世界は選べる
昨日の夜わたしは今年何度目かわからない「日本の政治的な変化」による多大なストレスのため相当荒んだ精神状態でした。
一夜明け、何年も前から今度こそという気持ちをこめて選挙に一票を賭けてきたにも関わらず、本日からあんなにいやでいやでしかたなかった消費税10%という世界線に突入してしまった事実を虚しく受け入れ10月がスタートしたわけです。
そんな悲しくも新しい世界の初日、早稲田の仕事場から臨む空は相変わらず晴れ渡っていました。
ああ空はこんなに青いのに、風はこんなに爽やかなのに、なぜ人間は幸せを放棄するような強迫観念の世界を自ら選び続けているのだろう。
教えておじいさん、とハイジのように植物に語りかけたところで返事があるわけもなく、日本が、世界が、こんなことになってしまった原因に果てしなく思いを馳せてはいっそう虚しくなる、という不毛なことにしばらく時間を費やしてしまいました。
しかし今日はそんな暗い自分を吹き飛ばすように、大変楽しく仕事が終わりまして、夜は仲良しの人たちとごはんを食べに行きました。
今年初のおでん。
おでんて家で食べるときだいたいコンビニから買ってくるかスーパーの袋をあっためるくらいしかやりませんが、お店のおでんは本当においしいですね。
ビールも進み、テンション高めのおしゃべりが盛り上がったところでおなかもいっぱいになり、ちょっと夜のお散歩に行くことにしました。
わたしは夜の丸の内が好きです。
たまにこうして散歩に来ます。
美しい東京駅から皇居まではまっすぐ道が伸びていて、しかも昼と違って夜はあまり人がおらず、しかしよくよく見ると仕事終わりのサラリーマンからランナー、旅行者などいろんな人がのんびりと歩いたり、あちこちでくつろいでいます。
ロケーションが良く、そのわりにけっこう閑散としてるので、動画を撮ったり写真撮影してる人もいます。
今夜は燕尾服とウェディングドレスを着たカップルが結婚写真を撮っていました。
特にいまの時期は夜風が最高に心地よく、なんかこの季節は毎年ここに来てる気がします。
世界屈指の大都市東京の真ん中の真ん中、そこはとても静かで、黒い松の林が並んでいます。
夜の皇居では、日本の良いエネルギーをとても感じることができます。
清潔で、安全で、安心。
こんな夜で暗くてやんごとなき場所なのに、ほとんど警戒することもなく、また警戒されることもなく、ただ静かで心地よい夜風を感じていることができるのは、日本の最高に良いところです。
世界でもこんな場所はめったにないと思います。
わたしは昨晩、もう日本に住まなくてもいいかなと真剣に考えるくらいに、日本が好きじゃなくなっていました。
でも今夜は、仲良しの人たちと楽しくごはんを食べて、丸の内の静かな森で気持ち良い風に吹かれていたら、わりとあっさり意識が変わりました。
たとえ日本の政治が最悪でも、その世界とは別の日本の良いところはまだまだたくさんあることを思い出せてよかったです。
今夜はあまりにもステキな夜なので、帰るのが惜しくなったわたしたちはいったん丸ビルの地下に戻り、コーヒーとデザートをテイクアウトして、再び美しい東京駅の広場に戻り、ベンチで二次会をやることにしました。
そこは不思議で幸せな風景が広がっていました。
離れたベンチでは仕事帰りのサラリーマンが彼女の膝枕で寝てたり、石畳みに座って自撮りする高校生がいたり、就活生の集団がおしゃべりしていたりと、とにかくここにいる人はみんな、自由で楽しく、また互いに干渉することもなく、それぞれが自立した幸せな時空を発生させていました。
その光景を眺めながら、友人たちとコーヒー片手に他愛もない話しをしてたら、
「わたしはとても幸せだ」
とはっきり思いました。
いまこの瞬間にも社会や政治が腐敗し混乱しているのは事実ですが、それでも自分は同じこの瞬間にその世界とはまったく別の幸せな世界を確実に生きていることが、自分に勇気を与えてくれた気がしました。
パラレルワールドとか並行世界というのはきっとこういうことで、自分の意識で生きる世界が選べる、実際自分はいままさにそれを実行してる、だからおかしいことに対しては強く意思表明すると同時に、これからも自分が良いなあと思うものをできる限り選択していこう、と思いました。
仲良くなれる人がいるって大事なことですね。
ありがたいです。
人の間と書いて人間だから、仲良くなれる人がいるというのは生きる上で、ものすごくありがたいです。
仲良しの人がいると、次の楽しい約束もできます。
その未来がまた、自分の生きるモチベーションになったりします。
いやなものはいや、だめなものはだめ、そして、楽しいものは楽しい、という素直な心に従って、これからも生きていこうと思います。
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