男性器の機種変更6 少年から少女へ ミクの場合 【第9章】セーラー服を着ることになって
二学期が始まり、私はまた男の子の生活に戻った。
でも心は何だかウキウキしている。
格好は男の子だけど、今の私の股間には何もない。
股間に邪魔な物がないことが、こんなに素晴らしいことだなんて、改めて思い知る。
そんな感じで浮かれていたが、学校ではいい事ばかりではない。
やっぱりトイレに困ってしまう。
どうしても座ってしかできないので、毎回個室に入らなければならない。
たまになら良いけれど、毎回毎回個室となると、同級生が不信に思い始めるのも時間の問題だ。
だから学校中のトイレを点々として、みんなの気を逸している。
そんなある日曜日、私はまた女の子になって、親友二人と遊んでた。
「夏休みのキャンプ、楽しかったよね〜」
「うん、ほんと楽しかった!」
「三人の思い出になったね。」
そんな会話をしていると、一人が言った。
「ところでミクは、あそこを元に戻したんだよね?」
「それがね、戻すのに50万かかるんだって。お母さんに相談したら自分で貯めたお金で戻しなさいって言われたの。」
「しゃあまだ戻してないの?」
「うん。」
「そうなんだ、それってミク的にはどうなの?」
「私的にはいらないから、全然問題ないよ。」
「でも学校ではもう男の子だから、困るんじゃない?」
「うん、トイレが困っちゃう。」
「そうだよね、だったら女子トイレ使えばよいのに。」
「学生服で女子トイレは入れないよ。」
「じゃあセーラー服にすれば?」
「そんなことできるのかな?」
「うちの中学ってさ、みんな同じ小学校出身でしょ?だから中学生になって男になったミクを見て、みんな違和感あるよねって言ってるの。」
言われてみれば入学式の日に、学生服を着た僕を見て、みんな吹き出していた。
「似合わね〜〜〜」
なんて言われたりしたけど、それはそういう理由だったんだ。
「みんなの中ではミクは女の子だから、セーラー服の方が自然だよ?」
「だけど学校が許可してくれるかな?」
「おちんちん無いんだから、大丈夫じゃない?とにかく頼んでみなよ!」
そう言ってくれるのは嬉しいけれど、うちの中学は制服に関してはとても厳しい。
体育の授業以外は必ず制服でいなければならないし、登下校も制服着用が義務。
そして制服を変な形に加工なんかしたら、先生から一時間くらいお説教されるのだ。
それだけ厳しいのに、制服を変えたいだなんて言ったら、どれほど怒られるかわからない。
だから私はそんなこと言い出せず、月日だけが経過した。
そんなある日のこと、体育が終わって更衣室に戻って着替えようとしたところ、私の学生服が無くなっていた。
周りを見渡して探してみるが、どこにもない。
それでも心当たりはある。
男子の誰かが隠したのだ。
私は中学生になってから、時々嫌がらせを受けていた。
小学生までずっと女子として過ごしていた私なのに、中学になったら突然男子の中での生活。
戸惑ったのは私だけではなく、周りもそうだったみたい。
周りの男子は私にどう接したら良いかわからず、時々下らないいたずらや嫌がらせをしてくる。
普段は筆記用具を隠されたりする程度だが、そんな時は周りの女子が貸してくれたりする。
だから今日も面白がって、誰かが私の学生服を隠したのだろう。
いつものことなのでそれは構わないが、一つ困ったことがあった。
この後の授業を、どうしようかということである。
既出のように、うちの学校では必ず制服で授業を受けなければならない。
悩んでいても仕方ないのでジャージのまま教室へ行くと、私を見た親友の一人が寄ってきた。
「ミクどうしたの?学生服着たくないのはわかるけど、ジャージだったら怒られちゃうよ!」
「それが、制服無くなっちゃって。」
「また誰かが隠したの?」
「そうみたい。」
「全く男子って本当に最低だよね。」
そんな会話をしていたらチャイムが鳴って、先生が入って来た。
