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This is my revenge

番組が終了した後に開催された不思議な番組イベント、祝・日比谷野音100周年 Creepy Nutsのオールナイトニッポンpresents日本語ラップ紹介ライブ2023 in日比谷野音。現地参戦はかなわず、配信で見届けた。

実質的な最終回に相応しい胸熱イベントだった。豪華ゲストとの贅沢なコラボもあり、私たちリスナーに向けてたくさんの愛を伝えてもらったように思う。私の勝手な思い込みかもしれないけれど。

配信アーカイブ期間も終了し、(有料の)ファンクラブ会員のみ視聴可能なイベント当日の舞台裏動画が公開され、本当のお開きとなった。

あの日以来、私の中でずっと鳴り響いている曲がある。
ゲストアーティストAwichさんの「Revenge」という曲だ。
リアルタイムで聴いていて、涙が溢れて止まらなくなった。
アーカイブ期間中、何度も何度も聴き直した。

リベンジ、復讐。

娘を深く傷つけて追いつめたあの子の顔が浮かぶ。そもそももう4年も前の話だ。2年前には手放そうと決めた醜悪な怨念。まだ捨てきれずにいるのか。

Awichさんは歌う。

I go up go up I go up
I roll up roll up I roll up
I do it for the 愛
きっとそれが答え

「Revenge」 Awich

そしてこうも歌う。

許せばいい。それだけ。
Now I know
Now I know

「Revenge」 Awich

相手に直接復讐するのではなく、自分が上に上がる、愛のためにそうする、許せばいいだけ、私にはわかる…
何億周考えたらそんなこと言えるようになるのだろう。私なんかよりずっとずっと深い傷を負っているはずなのに。

実はね、リリックを検索する前、怨念にまみれた私の耳にはこう聞こえていたの。

I do it for the 愛
の部分がね、
[ eyes for the eye ]
って。

有名な復讐のフレーズ
「目には目を」
きっとそれが答え
って。そう聞こえたんだ。

でもそれが2バース目の

この言葉が bullets
引き金引く melody の上

「Revenge」 Awich

に繋がったとき、震え上がった。

あいつのハートは真っ赤に咲いた(でも私には本物の銃なんて要らない)、言葉の弾丸で撃ち抜いてやる、ラッパーとして成功して夢叶える、それが私の復讐…

なんて強い人なんだろう。


そういえば最近見たアニメでも復讐が描かれていたなと思い出す。

テレビアニメ放送から10周年を迎え、最新作が劇場公開中の「PSYCHO-PASS」シリーズ。
(映画が本当に素晴らしかったので、是非ご覧になっていただきたいです)

2019年に公開された「PSYCHO-PASS Sinners of the System」3部作のうちCase.3では「恩讐の彼方に__」というタイトルの示す通り、復讐がメインテーマとなっている。復讐を望む少女テンジンは本懐を達するのか否か。

やあ、PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.3 恩讐の彼方に__を観ているよ。Prime Videoを今すぐチェックする

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ちなみに「恩讐の彼方に」は1919年に発表された短編小説である。父を殺された実之助は仇討ちを決意し、長い旅路の果てに敵市九郎とあいまみえる。そのとき実之助は、また市九郎はどうするのか…。

今(2023年)から約100年後の世界を描いたPSYCHO-PASSシリーズの中のテンジンも、約100年前菊池寛によって書かれた300年以上前の物語の中の実之助も、同じように復讐を望んでいる。「目には目を」のハンムラビ法典が制定されたのは紀元前18世紀頃。仕返ししたいと思う気持ちは、この先どれだけ時代が変わっても、人が進化しても、変わることはないのだろう。


「悔しいけどやり返さない。復讐は神様がするって勉強したから」

かつて娘が言っていた言葉だ。キリスト教系の学校で学んでいた娘は、聖書の授業でこんな一節を教わったという。

自分で復讐しないで、むしろ、神の怒りに任せなさい。なぜなら、「主が言われる。復讐はわたしのすることである。わたし自身が報復する」と書いてあるからである。

ローマ人への手紙 第12章19節

娘がそう言うならと思って、私も娘と一緒に神様が復讐してくれるのを辛抱強く待った。たくさん願ったし祈った。でもなかなかその時は来ない。

そして何もないまま3年が経った昨年、ドラマ「ミステリと言う勿れ」の中でライカのこんなセリフを聞いたのだ。

「神とかとうに見限ったし見限られたけど」

【公式】月9『ミステリと言う勿れ』第10話ダイジェスト! 第11話は 3/21(月)よる9時~

(01:20あたりです)

雷に打たれたような衝撃だった。

3年も待って何もないってことは、きっとこれからも何もないってことなんだろう。
ふとそんな考えが浮かんだ。

そのとき私も神を見限った。見限ったから報いとして見限られたんだと思う。

見限ったし見限られたから神様は未だ復讐してくれないのか、それとも信じて祈って何年待とうが結局神様による復讐なんて果たされることはないのか、どちらが真実なのだろう。見限って見限られた私には永遠にわからなくなってしまった。

そんな私に、Awichさんはこう教えてくれたのだ。

Choose love 決めるのは myself
Choose life 死ぬほどに生きて
Choose dream クタクタになって
Choose peace 全ては one

「Revenge」 Awich

ただ委ねて待っているだけじゃどうにもならない。
復讐するもしないも、許すも許さないも、そもそも何をもって復讐とするのかも、選んで決めるのは自分自身なのだ、と。


この曲を歌い始める前、Awichさんは客席に向かってこう呼びかけた。

「やめなければ、いつでもリベンジできます」

娘の闘いは今日も続いている。

私はいつか、娘を傷つけたあの子を許すことができるだろうか。
娘が傷つけられていたことに気づけなかった自分を許すことができるだろうか。

私のリベンジは、娘が娘らしく、翼を広げて飛び立つさまを、笑顔で手を振って見送ること。

その日まで私も伴走をやめない。
やめなければ、いつでもリベンジできるって教えてもらったから。

だから笑顔で手を振って
あの窓から見るこの島はいったいどんな色?
自由に飛んでみたいんだ、青く広がる空を
失くしたものとか
会いたい人とか
さぁ見つけに行こう
僕らも翼広げて

「TSUBASA」 Awich

アーカイブ配信では残念ながらカットになってしまった「TSUBASA」。

リアルタイム配信で聴いたあの一度きりの歌声を絶対に忘れないし、ラジオのゲスト回でお別れのとき、この曲を置いていってくれたこともずっとずっと忘れない。

いつか自由に飛んでほしい。失くしたものとか、会いたい人とか、見つけに行ってほしい。

Awichさん、大切なことを教えてくれてありがとう。Creepy Nutsのお2人、Awichさんを教えてくれてありがとう。

※タイトルは Awich「Revenge」の歌詞から勝手にお借りしています


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