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サイコロとドラえもん

真面目な気質なので、日常に「遊び心」を付与しようと意識している。

自由で多様な世の中を生きることになる娘たちには、できるだけ「選択肢」を示し、自力で選んでもらうようにしている。選択の機会を増やすことで、選択に疲れないような体力?を育もうと考えて。

選択する時、すべて自分で考え手決定する必要はない。天や運に任せてもいい。なので時には、じゃんけんで決めたり、あみだくじで決めたり、サイコロで決めたりしている。

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下の娘(4歳)が作るあみだくじは、カラフルな色と、星やハートといった図形に溢れるキュートなものだ。彼女が好きな色は「虹色」。私が子どもの頃にはなかった色(選択肢)のように思う。

くじを作りながら「あっみだっくじ~♪あっみだっくじ~♪」…と歌いだしたので驚いた。私は教えていないから、幼稚園でお友達から得た知識のはず。

明石家さんまさんの「アミダばばあの唄」だ。30代の方が知ってるのかな?と思うような、古めの曲だ。

Wikipediaでレコード(!)のリリース日を見たら1983年だった。さらに衝撃を覚えたのが、この曲は桑田佳祐さんが作詞作曲したものらしい…。流石というか、何というか…。唄の発祥は、さんまさんがスタジオで口ずさんだだけじゃないかな…?その後、人気が出たから桑田さんが作曲したのでは…?とも思うが、真実は分からない。

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2日前に、サイコロを買った。

今までは米津さんのCDに特典としてついていた8面体のダイスを使っていたのだが、8面体は数字が読みにくいので、公平な6面体のものを購入した。

手にしてみて、ちょっと違和感を感じた。「1」を示す●が、赤くない。黒いのだ。

サイコロの「1」は赤いと信じ込んでいたが、あれは日本独自のものではないかな?と思った。単純に、図柄から「日の丸」を連想したからである。

サイコロはかなり昔からあったと思う。最初のサイコロは6面体、つまり正方形ではなかろうか。角材を加工できた時期には作れる。麻雀の牌を生み出せる加工技術を持つ中国であれば、石や骨から作るかもしれない。日本では平安時代に双六(すごろく)が出来ていたはずなので、遅くとも900年代には作られているだろう。

そんな想像をした。

Wikipediaの「サイコロ」を見たら、歴史はかなり古かった…。紀元前8世紀とか。そして種類の多様さに驚かされた。

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Wikipediaをはじめ、ネット上に書かれた情報が正しいと信じると、サイコロの「1」が赤いのは日本だけみたいで、歴史としては新しいもののようだ。「日の丸が発祥」との説もあるが、諸説あるようではっきりしない。こういう「モノ」の起源や由来を調べるのは大変だろう。

子どもを育てる中でよく感じることは、自分が当たり前だと思っていたことは、全然当たり前ではないんだな、ということである。例えば国も、お金も、名前も、地位や名誉も、共同幻想の中で一定の価値を保っている何かだ。

人類70億人の大半を巻き込んで、よく成立しているなあ…と思う。

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先日、下の娘に「ドラえもんはロボットなのに、みんな驚かないのはなんで?」と質問されて、ぎょっとなった。

たしかに、ドラえもんは未来の世界の、22世紀に製造されたネコ型ロボットであり、のび太くんが生きる20~21世紀の世界には存在しない新技術の塊である。

事情を知っているのび太くんが驚かないのは自然だが、のび太の両親がドラえもんが居候することに対して何も言わないのも、友達であるスネ夫やジャイアンが何も言わないのも、不自然と言われれば、その通りである。

個人的に「あれは漫画だから」という回答は面白くないと思うので、出来る限り工夫を凝らした、知恵を絞った回答を心掛けているが、この問題に対するしっくりくる解は浮かばない。

こういった部分を不思議に思える、下の娘はなかなかセンスが良いな、とも感じる。そのセンスを失わないように、大事に育んでいってほしいとも思う。

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子育ては、毎日が学びにあふれていると思う。子どもの成長に追いつくためにも、私自身が学ばないとな、と思う。

「とんびが鷹を生む」ということわざは、平凡な親がすぐれた子を生むことを例えたものだが、私は鷹を生んだ感が強い。それは、私の子ども達が優秀と感じるという話ではなく、基本的に人類はみんな、鷹を生んでいるような気がしている。

子どもは進化していると感じる。それは時に、堕落や怠惰にも見える。自分と同じように育てないことが怖いな、不安だなと感じる部分でもある。

私が恐れていることは、親である自分が、子どもの成長を阻害するキャップや障壁、差し障りになることである。

無理をしても続かないので、悩みながら、考えながら、相談しながら。子育てをしていこう、日々楽しく生きていこうと思っている。

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