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プレミアリーグ開幕節 マンチェスター・ユナイテッドVS.ブライトンをプレビューしてみる

開幕近し。ということで、超直前ではありますが、22:00のKOまでの間の少しの皆様の余興になればと思い、ユナイテッドだけでなく、ブライトンの試合も比較的多く試合を見ている自分なりの視点で、プレビューしていければと思います!!

Ⅰ.スタメン予想・両チームの戦力整理

①予想スタメン(怪我人など把握漏れあったらすみません)

 ほとんど当たらないスタメン予想。ただ、PSMを見た感じ両チームのフォーメーションはブライトン3-4-3、ユナイテッド4-1-4-1なのかなと。
 まず、アウェーのブライトン。直近のエスパニョール戦からはRWBのマーチ→ランプティのみの変更予想。レディング戦ではトロサールがシャドーでランプティ、マーチのWBコンビだったのですが、基本はトロサールWBだと思うのでこの形にしました。単純にダイナモのムウェプを中央に使いたい気もするので。ダブルボランチから後ろはほぼこのメンツだと思いますが、新加入の左利きCBコルウィルがウェブスターと変わっていきなりスタメンっていうのは無きにしも非ず。
 そしてユナイテッド。マルシャル離脱、ロナウドは恐らくフィットネスの問題でベンチスタートと考えると、(大穴でアマーードもあると思いますが、)1トップはラッシュフォードになるのかなと。ラッシュフォード1トップにすると、左WGを誰にするんだ問題が発生し、エランガorガルナチョになりますが、アトレティコ戦後半で見せたブルーノ左、エリクセンIHが安定な気がします。それに伴って左SBはショー、左CBはリサンドロ。PSMを見ていると、ボール保持時に3バック化していたパレス戦やアトレティコ戦でマラシアが先発していましたが、ブルーノがWGだと右肩上がりの3バックするとは考えにくいので、ショーがスタメン。3バックの真ん中のようなタスクならリンデレフもアリですが、そうではないのでリサンドロかなあという推理です。なので、左WGがウインガータイプならマラシア、リンデレフ先発もあり得るかもしれませんという感じです。
 まあ勝手な妄想です。でも楽しいのでやってみました(笑)。次は試合の様相がどうなるのかというのを、「MUNボール保持VS.BHAボール非保持」・「MUNボール非保持VS.BHAボール保持」「トランジション」の3つの局面に分けて、両チームの配置、振る舞い方を予想しながら考えていきたいと思います。

Ⅱ.局面ごとに考える試合の様相

1⃣ユナイテッドのボール保持VS.ブライトンのボール非保持

 この局面では、ブライトンが極めて高い確率でユナイテッド陣内深くでの強度の高いプレッシングを敢行してくるはずなので、ユナイテッドはそれをビルトアップで剥がせれば、一気にチャンス、剥がせずにプレッシングに捕まると相手のチャンスもしくは相手のボール保持のフェーズになるという展開になりそう。
 ブライトンのプレッシング、ボール非保持での振る舞いはユナイテッドと似たマンツーマン気味で人への基準度が高い守備といえますが、この試合に向けて採用してくるプレッシングのプランとして「後方に一人余らせるパターン」「同数でリスクを負うパターン」の2つが考えられるので、その2つを見ていきましょう。

②ブライトンのプレッシング(後方に一人余るパターン)

 まず、後方に一人余るようにマーカーを設定したプレッシングである。②のように中盤ひし形の3-4-3のようなかたちになり、ユナイテッドの3センター、そしてライン間に降りて仕事をすることもある相手1トップにも中盤の選手がマークすることで自由に仕事をさせない狙いだ。サイドの選手は各々マーカーを与えられ、基本はボールサイドにスライドし、マーカーにボールが出ると中央からサイドに圧力を掛ける役割を担う。そして、3バックの真ん中のダンクはマーカーを持たずに後方で余ることで裏に出るボールのケアやカバーリングなどを行う一方、1トップのウェルベックは1人で2CBを見る役割でCB間の横パスを牽制してサイドを限定する。
 ちなみにこの守備は昨季の(1トップのラカゼットがビルトアップのサポートをしていた)アーセナル戦で見せた形だ。

