今という時間を残したい
カメラマンとして独立し、5年経った。仕事では主にデジタルカメラを使っているが、フィルム写真がもともと好きで今も暗室でプリントしている。しかしフィルムの値上がりがここ数年特に激しい。そういう時代だから仕方ないが、シャッターを一回切る重みというのをより大切にしたいと以前より強く思うようになった。
しかしそういった心構えもずっとはツライ。もっと気軽なカメラはないかと思い出したのがサイバーショットだった。
2012年に発売されたサイバーショットTX300vというコンパクトデジタルカメラを私は今年買った。買ってから気付いたが、巷ではオールドコンデジと呼ばれ2000年代あたりのコンパクトデジカメがちょっとブームになっているらしい。そういえばアパレルの撮影現場に行くと、PR担当の方々が古いデジカメを持ってオフショットを撮っている。
出会いは私が中学生の頃で、先輩がやたらと小さいカメラでそこらじゅうを撮っていた。あまりにも気になって「それなんてカメラ?」と聞くと、「これ?サイバーショットだよ。」と返ってきた。私が人生で初めて欲しいと思ったカメラかもしれない。
そんなことがふと蘇り、"サイバーショット"で検索、なんかコレが良さそうだなと直感で選ぶ。先輩が持っていたものとは違うが、デニムのポケットに入るデジカメはかなり便利でフィルムほど私にプレッシャーを与えない。撮影の楽しさを改めて教えてくれたように思う。
かつてみんなが使っていた懐かしいカメラ、そして最新のカメラを使える時代にいると思うとなんだかお得。
写真を続けること、好きでいることがきっと未来を作っていると信じて、私は今という時間を残したい。
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