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デザイナーがどんなことを考えているか

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デザイナーってこんなこと考えてるんだな〜と思ってもらえたらうれし。
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大事なことは、先輩よりも、インターネットが知っているということ。

インターネットに真剣に向き合ったのは20代後半だった気がする。 実を言うと、「一生分の誕生日プレゼントを使い果たす」として、中学生の頃、Windows98を買ってもらったことがあった。自分でプロバイダ契約をし、くっついてきたオマケのサーバーで、メモ帳でつくったWEBページを公開していたことがある。お絵かきBBSで描いたイラストを投稿して、学校で唯一、同じようにホームページを持っている友人と、2人になったときだけ、オタクっぽくWEBの世界の話をしていた。 けれど、その後わた

私の場合、自分のセルフブランディングをすると、『こう見られたい』という欲が強くなり、やがて嘘になる予感がある。

セルフブランディングという言葉は、今は自分に必要ないみたいで、全然口から出てこない。 そして、自分にはできないことなのでやらない方がいいと思っている。 私はできることとできないことの凸凹が激しいので、「意識的につくるブランディング」のコントロールが全然自分にキキメがない。 その代わりリアル感をどこまで滲み出せるかってところを気にしている。自分が生きてることとか、自分が美味しかったこととか、怒ったり泣いたりモヤモヤしたこととか、そういうのをずっと垂れ流して、リアルと数ミリ

思い込みの力はオトナになると主観的でやっかいと思われたりするが、夢を叶えるためにはとても大事な力だと思う。

私は岐阜の田舎から名古屋の予備校で一浪して多摩美術大学に行った。それを「努力家だね!」「美大すごいです」と褒めてもらうことがある。親もお金の面などで頑張ってくれたし、私もそれなりに頑張って絵に向き合ってきたので、そう評価いただくことはめちゃくちゃハッピー。そして、実は褒めてくれた人をちょっとだけ騙しているような気分になって申し訳ない。だからメモしておく。私は努力家ではなくて、ただの思い込み野郎だということ。 大人になって、なんて思い込み野郎の役立たずなんだと思うときもたくさん

ロジカルな時代に、理由なきものづくりを貫く姿勢はシンプルに強い!と思った話

昔近所にお気に入りのカフェがあって、ちょくちょく行ってたんですが、これはそこのお客さんにもらった、ある沿線の会社が子供に配っているカードです。(電車好きな人は見たらわかると思う。) くれたのはその電車の車掌さん。カメラが好きで、自分で探し当てた絶景スポットで、四季折々撮影をし、それを子供に配る公式グッズに仕立てたという話をすごく嬉しそうに語ってくれました。これが最近聞いたものづくりの話で、一番ワクワクした話です。 最近思うのは、理由のないものづくりが一番強い!ということ!

デザインの正解は、なんだかんだ現場によって作られている。じゃあデザイナーである私はどうするのが正解なのか考えた。

エンジニアばっかりのベンチャーに入った当初、ことごとく自分のやりたいデザインが通らなくて、悩んでいた。 言語化が下手くそだったこと、ベンチャー立ち上げ当初にしては経験が浅く、自分だけで完結する細部の調整ばかりに目がいっていたことが原因だったように思う。 毎日、上司とやりとりするもののデザイン案を通すことができず、自分を全否定されたような気分になっていた。「自分は全部が間違っている」と思い込み、基準が揺らぎ、どこにももたれかるところがない空間でふらふらしているような、不安で

デザインスキルよりも意思決定力をあげることを意識した話

ベンチャー企業に入って、初めて「デザインのスキルだけでは、とうてい実現したいことを全部やるのは無理だー!」と思った。そこで初めて意識して身につけた力がいくつかある。そのうちのひとつが「意思決定力とそのスピードをあげる」ということだった。 デザインは、小さな意思決定の積み重ねだと思う。フォントはどれを使う?色は1色?2色?イラストにするか、写真にするか、どうする?自分でできないこと、大きなボリュームの作業を早くやりきるには、どうする? デザインの作業は、言い換えて見ると、小

デッサン描ける=いいデザイナー?描く訓練で身につく「視点の切り替え」力のお話。

先日デッサンの授業を開催することになったので、久しぶりに鉛筆デッサンをしました。一緒に参加する先生にも描いてもらって、自分もなんとか授業の日までに参考作品を準備しました。 自分にとってデッサンは、「視点の切り替え」を繁盛に行う作業なので、短い時間でも脳みそが疲れる感覚を久しぶりに味わいました。 デザイナーとして、デッサンを描く訓練をして良かったなと思うのは、発想や着想に結びつく観察力が身につくという点です。 ↑デッサンの精密さに感動した…。こばかなさんの良い記事 観察っ

グラフィックデザインを教えるって具体的に何をしているのか。

自分が講師をしている「デザイン業界に就職・転職するための学校。」のグラフィッククラスで、DM制作の授業が終わりました! 自分の好きなもの(お店・イベント架空でも実在でも)の告知をするDMを作る課題。それぞれが自分の持ち味を生かしたDMを制作していただきました。このクラスでは、具体的なツールの使い方(Illustrator/Photoshop)とデザイン理論について「教えて」います。 「つくるのが楽しくて、家でどんどんやっちゃうんです。」という生徒さん。茨木のり子さんという

デザイナーが考えるついていきたい経営者像

大きな実績もなく、一介のデザイナーごときですが、一緒に仕事をする依頼者・経営者は結構考えている。(全くやりとりなしに判断はできないので、お互いを知る時間は作る。相手も実績以外のことも知りたいと思うので、そこは仕事をしてみて。だと思う。)自分に決定権がないからこそ、可能性をたくさん持った経営者と自分の時間・気持ちを共有したいと思うからだ。※個人的に完全単発になりそうなお仕事はあまり受けない。広がりやつながりに価値を置く性格のため、少し受けてみたもののやめた。 私の判断基準は、