③ブライトンのプレッシング(同数でリスクを負うパターン)

 もう1つは同数パターン。PSMのエスパニョール戦でも相手の4-3-3に対してこの守り方をしていた。この場合、③のように3-4-1-2のような配置でユナイテッドの4-3-3に嚙み合わせを合わせることで、相手2CBには2トップ、相手アンカーにトップ下、相手IHにダブルボランチ、そして相手1トップには中央のCBと相手の全ての中央の選手にマーカーが設定され、サイドの選手も先ほどと同様にボールサイドではマンツーマン気味に守る。現代型のオールコートマンツーマンのような守り方だ。先ほどの②のパターンに比べて、後方の選手が余らないので相手にビルドアップされた場合のリスクが大きい分、相手2CBにもマーカーがいるのでより強度の高いプレッシングを行うことができる。つまり、ハイリスクハイリターンということだ。
 この激しいプレッシングに対して、ユナイテッドはどのようにビルドアップするか!、がこの局面における課題になるわけだが、ここでこうするべき!とか言うのではなく、この局面で考えられる動きと重要となる選手の2つについて触れたいと思う。

④考えられるユナイテッドのビルドアップでの動き出し(三角形の循環1)

 ブライトンのようなマンツーマン気味に守る相手に対して、適切な立ち位置を取るということも重要だが、そこからの動き出しの多さというものも大切になってくる。そこで、ユナイテッドがビルドアップを試みるために考えられる動き出しとして、やはり三角形の循環が挙げられる。
 ④のようにSBが内側に入る動きと連動して、WGがSBのいたスペースに、そしてWGが空けたスペースにIHが入っていく流れだ。マンツーマンといってもゾーンディフェンスの要素がゼロではない。WGのマーカーは相手CB、IHのマーカーは相手CHとなっており、相手に対して「(後方のスペースを空けて)どこまで付いていくか」という迷いを与えることで、相手の守備に「ズレ」を生み出すことができるメカニズムだ。また、相手が迷いなく付いていったとしても、そこで空いてくるスペースに1トップのラッシュフォードなどが入ってくることで前進することができるというメリットもある。

⑤三角形の循環2(IHとWGのポジションチェンジ)

 ⑤のようにSBがボールを持ったときには、IHがサイドに開く動きをする代わりに、その空いたスペースにWGが入り(IHとWGのポジションチェンジ)、その空いたスペースにCFが裏抜けをすることで選択肢を増やすという動き出しのパターンも考えられる。PSMでも散々見せていた、このユナイテッドの三角形の循環がブライトンのプレッシングを剝がしていく動き出しとして、この試合も見られるかもしれない。

⑥ブライトンが②の守り方をした場合に「時間」が与えられる選手

 そして重要となる選手だが、これは間違いなくGKと2CBである。どの試合でもビルドアップの局面では重要となる選手だが、ブライトンが②のパターンできた場合には2CBが、③のパターンできた場合にはGKのみが唯一マーカーのいない「時間」を与えられた選手となる。よって、この3選手がビルドアップでどのようなパスを出し、ビジョンを共有できているか、GKの場合は相手の激しいプレスに対してロングボールを蹴るという判断を適切に行えるかというのも重要なポイントとなりそうだ。

2⃣ブライトンのボール保持VS.ユナイテッドのボール非保持

⑦ユナイテッドのプレッシング

 この局面の場合も、当然ながらユナイテッドはハイプレッシングを行います。ユナイテッドもマンツーマン気味の守り方をするチームで、ブライトンのように3-4-3の場合は⑦のようにCFが相手のサイドを限定しながらWGがWBへのパスコースを切りながら相手の両脇のCBにプレッシャーを掛け、相手のダブルボランチをIHが、相手のシャドーをボールサイドのSBとアンカー、そして相手1トップは2CBが見ることで、中央に出たボールを刈り取る仕組みである。WGの背中、つまり前向きの相手WBにボールが出た場合はDFライン全体がスライドすることによるSBの縦スライドで対応こととなっている。

