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あんみつ食べたい!

私という人間は生まれつきの出不精なので、下手すると一日中寝ている。昼頃ノコノコ起きて、お風呂に入って、着替えてまた寝る、という意味不明なことを休日にしている。だったら一生パジャマでいた方が良いのでは?

今日こそどこか行こうかと思っていると、午後2時頃に光化学スモッグ注意報。なんと危険な外出、危ない危ない、と思って眠りにつく。夕方頃にむくりとやっと起き、突然頭に浮かんだのは、あんみつ食べたい!である。どうやら新宿に時屋という穴場な甘味処があるらしい。これまでのダラダラからは打って変わって、起きたと思ったらあっという間に新宿である。

店内はほぼ満席であるが、こっそり空いている席に通された。カップルに挟まれて女一人はちとショボいが、周りは何も思ってない。だよね。それに気付いた私は安心して白玉あんずあんみつを注文した。甘味処に来る女というのは決まっているのか、大体大島弓子の漫画に出て来るようなファッションをしている。いや待てよ、男も大体そんな感じだ。間違っても夕方まで寝てるような女は、こちら時屋にただ一人である。

白玉あんずあんみつが出てきた時の幸せたるや。これ、これ。甘すぎないアンコとあんみつ、寒天たっぷり杏たっぷり、久しぶりに食べる白玉の可愛くて気持ち良い舌触り。お茶と一緒に交互にいただくと無限に食べれそうである。夢のあんみつは大満足であった。

両隣りのカップルがいつのまにかいなくなり、私の隣には可愛らしいワンピースを着たお婆さんに変わっていた。これまた大島弓子の漫画から出てきたような出で立ちである。彼女は座ると同時にお雑煮を頼んだ。常連さんなのかしら、それにしては常連ぶらない良い雰囲気の方。そして隣から良い出汁の香り、美味しそうなので危うくまた注文する所であった。

私もいつまでも、甘味処にひょいと行ける女性でありたい。

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