manpukushobou

どこかの街にひっそり存在する 古本屋の徒然記

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最近の記事

花の数だけ

花の数だけ、植物の数だけ思い出がある なんとなく買って植えた植物も 吟味に吟味を重ねて迎えた植物も いくつもの季節を共に超えるうちに 粗末には扱えない絆が育つ このバラも15年の付き合いになる 何十回の嵐を共にに乗り越えただろう この季節一番花が開くと また巡り会えた感動に胸が締め付けられるのだ 今年も咲いてくれてありがとう

    • 静か

      毎朝5時に起きる だから目覚めは4時 寝室は東向きなので 天気が良ければ朝日が差し込む 何もしない ただ静かな時間だけが流れる ぼんやりした朝が気に入っている

      • 休日の過ごし方YouTubeあれこれ①

        まんぷく店主のTV視聴時間はとても短い 基本的な世事については紙の新聞から得るので ニュースは必要ないし ドラマはまとめてNetflixで見るので 本放送は見ない 情報番組で扱われる内容は スマホで隙間時間に検索できる その代わり まんぷく店主の大型テレビは YouTubeの視聴に大活躍だ びっくりする程完成度の高いものも多く このコロナ禍の中 何度YouTubeの中で旅行をしたり 留学したことか 料理教室にも何百回となく通い 美味しいレストランもオシャレな路地裏カフェ

        • 課題

          一時期スピリチュアル本を何冊も読んだ その本達から得た説によると 人にはそれぞれクリアしなければならない 課題があって その課題を逃げずにクリアしないと クリアするまで何度でも形を変えシュチュエーションを変え課題は出し続けられるのだという 困った事だ 店主にも未提出の課題が山のようにある 忘れた頃に 督促状のように同じ課題が送られてくる 店主は大人なのに 夏休みの宿題が終わらない子供のような気分だ

        花の数だけ

          もの思う

          今日は自分のためだけの読書日だ 脳と目が疲れそうにない本を なんとなくインスピレーションで選ぶ 長く生きていれば 生きている事、そのことだけで 疲れてしまう日もある 雨なんか降っていれば尚更だ そんな時は大好きな場所に逃げ込む 学生の頃は学校の図書室 今は図書館だ たくさんの本に囲まれていると 温かい繭に包まれている気持ちになる 人のあまり来ない書架の狭間に隠れるように 座って本を眺めていると 呼吸が楽に出来るようになる 浅かった呼吸が段々と深くなるのだ 何年か前 学

          まんぷくカフェ計画③

          昨日までの風はなんとか収まったようだ ゴールデンウィークを前に カフェ予定地である小さな庭に座り のんびりこれから植える植物について 考えを巡らせている店主だ 今の時刻は17時半 空気は冷たいが空はまだ青いまま 賑やかな鳥の声が聞こえる 恋の季節だろうか、子育ての季節だろうか 何か盛んにおしゃべりをしているようだ まんぷくの庭は ジューンベリーの花が散り 今は青い実が膨らみ始めた 三週間ほど前に深く切り戻したラベンダーも なんとか伸びてきた 今年は待望の風に揺れる姿が

          まんぷくカフェ計画③

          風の強い夜には

          今夜も風が強い ムーアに吹く風の音のようだ 遮るもののない場所では 強風はヒステリックな泣き声のように聞こえるに違いない こんな夜はいつもエミリーブロンテの 『嵐が丘』を思い出すまんぷく店主だ

          風の強い夜には

          好きだった場所

          まんぷく店主はハツラツとした 活発で明るい子ではなかったから 学校はあまり好きではなかった 大勢の中で周りの子と迎合する事が とても苦手で 特にチームでプレーするドッチボールや バレーボール そうそう!調子を合わせなくては遊べない ゴムダンなんか大嫌いだった それでも学校へ行かないと言って 登校拒否になる事もなかったのは 学校に好きな場所があったからだ 好きな場所=自分を受け入れてくれる場所 だったのだ 保健室、図工室と美術室、音楽室、そして図書室 まんぷくが過ごした時代

          好きだった場所

          読書のスタイル

          何度かいらっしゃった、あるお客様の 読書スタイルにとても共感したことがある まんぷく書房は予約制でお客様は 一組しか入れないから お客様の好きな形の試し読みを していただける そのお客様は何冊か選ぶと 床に座り込み体育座りをして 本を膝の上に乗せて読み始めた 椅子に座るより寝転がるより 確かに楽で まんぷく店主も自室ではベットや壁にもたれて 体育座りで本を読む事が多い 自分の部屋のようにリラックスして 頂けてとてもうれしかった きっとお一人になりたいだろうなぁと思い こ

