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PPP Kyoto〜Printing Press for Public in Kyoto

11月10日より、京都は出町のトランスポップ・ギャラリーを中心に、こんなイベントを企画しています。基本的には、TrancePop gallery / とぅえるぶ / hand saw press Kyotoという京都の3つのリソグラフスタジオを中心に、日本各地に位置するいくつかのスタジオの制作物に関して、ギャラリーでの展示/販売する企画ですが、それに加えていくつかのワークショップも用意しています。かーなり不思議なイベントになると思いますので、是非、お立ち寄りいただければうれしいです。

2023.11.10(Fri) - 11.23(Tue / holiday)
open:12:00 - close:18:00 (mon/tue close)
京都 出町・トランスポップギャラリー

〒606-8203 京都府京都市左京区田中関田町22-75 ルミエール出町柳
主催:TrancePop gallery / とぅえるぶ / hand saw press Kyoto

国内に散らばった約15箇所のリソグラフ・スタジオから届けられた、さまざまなzineやアートワーク、グッズ等を展示/販売します。つい数年前まで4,5箇所しかなかったスタジオが、気付くと一気に増えているだけでもうれしい限り。また、地方のスタジオでさまざまなアイテムが生まれて、町の形を変え始めているのがなんともうれしい限りです!


“印刷”とは“単なる複製”とは異なるものです。たとえそれが1枚の印刷物であったとしても、オリジナルの作品や原稿から姿、貌を変えた時に、まったく異なる意味を持ち始めるものです。極めて個人的だった創作物が、“印刷”という過程を経ることによって、外の世界へと旅立つ姿を目の当たりにするのはある種の感動でもあります。入魂のアートワークはもちろん、長年書き溜めてきた長編小説でもいいし、切れ端に書いた落書きでも、一編の詩でも構わない。もちろんZINEのような個人出版物でもいいし、緻密な写真集でもいい。とにかく、印刷が施されることによって、作品はようやく私とあなたと多くの人々の手に届きはじめるのです。まぁ、なんて素敵な話!

そんな印刷物を印刷工場の魔法の機械(その多くはオフセットやオンデマンド印刷なんですが)におまかせで創るのではなく、自分たちの手で作ることに関して少しだけ考えてみよう、というのがこのPPPのスタート地点です。もちろん家のプリンターでも印刷はできるし、コンビニのカラーコピーで面白い作品も作ることはできます。でも、僕らはリソグラフだったり活版印刷機だったりシルクスクリーンだったり、ちょっと(いや、かなり)不器用な機材を手に入れて、さまざまな試行錯誤をしてみて、その結果、この印刷自体を行なう過程と、その結果の得体のしれない面白さを知ってしまったのです。その面白みを少しでも伝えられればと思ってこのイベントを企画しました。

PPPは、zineイベントやアートブックフェアのようであり、アート作品の展示のようであり、愛らしいグッズの販売会のようでもあります。ただそれ以上に“自分たちで”印刷物を作ったり出版したり、冊子や書籍、ZINEを作ったりする人たちの、何らかの交流の場所になればいいと考えています。それゆえに、リソグラフのプリンターや制作者だけでなく、実際に自分で冊子を作るzinesterやひとり出版社の方々、そしてそれを目利きし販売する書店スタッフや雑貨店スタッフ、ディストリビューターの方々にも遊びに来ていただきたいと思っています。こんな書籍が、こんなアートワークが、今静かに生まれているんだよ、ということを知っていただきたいのです。そしてそれ以上に、「とにかくもう印刷物自体が大好きなんです!」な方々こそ、一番楽しんでいただけるイベントだと思います。

今回は急遽思いつきで始まったこともあり、リソグラフ・スタジオを中心にキュレーションしましたが、将来的には活版印刷やシルクスクリーンのプリンター/スタジオだけでなく、ガリ版や型染めの作家さん等々、印刷に関連する手仕事の方にも参加してもらいたいと考えています。また、今回は展示や販売だけでなく、リソグラフ以外のワークショップやトーク、さまざまなノウハウ等の公表を含んだ企画を予定しております。もちろん、この期間の間に、皆で何か作れればとも考えていますし、この先も年に1度くらいのペースで、無駄に大きくせずに濃厚な時間を保ち続けようと思っています。今回はまずその第一歩とお考えいただければうれしいです。またこのイベントは、巡回して2024年1月に、東京は池袋のポポタム/hand saw press Tokyoにおいて行なう予定です。

“Publish(出版)”が“Public(公共)”となる瞬間を共に楽しみませんか?


