見出し画像

はじめて職業「サポーター」になった日[番外編7-3]

前回の続きになります。
前回はコチラ↓

バタバタ続きの2017ACL決勝、サウジリヤドまでの道のり。
準備段階でかなり振り回されたものの、ようやく出発の日を迎える。

2017年11月17日
金曜夜の羽田空港。 
エミレーツ航空のチェックインカウンターには赤い列が出来ていた。

カウンターの裏には預け入れられたLフラの山が

チェックインを済ませ、航空券と封筒を受け取る。

封筒の中には調神社の絵馬守りと記念バッヂ

御守りはクラブからだそうだ。
毎年チームが必勝祈願をする調神社の御守り。
余談だが自身の結婚式を挙げたのも調神社だ(偶然にもレディースチームの必勝祈願と同じ日で、サインボールが奉納されていた中での挙式だった)。

ラウンジで一服
羽田の案内板に「リヤド」の文字!
現地の天気・気温も確認
「浦和レッズサポーターの皆様お待たせいたしました」の
アナウンスで搭乗開始
これぞチャーター便
食事のメニュー表にもエンブレムが!

羽田22:00発、リヤド4:55着(時差△6時間)。
12時間55分のロングフライトだ。

搭乗後、機長からの粋なアナウンスで機内が拍手に包まれる。

離陸後は映画をいくつか見て夜更かしをし、6時間の時差を少しでも埋めるべく調整した。
機内Wi-Fiも使用できたのでインターネットで日本のサポーターたちのSNSの書き込みを見たりした。
わざわざフライトレーダーでチャーター機を追ってくれている人。「頼んだぞ!」と鼓舞してくれる人もいた。
薄暗い機内で思わずぐっときた。

夕食
朝食
このフライトマップは貴重!

11月18日早朝

キング・ハーリド国際空港到着。 

事前情報によると入国審査に時間がかかるケースが多く、数時間かかることもザラにあるとのことだった。 

ここで驚くべきことが。本来必ず必要な入国カードへの記入が免除になったのだ。
しかも審査の列は思いのほかスムーズに進む。

中東特有のやる気の無さそうな入国審査官からは特に質問されることも無く、あっさりと入国出来てしまった。

ここでようやく標題の件を。
今回、サウジに入国するにあたって発給されたビザの種類は「就労ビザ」だ。
2017年、日本人への「観光ビザ」が存在していないので当然といえば当然なのだが…

発給されたビザ
Google翻訳してみると…


右上の職業欄。
Google翻訳にかけてみると「職業:チアリーダー」と。
事前にそのように申請したことは当然ながら無い。

職業「サポーター」として胸を張ってサウジアラビア入国を果たしたのだ。

後日わかったことだが、サウジ入国に関して外務省がかなり動いてくれたようだ。国をも動かした浦和が誇らしい。
世界一入国が難しい国(当時)に、これほどの日本人が一度に入国したのは間違いなく初めてであろう。

早朝の空港が赤く賑わう

無事入国をした一行は、バスに分乗しホテルへと向かう。

いかにも中東らしい景色が広がる
世界の何処にでもある印象のホリデイ・イン
地味に嬉しいやつ
ゆっくり宿泊したいくらい綺麗な部屋

今回弾丸ではあるものの、ホテルが用意され部屋が使えることはかなり助かった。シャワーを浴びられるだけで生き返ることが出来る。

今後のスケジュールを確認

朝食後、スタジアムへの出発の集合時間15:30まではフリータイム。
まずは飯だ。

豆料理が比較的多い
美味いかと言われれば「普通」

部屋に戻り荷物の整理を簡単に済ませ、一度シャワーを浴びてリセット。

さて、出掛けよう。
試合以外もしっかりと楽しむのが自分流だ(若い頃は試合しか見えてなかったけどね)。

出掛けるとは言え、観光で賑わっている街でもないので行くところはそれほどに多くない。

朝8時過ぎ、ホテルを出る。
いい天気だ。

交通量は土曜日だからか朝なのにさほど多くない

サウジはUberが利用できる。
アプリを使ってサクッと行き先を入れるとすぐに車が来た。
行き先は「マスマク城塞」。歴史博物館にもなっていて比較的近い場所でもあるのでここへ。

ここでアウェイの洗礼。

目的地に到着し、車を降りようとすると金を要求される。
いやいやいや…
Uberは乗車料金の支払いまでアプリ内で完結する。
つまり2重に金を要求してきたのだ。
日本人もナメられたものだ。いや、ナメられてるのは自分だ…
少しの押し問答をしていると、決済完了の通知がきた。
その画面を見せるなり運転手もトーンダウン。
事なきを得た。
サウジで問題が起きてもおそらく誰も助けてはくれないだろうという思いがあったので、ひとまずほっとした。
金額的にはたいした額では無いけれど、倍も払えば頭にくる。