⑧ブライトンのビルドアップ(ユナイテッドがケアしなければいけないところ)

 これは前回のアトレティコのレビュー記事でも触れたが、3-4-3と4-3-3というフォーメーションの嚙み合わせ上、シャドーの選手は空いてしまうことが多い。アトレティコ戦でもこのアンカー・IH脇のスペースにシャドーが顔を出すことによって前進を許したり、フレッジの退場につながったりしている。
 フォーメーションの嚙み合わせなので仕方ない面もあるが、これを防ぐにはやはり、「前線からの圧力」が重要で3トップの選手のパスの出し手へのプレッシャーの強度がこの試合ではより重要となりそうだ。ブライトンのビルドアップの質はアトレティコ以上だと個人的には思っているので、多少の前進は致し方ないと考えられるが、この局面でのプレッシングの強度を考慮した3トップの人選もアリかもしれない。例えばスピードがあり献身性の高いエランガを使ったり(皆さんに総スカン食らいそうですが…笑)。

3⃣トランジション局面と試合の全体的な展開

 両チームとも、ネガティブトランジション(攻→守の切り替え)ではボールの即時奪回を狙うカウンタープレス(ゲーゲンプレス)を行い、ポジティブトランジションでは(ブライトンはユナイテッドほどではないものの、)ゴールに直結する縦に速いプレーを狙います。
 以上の両チームのトランジション局面での振る舞い、そして両チームともハイプレッシングをしてくるであろうということを踏まえると、この試合はかなりインテンシティの高い、縦に速いサッカーが繰り広げられる可能性が高いです。少なくとも強豪VS.中堅・下位のテンプレのような、ブライトンがブロックを固めて、ユナイテッドがそれを崩そうと試みるという展開になりそうにはないです。
 点の取り合いになるかはわかりませんが、1つのビルドアップでのエラーやトランジション局面での一瞬の隙で得点が生まれ、それで勝負が決する試合になりそうです。また、ハイインテンシティの試合の典型である後半60分以降のスペースが大きく空いた殴り合いのような展開になることも予想できます(ユナサポ的には嫌ですが、こういう展開になるとジョーカー三苫が効いてくる…)。接戦になることは間違いなく、試合中での両監督の采配も含め、本当に楽しみな試合です!!

Ⅲ.さいごに 試合の位置づけとか

 開幕節。ユナイテッドは確か結構長い間勝っているらしく、ホームということもあり、是が非でも勝ち点3が欲しいところ。ただ、相手はブライトン。強豪キラーですし、昨季は0-4の敗戦とかなり警戒しなければいけない相手です。
 ブライトンはかなり配置にこだわるチームだと思っています。自分たちの配置によって、相手の良さを消し、相手の欠点をつくというイメージです。前回対戦は、それに対するユナイテッド側の準備が足りないための敗戦で、今回もその準備を怠れば大敗の可能性も十分あると思います。
 しかし、そこはテンハグさんです。絶対にこの試合に対する準備は入念に行っているでしょうし、マルシャル不在でも勝てるプランを用意してきているはず。いい試合になることは間違いないのかなと。
 ただ、サッカーは他にもいろいろな要素で勝敗が決するスポーツなので、当然ですが、この試合負けたとしてもテンハグ・ユナイテッドが絶望的だとも思いません。今季の目標はあくまでCL権獲得なので、そこに向けてチーム作りをしていけばいいのかなと。
 雑談はここまでにして、試合がとにかく楽しみなのでこの辺で終わりにしたいと思います。ABEMAで無料なので必見です! では。

タイトル画像の出典
https://oldtraffordfaithful.com/predicted-mufc-xi-vs-brighton-premier-league-2022-23-home/


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