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奥浩哉『GANTZ』|絶対に忘れられない漫画が、そこにはある

地下鉄のホームで撥ねられ死んだはずの玄野、加藤は謎のマンションの一室に一瞬にして転送される。そこに置かれた得体の知れない黒い球の指令により、ねぎ星人の暗殺を命じられた玄野らは、状況を把握できないままねぎ星人の元へと転送される。マンションにいた仲間によってねぎ星人は殺されるが、新たなねぎ星人が現れ…。

人間は、全ての生物の最上位の存在だと、卑しくも思い込んでいて、異形の存在というだけで、その相手を無慈悲に排除できる。それは、肌の色、出身地、親族の地位が異なるだけで、どんな残虐な行為も笑って執行できる。『GANTZ』では、人間は侵略される側だが、それは人間が地球上で繰り返してきた歴史そのものだ。主人公たちは死に、そして再生された存在だが、複雑な電気信号を完全に再現しただけのコピー人間を、変わらず愛せるのは何故なのだろうか。その魂が異形に宿った時、きっと遠くない未来に、ロボットに魂が宿る、その時、同じように愛せるのか。命の重さが変わらないのか。異形の存在を受け入れるのは人間には到底不可能で、侵略しか手段はないのだろうか。

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