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まな板胸、乳がん検査を受ける

健康診断で、毎回うやむやにして避けていた検査がある。それは、乳がん検査だ。なぜなら、私の胸はまな板のように、まったいらだからだ。

もし、私の頭がフクロウのように180度回転したとしても、周りの人は違和感なく挨拶してくれると思う。背中も胸も、大差ない。

小さいときから、ずっとコンプレックスに感じていた。学生時代、プールの時間は、本当に苦痛だった。自分に自信が持てなかったのも、胸のせいだと思う。

母のなぐさめの言葉も、まったく胸に響かなかった。(響く胸もないですしね)「肩がこらなくていい」「走りやすくていい」とか。そんな大きな夢をもっていたのではない、ただAAカップが埋まるくらいのブツがあれば、、と、思っていただけなんだ。くすん。

そんな私にとって、乳がん検査は恐怖でしかなかった。触診での検査は、まだいい。しかし、明るく照らされた検査室で、初めましての人に向かって胸をさらし、2枚の板で胸を挟んで写真を撮る乳がん検査は、絶対に嫌だった。だって、私の胸のどこを挟むというのだ?検査技師たちが寄ってたかって、ない胸を引っ張って、板に挟もうとする図を想像するだけで、冷や汗が出た。なので、できる限り避けてきた。

ところが、私の親しい友人が、乳がんになった。彼女の子供は、私の子と同い年だ。幸い、発見が早く大事には至らなかったが、死はこちらの都合など関係なく訪れるものだと、再認識させられた。

これはもう、コンプレックスだとか言ってる場合ではない。検査は親としての義務だと思い、乳がん検査を受ける決意をした。


検査当日。小さな個室で上半身裸になり、パープルの検査ガウンを身にまとい、検査室に入室した。

そこには、年配の女性技師が一人。できる限り、明るくあいさつを交わし、すぐに謝った。

「ごめんなさい。きっと、すごくチャレンジングな仕事になると思うわ。申し訳ないです。すんませんです。。」

胸が挟めないと、舌打ちをされる前に先手必勝とばかりに、謝っときたかったのだ。実際は、そんな舌打ちをするような人はいないと思うのだが、私のまな板胸への劣等感が、どうしても私を卑屈にさせるのだ。

女性技師は、さすがプロ。
「大丈夫。この道15年の私に挟めないものはないわ!、、、、、あ、一回あった。でも、それも何とかしたわ!Flat chest ノープロブレム!!」

大変心強い。
しかし、その一回とは?興味津々できくと、

「胸がへこんだ男性だったのよ。あれは大変だったわ~。確か、定規を使って胸を板の下に固定したような、、。もう忘れたわ!」

なんか、なごんだ。

宣言通り、ささっと胸をというか、脇腹肉を寄せて、引っ張って、ぎゅーっと板に挟んで、息を止めて写真を撮って、無事終了となった。

さすが、プロ。なんで今まで、あきらめてたんだろうってくらいに、ささっと検査は終わった。

さらに後日、、


検査結果が、病院のアプリに届いた。

「要 再検査」

疑わしい形の脂肪の塊が確認できました。癌かどうか確認するために、生体検査をしてください。

というお達しだった。。。生体検査?!あれで終わりと思った乳がん検査。
またすぐ、あの胸はさみ機と相まみえることとなりました。

結果から言うと、幸い癌ではありませんでした。でも、初めて受けた生体検査。今から思うと貴重な経験だったので、またシェアさせていただけたらとおもいます。


まな板胸の皆様、乳がん検査嫌ですよね。でも、大丈夫です。検査技師さんは、プロです。不可能を可能にしてくれます。なので、安心して定期健診を受けましょう💕

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