊張状態から一気に脱力した感覚だった。

明日帰れる。

安堵と嬉しさでこれで解放されると思ったが、もうすでに私の自律神経はぶっ壊れていたのだ。

そう簡単に戻れるはずはなく、
長い道のりになるのだった。

続く。

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