◆ワークショップ

「リソグラフでカラーポスターを作ろう」

11月18日(土)pm 14:00~
11月19日(日)am 11:00~(各回5名限定)
講師:小田晶房(hspk)
@ hand saw press Kyoto(浄土寺ホホホ座内)
参加費:3,000円(要予約/5枚のA3ポスターと分版データ付き)

リソグラフ印刷は、シルクスクリーン印刷にも勝るとも劣らないアート仕様が可能な版画技法のひとつ。そんなアート作品をリソグラフで印刷する際の工夫とテクニックを学びながらポスターを作るワークショップ。リソグラフの知識がなくとも、さまざまな場所でのリソグラフ印刷の精度が抜群に上がるコツやTipsをお伝えいたします。写真でもデザイン作品でもなんでも結構、先んじてデータを送っていただきこちらで分版、最終的には印刷したポスターをお渡しします。

ご予約はコチラまで!

「リソグラフのドラム分解・洗浄実演会」

11月19日(日) pm15:00~ 
@ hand saw press Kyoto(浄土寺ホホホ座内)

講師:小田晶房(hspk) 
参加費:4,000円(要予約)

リソグラフ本体を手に入れて思うのは、1色でも多くのカラードラムが欲しい、ということ。しかしドラムを手に入れても、欲しいカラーのインクドラムが手に入るわけじゃない。じゃ、自分で色を入れ替えてみますか、というDIY志向のあなたのためのドラム分解・洗浄を実演させていただきます。また、その場で「この色を入れ替えたい!」というあなたは、ドラム持ち込んでの参加も可能です。ドラムと新色インクを持ち込んでいただき、パーツ交換なしの洗浄指導を15,000円(参加費込)で行ないます。

ご予約はコチラまで!

「活版印刷機を用いた装丁の可能性と実演」 

11月12日(日)pm 12:00~ / pm 15:00~ 各5名限定
@ TrancePop Gallery(出町柳)

講師:山田祐史(TransPop Gallery)
4,500円(要予約/オーダー樹脂板付き)

出町TrancePop Galleryには、活版印刷の校正機(平台)であるVandercookがドーンと置かれています。こちらと手キン、そして玩具系のレタープレス印刷機を用いながら、オリジナルのポストカード印刷を活版で行ないます。また、活版印刷の魅力のみならず、手作りで活版用の樹脂板を作る作業のレクチャーも行ないますので、オリジナルの活版作品をいつでも制作できるようになります。当日の3日前までに、ご自身のデータをお送りください。

ご予約はコチラまで!

「GOCCO PROで可能性が広がるシルクスクリーン印刷」 

11月11日(土) 15:00~/17:00~ 各回5名
@ TrancePop Gallery(出町柳)

講師:山田祐史(TransPop Gallery)
   小田晶房(hand saw press Kyoto)
参加費:3,500円(要予約/シルクスクリーン版付き)各回5名限定

リソグラフを製造販売している理想科学のもうひとつの素晴らしい武器、PCからたった2分程度で、シルクスクリーン印刷用の製版が作れるGOCCO PROを用いてのワークショップです。こちらはシルクスクリーンのデータ(A4サイズまで)と刷りたいもの(Tシャツやトートバック等)を持ってきていただいて、シルクスクリーン技法の注意点や魅力を聞きながら、ご自身で刷っていただきます。刷り台やインク、スクリーン枠はこちらで用意しますのでお気軽に。今回の企画の中で珍しくお子様との参加も可能です。

ご予約はコチラまで!


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