Web受託会社のPjMを考える

Webディレクターとしてはキャリア数ヶ月なのですが、それまでは2年弱くらい、プロジェクトマネジメント部署なるところで仕事をしていました。

営業でもない、ディレクターでもない、プロジェクト管理をする専任の人を立てよう!として新設された部署。なんかかっこいい感じですがPjMが結局のところ何なのか、未だにはっきりとした答えは出ていません。

※普段はPM、と呼んでますが昨今「プロダクトマネージャー」の文脈と混同しがちなので「PjM」と銘打ってます


実際は何をやっていたのか

一言でいうと、各種ポジション間で発生した「こぼれ仕事」をひたすら拾っていたのかなあと思っています。

そのプロジェクトに営業が居なければ、見積を作り契約をまき。
ディレクターが居なければ仕様をまとめ進行管理し。
納期が厳しすぎた案件は初回打合せでアートディレクションの領域に口を出し(後でめっちゃ怒られる)。
営業事務的なタスクも含め、専門知識が必要でない部分は一通りやった感じがします。

究極、要らなくない?

そうなのです、PjMでなければならない仕事なんて何もなかったのです(あくまで個人の主観です)。
プロジェクトの中では常に他人の職務領域に踏み込み、ヒアリングしながら足りない部分を補い続ける。究極のしみだし要因というかなんというか(しみだしって一般用語なのかな)。

もちろん、これは自分のいる会社(Web受託)だから起こった話だと思います。
SI系の大規模プロジェクトでは、顧客への最終説明責任を持つ人がPjMとしてついていて、内部で起こる様々なトラブルの最終ケツ持ち役を担っていました。
でもWebの世界って割と小規模なサイト制作、ましてやLP制作するような小規模プロジェクトも多数ある中で、そこまでの体制を作って仰々しくやる案件ってなかなか稀有でした。

Web受託でのPMとは

「で、でもおれ(名目上)PjMだしアイデンティティがなくなって苦しいんですけど……!」

的なもやもやをずっと抱えていたのですが、結局のところ、PjMとは職種ではなく観点だという結論に最近たどり着きました。

上記の通り、プロジェクトマネジメントって誰か決まった人がいなくても良くて。営業なりディレクターなりデザイナーなりエンジニアなり、誰しもが少しずつプロジェクト成功を目指す中で持っているべき観点だと思ってます。

営業は後々の炎上リスクを予測した上で適切な契約書を作ったり。
ディレクターは遅延なく進行管理/赤字にならないよう工数管理したり。
デザイナーは顧客方針ひっくり返りリスクや追加改修を考慮してみたり。
エンジニアは自分が使える工数を把握したり、「ちょっと実装めんどいな…」くらいでもまずアラート上げるようにしたり。

各ポジションが少しずつ気を付けていれば、究極的にはPjMの専任者は居なくてもうまく回るはず。

現在

ただし現実はそううまくはいかない。案件規模が小さいということは、みんなが複数案件を抱えて工数が逼迫しがちになる。

では各案件に薄ーくはりついて管理するPjM(案件横断PMOみたいな人?)が仮にいたとして、きっと具体的な問題点までには踏み込むことは難しい。管理のための管理が発生して更に現場が逼迫する。

だとした時に、現在の結論は「めっちゃデキるジェネラリスト的しみだしディレクターがいれば良い」となりました。

どうしても具体的な現場の課題を解決するのはディレクターくらい深く入り込んでいる人になってくるので、そこのポジション及び職能が極限まで高まれば、(少なくとも自分の見ている案件は)健全に進行、納品出来るはず。

ということで、思い立ってディレクターにシフトチェンジしつつ右往左往する日々です。

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