大きなサウジ国旗がお出迎え

一応観光地?なのかもしれないが、見かけるのは浦和人のみ(笑)

「キングダムセンター」
リヤドのシンボル的存在
デーツの名店「Bateel」で土産購入
快く撮影に応じてくれた
「アルファイサリアセンター」の展望台へ
キングダムセンターを臨むこの景色が見たくてここに上った
この球体内はレストランになっていて回転するらしい

快晴すぎて少し歩けば暑い暑い。
気温はそこまで高くもなく湿度も無いが、日本の暑さとは少し違う。ジリジリと肌が痛くなってくる。紫外線が強すぎる。
まだ時間には少しだけ余裕があったものの、ショッピングモール(とはいえ人はガラガラ)のスタバでサウジ仕様のマグカップを購入し(リヤド仕様は残念ながら売り切れ…)ホテルへと戻る。
途中歩いているとヒラルサポに絡まれた。予想スコアを聞かれ、そこは無難に1-1と答えておいた。

少し遅めの昼食

部屋で一度クールダウンをし、ここからは試合モードに切り替え。

15:30 決戦の地へ出発。
フリーの時間に観光をした人、部屋で休んで英気を養った人、様々だ。

スタジアムが見えて気分も高まる

ほどなくしてスタジアム到着。

お洒落な外観

スタンドに入り、まず驚かされる。

最高の舞台(パノラマモードが活躍)

キックオフは19:15。まだ2時間以上あるのにすでにぎっしりの観客席。
360度どこを見回してもヒラルサポ。しかも全員男性(当時女性の観戦はNG)。圧がすごい。そしてちょいちょいこちらを煽ってくる。
でもこの雰囲気が最高。
どこのスタジアムに行ってもそれなりの人で埋めてしまう浦和サポーター。この感覚を味わえることはそうそうにない。雰囲気だけは日本にいる人に伝わらない…これだけが残念。
59,000人vs240人
こんな完全アウェイの状況で燃えないわけがない。

19:15キックオフ

大量のLフラを使ってサポート

とにかく声を出して跳ねた。
いつもの何倍も。
この場に来られなかった人の思いもサウジに持ってきたから。
そして1週間後の埼スタホームに繋げるために。

1-1

負けずに日本に帰る。これがACLを獲るための浦和の必勝パターン。
スーパーセーブ連発でゴールを守ってくれた西川選手が目立っていたけれど、これは全員で戦って得た結果。防戦一方の内容を思えば、アウェイゴールも取ることができたし上出来だろう。

胸を張って日本に帰ることができる。

激闘のあとのスタジアム

帰りのバスの車内はみんな変なアドレナリン出っぱなしだった(笑)

夕食

ホテルに戻って夕食。この時点で23時に近い。
羽田を発ってからどれほど経っただろうか…
機内で寝た以外はずっと活動をしていた。試合が終わり、緊張が切れたことで疲れがどっと出てくる。
部屋に戻って朝までゆっくり休みたいところだが、実際のところそんな時間はなく明日の出発は3:30だ…

11月19日

2時間くらいは眠れただろうか。
眠い目を擦りながら、朝ともまだ言えない時間にロビーへと集まる。

浦和サポの朝は早い
朝食を受け取る 何故か飲み物率高め

バスは空港に向け出発。
ホテルから用意された朝食を摂りつつ、軽く目を瞑る。
明らかに全員疲れ切っていた。試合後の車内とは違い、シーンと静まり返っている。

リヤドの空港モニターに映し出される「TOKYO HANEDA」

さぁ帰ろう。

帰りももちろんチャーター便だけれど、行きとは一つ違うことが。
選手、スタッフ(ずっと帯同してくれた西シェフも)みんな一緒の便で日本へ帰る。特に会話を交わすわけでは無いけれど、一緒に戦ったみんなで帰国できることが嬉しかった。

リヤド7:30発、羽田0:05着。所要時間11時間35分。

昼食
夕食

予定より少し早い時間に無事羽田到着。

入国審査を済ませ、ターンテーブルから荷物が出てくるのを待つ。
同じく荷物を待つ選手たちも明らかに疲れてはいたものの、いい表情をしていた。
埼スタホームで勝てる!そう確信をした。

あっ、今日仕事だ…

(おしまい)


本編も是非よろしくお願いいたします!
↓↓↓

#浦和レッズ
#urawareds
#wearereds
#はじめてレッズをみた日
#Jリーグ
#サッカー
#旅行
#海外旅行


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?