子供が持てずに無理している私へ
私。
今年還暦を迎えました。
結婚したら子供ができるのは当然で、二人から家族が増えると思っていました。
でもそうではありませんでした。
人って不思議なもので、それほど真剣に思っていなかったことでも「叶わない」となると必死になるものです。
ご多分に漏れず、「子供を持つこと」に思い悩みました。
人工的なこと、血縁のない「家族」という形。
自分たちにできるであろう「あらゆること」を試してみましたが、神様はどうやら私たちが子供を持つことに賛成ではなかったようです。
◇◇
「子供を持てないことは一人前ではない」
今でもこういう考えがあるのだろうか?
自分たちに子供がいないので子供がいる人達と距離があり、今時の出産や子育てに対する考え方がわからないのです。
私が若かったころはまだこういう考え方があって、子供のいない私たち夫婦は「未熟者」のようで肩身が狭かったです。
そして、実際面と向かってそういわれたこともあります。
びっくりしました。
周囲が子育てに奮闘していた30代。
子供がいないのだから「いない私にしかできないことをしよう。」と心に決め仕事に精を出しました。
どこかで「認められたい。」と思っていました。
結果、他人の事情に巻き込まれ自分を保つことができず、ココロを壊してしまいました。
そして、多分女性の一生で一番元気で心配事も少ない、まだまだ仕事も頑張れる、40代の記憶がほぼない状態になりました。
◇◇
今回、知人が子育てについての個展を開きました。
ご自身が取材した十数名の子育て、ご自身の子育て。
楽しい事ばかりではなく、仕事と子育て、女性としての自分をどう生きるかなど率直に表現しておられました。
私は前述のようなことから、自分の身内以外、子供が集まる場所には極力足を運ばないようにしています。
でも今回はなぜか「行ってみよう。」という気持ちになりました。
彼女に依頼していたリーフレットが素敵に仕上がり、そのお礼も兼ねて会いたいと思ったからかもしれません。
もしかして「子育て記」を読んで自分の子育てに対するわだかまりのようなものをどうにかしたかったのかもしれません。
結果。
そんな優しい自分は全く現れず、彼女にお礼を言い世間話をし、展示を見たらコソコソと帰ってきてしまいました。
ゆっくり彼女の話を聴いてみたいと思っても、彼女には最強の子育ての仲間がいて、子供がいる。
何となく「私、まずいところに来ちゃったかも。」と変な感覚に落ちてしまいました。
そして思ったのです。
〜自分が子供のことをトラウマに思うことをムリして笑顔に変えない。
辛かったことは辛かったし、嫌な思いをしたのはその通りだ。
それを歳を重ねて「もう大丈夫です!」なんて自分にわかったふりをしない。〜
◇◇
ちょうど2年ぐらい前の今頃。
年下のココロを扱う女性セラピストから、こんなことを言われました。
〜子供を持てなかったことでいつも引っかかっているのは、目に見えるわかりやすい形で「認められたい」と思っているから。
「子供を持てない自分=ダメな自分、社会から認められない自分」とレールを引いている。〜と。
年下の、二人の子供がいて、しかも三人目を考えていた女性から言われた言葉は、私には厳しかった。
わかっているけど悩む。
これってダメなの?
◇◇
わかりやすく「認められたい」と思っている自分がいていい。
子供のことで辛かったとずっと思っている自分がいてもいい。
小さい子に触れたくても触れられない自分がいてもいい。
これが全部「私」なのだから。
そして
こんな私の一番の理解者は、誰でもない「わたし」なのだから。
あの日から数日たった今日。
梅雨入り前の貴重な晴れ、さわやかな風が部屋の中を通っています。
もしこれから乳幼児に関わる機会があったり、40代ぐらいの女性たちに会って自分の気持ちがモヤッとしたら。
今までずっとごまかしていたけど、
「私、赤ちゃん苦手なの。ごめんね〜。」って言えちゃうかも。
「私になかった40代を大切にしてね!」って言わないかも。
今はそんな気分。
いいと思う。
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