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写真というひとつの結果

引き出物か何かで貰ったタオルが、蛍光灯に当たって、なんとなく良いなと思った。あと横に置いている、すみだ水族館で買ったコップも気に入っている。そして鏡もあって、なんとなく写真に撮ったら良いのではと思ってカメラを構えた。けれども洗面所のごちゃごちゃと置いてあるものが多すぎて、それが見えないように少し写すところをずらして、そうすると壁の影が黒く写ってしまうのだが、でもその壁の黒があったほうがなんとなく面白い気がすると思った。そしてシャッターをゆっくり切った。暗いのでぶれないように。あとから見るとへんな構図だなと思ったが、構図というより、何が要らなくて何が見たいのかを考えていたようだ。

写真は一連の行為の結果である。結果からその行為の意味について考える。どんな瞬間だったのかを思い出すのは楽しい。すっかり忘れてしまっていても、写真を見ると、すぐにその瞬間へ戻れる。

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