          読書のスタイル

          子供と動物には敵わない

          その通りだ まんぷく店主は子供も育てたし犬も育てた 猫も鳥もハムスターも共に暮らしてきた だから いつだってこの人たちには敵わない事は よく知っている 一昨日のニュースだったろうか 千葉でドーベルマンが4頭逃げ出したという ニュースがあった 【親子連れで行方不明  子供達はまだ子犬との事】 笑ってはいけないが 思わず光景を想像して笑ってしまった たぶん犬に逃げだしたつもりはないのだと思う 案の定自宅から400メートル程離れた場所で 4頭とも保護さ

          子供と動物には敵わない

          春の悪魔

          買った方が安いのはわかっている 尋常でない砂糖の量を見て 胸焼けしそうになる事もわかっている でも毎年手を染めてしまうのだ 悪魔の食べ物 『ジャム』 今年も店先に並び始めた路地ものいちごの赤に やられてしまった それでも砂糖の使用量は450グラム いちごの量の50% 多くのレシピでは 常温で長期保存するなら60〜70%とあるが 流石にそんな勇気はなく 普段は30%で作るか レンジで少量作る時はまぶす程度だ なのに今回は50% やっぱり悪魔の食べ物になってしまうに違い

          まんぷくのものさし

          まんぷく書房はまんぷくのものさしが基準だ 本だけでなく 雑誌も辞書も漫画も図鑑も ものさしがOKをださなければ 残念だが人気作家でもベストセラーでも 書棚に並ぶことはない まんぷくのものさしは 一言で表すのは難しい 強いて言うなら 作品に愛があるかどうか だと自分では思っている 愛は親子の愛や恋愛ばかりを指すのではなく そこから愛が感じられるかということだ まんぷくの拙い文章力で まんぷくのものさしが愛を感じる基準を 表現するのは難しいが 愛のある作品とは 未来への希望が

          まんぷくのものさし

          やっぱり雨

          なんだか疲れてしまったな なんて何もする気が起きないのは きっと何日か湿度が高いせい また今夜から雨だ まだゴールデンウィークも過ぎていないのに 梅雨のはしりのような日々 蕾が色づき始めたバラたちや 満開だったチューリップの様子が気になる 子育てと同じように植物達にも過保護な まんぷく店主は この素敵な季節に 青空が何日も見えないと 植物達が困っているのではないかと 気がきではない 案の定チューリップ達は花びらに 雨粒を乗せて皆首を下げてしまった 小さな庭の植物達でも我が

          やっぱり雨

          ロサ バンクシアエノルマリス

            英名 Rosa banksiae var.normalis まんぷく書房の庭は小さい その小さな庭を占拠している原種のバラだ モッコウバラの一重種だが香りがある こんな雨上がりは特に香る 甘い甘い香り 花がたくさん咲くようになるのに5年かかった 5年間葉ばかりが茂って 花はぽつりぽつりとしか咲かない 植えて10年 満開になるとむせるほど香る事がわかった 香りのあるモッコウバラという説明は ウソではなかったようだ 植物育ても子育ても同じだ 思い通りにはなかなかならない

          ロサ バンクシアエノルマリス

          雨の匂いがする街で

          雨の匂いがする 海が近いせいか気圧が低くなると 街中に潮の匂いが満ちる たぶん明日は雨 まんぷく店主は雨の日の読書が好きだ 古書店は暇だ はっきり言って繁盛はしていない でも理想はある しかしながら この理想を追えば繁盛とは対局になる 急に降り出した雨に 駆け込む深い軒先のような存在の本屋 時代はモバイル書籍へ流れている 当然だと思う それでも、まんぷく店主は紙が好きだ 古い図書館にありがちだった カビくさいような匂い 新品の本の切れるようなインクの匂い 本ごとに違う

          雨の匂いがする街で

          花の種

          何年か前ステキなプレゼントを頂いたことがある 毎日、まんぷく家の前をお母さんと通る幼稚園生 花が大好きな女の子だった 幼稚園からの帰り道 その日も、熱心にまんぷく家の花壇を 眺めていた 花好き園芸好きの性で 育てた花をキレイと言ってもらえるのは 我が子を褒められたようでうれしく 頼まれてもいないのに すぐに花を贈りたくなる その時も、咲いていた矢車菊とチューリップを 庭先で束ねてプレゼントしたのだ その年の夏休み明け いつかのお返しにと ビニール袋いっぱいの種をプレゼン