先生は私をみると、早速注意をする。
「ヨシヒサ何だその格好は?制服はどうした?」
「それが無くなっちゃって・・・」
「探したのか?」
「はい、探しました。」
「困ったな、校則で授業は制服で受けるってのは知ってるだろ?誰か予備の制服持ってないか?」
その問いに対し、親友が手を上げた。
「先生、演劇部の部室に行けば、衣装で使う制服があります。」
「確かにそうだな。演劇部の顧問は私だから今回は特別に許可するので、今すぐ部室に行って着替えてきなさい。」
「わかりました。演劇部の部室ってどこですか?」
「えーっと、口で説明するのは難しいから、誰か一緒に行って案内してあげて。」
「先生、私が一緒に行きます。」
そう言ってもう一人の親友が手を上げた。
そう言われてみれば、彼女は演劇部だった。
ありがとう、やっぱり持つべきものは親友ね。
こうして私は彼女に連れられて、演劇部の部室へ急いだ。
部室に着くと、彼女がダイヤル式の鍵を開けてくれて、中に入る。
そして部室の奥には、たくさんの衣装があった。
その殆どがコスプレ衣装のような感じで、とても日常的な服ではない。
その中に、学校の制服が何着かあるのが見えた。
しかし見えるのはセーラー服ばかりで、学生服が見当たらない。
「おかしいなぁ、確か何着かあったのに。あ、思い出した、昨日何着か衣装をクリーニングに出したから、学生服は全部持って行かれちゃったかも。」
「え、じゃあどうするの?」
「これでいいんじゃない?」
そう言ってミカが取り出したのは、セーラー服だった。
「セーラー服を着るってこと?大丈夫かな?」
「校則では制服着用ってだけだから、セーラー服だって制服ですって言えば大丈夫だよ。緊急事態だし。」
「そうかな・・・」
「ほらあまり遅いと怒られちゃうよ、早く早く!」
急かされてしまったので、僕は急いでセーラー服に着替えた。
そのまま教室に入り、席に座る。
周りのみんなは私を見ると、歓声を上げた。
「ほら静かに!ヨシヒサどうしたんだそれ?」
すると親友が僕を遮り、発言をした。
「先生、学生服はクリーニングに出しちゃったみたいで一着もなかったんです。だからセーラー服にしました。セーラー服も制服だから、問題ないですよね?」
「まぁそうだな、まぁ応急措置だから良いだろう。」
「ミク良かったね!」
「うん。」
とりあえず難を逃れた僕は、そのまま授業を受けた。
その後も学生服が見つからなかったので、私はずっとセーラー服でいた。
そのまま放課後になってホームルームになったが、先生が私に尋ねる。
「ヨシヒサ、制服は見つかったのか?」
「見つからないんです。」
「困ったなぁ。」
そんな時、また親友が手を上げた。
「先生、制服が見つかるまでこのままってのはどうですか?」
「まぁ仕方ないか、ヨシヒサは良いのか?」
「はい、仕方ないです。」
「それではとりあえず一週間猶予をやるので、それまでに見つけること。見つからなかったらまたどうするか考えよう。」
そのような結論となり、ホームルームが終わった。
「良かったねミク、一週間だけだけどまた女の子だよ!」
「そうだね、ありがとう。」
「じゃあ一緒に帰ろう!」
私達3人は久しぶりに一緒に帰ったけど、本当に楽しかった。
前みたいにワイワイガヤガヤおしゃべりをして、時には大笑いする。
彼女と別れた後私は、余韻を楽しみながら帰宅した。
帰宅するとお母さんが私を見て、質問した。
「どうしたのその格好?」
「実は制服を隠されちゃって・・・」
僕は学校で起きたことを説明し、お母さんに納得してもらった。
「仕方ないわねぇ。」
私は部屋に入って着替えようとしたが、もう少しこのままでいたいと思って着替えるのをやめた。
そして夕飯の時間までセーラー服を楽しんで、この日は終わった。
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