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男性器の機種変更6 少年から少女へ ミクの場合 【第3章】女の子のまま帰宅

次の日の朝、僕はいつものように一人で登校する。
歩きながら昨日のことを思い出していた。
あんなことになっちゃったけど、あれはその場の勢いだよね?
一日経ったらみんな冷静になってて、きっと何ごともなかったようになってるよ。
うん、そうに違いない!

そんなことを考えていると、いきなり後ろから声をかけられた。
「ミク、おはよ〜!今日からよろしくね、楽しみ〜」
振り向くと同じクラスの女子からだった。

その後も何人かの女子が、声を掛けてくる。
今まで誰も声なんか掛けて来なかったのに、どうしたんだろう?
そんな思いで歩いていた。

学校に着いて教室に入ると、また女子が僕に声を掛けてくる。
みんなから笑顔で声をかけられると、嫌な気持ちはしない。
それどころかこちらも笑顔で返してしまう。
すると一人の女子が、こう言った。

「ところで今日のスカートはどれにする?」
そう言って昨日男子が履いていたスカートを並べたのだ。
「あーこれなんか可愛いね!」
「これも良い!」
そんなこと言いながら、勝手に盛り上がっている。

「決めた、ミク今日はこれ着て!」
そう言って一人の女子が、薄いピンクのワンピースを僕に手渡した。
よく見ると、サンリオの某キャラクターがプリントされている。
「えっほんとに着るの?昨日は冗談じゃなかったの?」
「ううん、そんなことないわ。先生もOKしてくれたんだし。じゃあちょっと着替えてきて!」

僕はそのプレッシャーに負け、そのワンピースを持って更衣室に向かい、着替えてしまった。
このワンピースは頭から被って着るタイプで、ファスナーもホックもない。
だから簡単に着ることができた。
そして着てきた服をロッカーに片付け、教室に戻って席に付く。
すると先程の女子達が来て、僕の髪型を女の子らしく整えた。

「これで良し!ほんと可愛い、やっぱりミクは女子の方が似合ってるよ!」
その後教室に先生が入って来たが、僕の姿を見ても何も言わない。
どうやら本当に公認されてしまったらしい。
こうして僕は、この日も一日女装して過ごすことになった。

その翌日からも、僕は学校へ行くと毎朝女の子の服に着替えさせられる。
最初の3日くらいは男子から冷やかされたりしたけれど、一週間も経つとザワザワは無くなり、完全に僕の扱いは女子となってしまった感じだ。

そんな感じで毎日を過ごしていると、僕はあることに気がつく。
それは男の子の僕は一人ぼっちだけど、女の子の僕にはたくさんの女友達ができたってこと。
休み時間とか給食の時とか、いろいろお話ができて、本当に楽しい。

こうなると、毎日が楽しくて仕方がない。
女の子でいるのも別に良いかな。
そんな思いがどんどん強くなり、気づけば僕は学校に着いたら自から進んで女の子になっていた。

そんなある日、いつものように女子トークをしていると、ある女子がこんなことを言った。
「今ミクって朝来たら女の子に着替えて、帰る時にまた男の子に戻るでしょ?それって面倒じゃない?だったら女の子のままで登校しちゃえば良いのに。」
「言われて見ればそうだよね、どうせ着替えるんだから、この格好で登校しなよ。そしたら行きも帰りも一緒に帰れるし。」

言われてみれば、僕は登下校の時は、相変わらず一人ぼっち。
うちの学校は男子同士・女子同士で帰る慣習があるので、友だちになった女子達は男の姿で登下校する僕とは一緒に帰ってくれない。
でも女の子のままなら一緒に帰ってくれるの?
だったら女の子のままで通いたい!

そう思ったけれど、やはりそういう訳には行かない。
「これで家から来るのは流石に無理だよ。」
「何で?」
「だってお母さんにバレちゃうし。」
「学校で女の子になってること、まだお母さんに言ってなかったの?」
「うん、言えるわけ無いし。」

「言ったら案外応援してくれるかもよ?こんな可愛いんだから。」
「そうかなぁ?でもやっぱ言えない!」
「そう?残念。」
残念でも仕方ない。
やっぱり、お母さんに言うのは無理だ。
はぁ、でもみんなと一緒に楽しく帰りたいなぁ。

そんな感じで毎日を過ごしていたけれど、ある日ちょっとした事件が起きた。
その日は朝から曇っていたけれど、僕は傘を忘れて家を出てしまう。
学校まであと半分くらいの時、突然雨が降り出した。

僕は屋根のある所でしばらく雨宿りしてたけど、一向に止む気配がない。
それどころか、雨はどんどん強くなってくる。
どうしよう、遅刻しちゃう。

焦った僕は、走り出した。
おかげで学校に着く頃には、全身ずぶ濡れ。
まぁどちらにしても着替えるから別にいいやと思い、僕はいつものように女の子に着替えて教室へ入った。

そしてその日も何ごともなく一日が終わり、下校の時間となった。
僕は元に着替えなきゃと思って、着てきた服を取りに行く。
いつもはロッカーにしまうけど、この日はずぶ濡れだったので、体育館の軒下に干して乾かしていた。

しかし取りに行ってみると、びっくり!
服が全然乾いていない。
それどころか、ビショビショのままだった。

昼休みに様子を見に来た時は、乾きかけてたのに。
どうやら午後からまた雨が強くなったので、軒下にまで吹き込んだらしい。
おかげでせっかく乾きかけていた服が、またビショビショになったみたい。

どうしよう、これじゃあ帰れない。
僕が肩を落として教室に戻ると、教室にはまだ2人の女子が残っていた。
すると凹んだ僕を見て、一人が声をかけてきた。

「ミクどうしたの?」
「うん、実は帰る服が無くて。」
そう言うと、僕は事の経緯を彼女たちに説明した。

するともう一人の女子が、
「その服のままで帰ればいいじゃん?」
と言って来る。

「そうだね、そのままで良いじゃん、そしたら女の子同士で一緒に帰ろうよ!」
え、一緒に帰ってくれるの?
嬉しい!
僕はそう思ったけど、やっぱりそういう訳にも行かない。

「私も一緒に帰りたいけど、やっぱりスカートのまま家に帰れないし。」
「何で?」
「今日はお母さんいるから、見られちゃう。」
「だったら私達が一緒にミクの家まで行って、お母さんに事情を説明してあげるわ!それだったら良いでしょ?」
「そうだね、私達から説明したら、お母さんもわかってくれるはず。」

なるほど、確かにそれはある。
どっちにしても元の服では帰れないし。
「うん、じゃあよろしくお願いします。」
「OK、じゃあ帰ろうか、ミク!」
こうして僕は手を引っ張られ、三人で下校した。

誰かと一緒に帰れるだなんて、本当に僕は嬉しかった。
思っていた通り、すごく楽しい。
友達と一緒に帰るのって、何て素晴らしいの?
はぁ、毎日彼女達と一緒に帰りたいなぁ。

そんなことを考えていたら、いつの間にか僕の家の玄関前だ。
「今日はありがとう、じゃあ上がって!」
そう言って僕は、彼女達を家に招き入れる。

既にお母さんには友達二人を連れて帰ると言うことは連絡していたので、お母さんもお菓子を用意して待っていてくれた。
早くお母さんにこの格好の理由を説明してもらわなきゃ。
そう思いながら、僕は深呼吸をして玄関を開けた。


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